忍者×猫のモフモフ時代劇 劇場版『猫忍』が公開!−大野拓朗 | Deview-デビュー
大野拓朗

撮影/mika 取材・文/長島恭子

「猫」と「時代劇」という異色のコラボが大いに話題となった『猫侍』に続く、新シリーズ『猫忍』。こじらせ忍者とオヤジ猫の珍道中を描いたドラマ版が1月に放送され、いよいよ劇場版が5月20日よりついに公開される。オヤジ猫“金時”とともに、笑いと癒しのモフモフ時代劇に挑んだ大野拓朗に直撃インタビュー。主役猫“金時”とのモフモフ2ショットもお届け♪
「撮影はかなりタイトなスケジュールだったし、金時がいなかったら乗り切れなかったなって思います」
大野拓朗
――いよいよ劇場版『猫忍』の公開が迫ってきました。まずこの作品との出会いを教えてください。
「僕はもともと、前シリーズのドラマ『猫侍』(2014)の大ファンだったんです。主演の北村一輝さんのお芝居は面白いし、猫は可愛いし、どこかヌケた雰囲気の作品の世界観が大好きでした。だからこのお話をいただいたときは本当にびっくりしたし嬉しかったです。そして何よりも、光栄に思いました」
――では台本が届いたときは感動したのでは?
「はい。台本もすごく面白かったし、演じた陽炎太(かげろうた)の間抜けなキャラクター設定を見た瞬間、“おお、(まさに)猫シリーズだあぁぁ!”とワクワクしました。撮影現場は非常に濃密で、スタッフさんは映画畑の方々が中心なので、1カット1カットへのこだわりがとても強いと感じました。作品は脱力感がありますが、“全力の熱意をもって皆で撮り切った”という感じ。本当にアツい現場でした」
大野拓朗
――大野さんはいつも役作りをするにあたり、キャラクターの詳細な履歴書を作るそうですね。今回の陽炎太も同じように取り組みましたか?
「今回の作品では、陽炎太のキャラクターはすべて台本にも書かれていたんです。コミュニケーション能力が低くて人見知り、一人前になり切れないこじらせ忍者…とか。父親との思い出や小さい頃から忍びの教育をされてきた背景も描かれていました。渡辺(武)監督さんからも撮影に入る前に、『現場で話し合いながら作っていこう』というお話しがありました。猫に合わせて芝居も変わるので、『台詞も現場でどんどん変えていいよ』と言われたので、今回に関してはあまり作り込まないで臨みました」
――主人公の陽炎太と共通点をあげるとしたらどんなところ?
「人見知りなところですね。僕は初めての人と会うとき、ちゃんとスイッチを入れてないと顔がひきつってしまう(笑)。だからいつも“機嫌が悪いとか感じ悪い人とか思われていないだろうか……”とビクビクしています」
――陽炎太は「心の声」の演出も面白いですよね。
「心の声は後日、アフレコしたのですが、一つのセリフに対して、ポジティブな感じだったり、ネガティブな感じ、抜けているバージョンと常に、3、4パターンの芝居をつけたんです。その場のノリでどれがいちばんおもしろいかなと試行錯誤しながら作っていました」
大野拓朗
――忍者アクションは、トレーニングを受けるほかに、何か参考にしましたか?
「『忍堂-SHINOBIDO-』など何本か映画を観ました。現代劇との大きな違いを感じたのは見栄を切ることの大切さです。それから陽炎太は、人は殺さない設定なので、殺陣もみね打ちなんです。時代劇のアクションは初めてでしたが楽しかったです。忍者独特といえば、地面をゴロゴロと転がる動きは、マットの上でかなり練習しました。回転の方向と脚の使い方によって、スパッと立てるかどうかが変わるんですよ」
――陽炎太は感情を抑えたようなセリフ回しも独特でした。
「これは大好きな『猫侍』の北村さんの世界観をリスペクトし、受け継ぎました。監督からの指示ではなく、完全に『猫侍』ファンの僕自身からの提案。台本読んだときに世界観が一緒だと感じたので、北村さんを思い出し、意識して渋く演じました」
――この作品は何といっても「父上」役の猫・金時とのコンビが見どころです。金時との初対面も緊張しましたか?
「僕、動物はめちゃめちゃ好きなんです。だから動物見知りはしないですね。特に金ちゃんは人懐っこいし抱っこも好きなので、最初から順調に撮影に入れました。金ちゃんも僕も、ただただお互いを信頼し、愛し合って絆が深まっていったという感じです(笑)」
大野拓朗
――猫を飼った経験は?
「それがないんです。友人も犬派が多くて、猫とガッツリ接したのは今回が初めてで。動物トレーナーの方に、猫はどこを触ると気持ちがいいのかなど教えてもらいました。もう金ちゃんが好きすぎて、カメラが回っていないときもず〜っと触っていましたね。金ちゃんもまったく嫌がらなくて、腕のなかで気持ちよさそうに寝てくれました」
――いつも懐に収まっている姿が可愛くて、温かそうでうらやましかったです。
「そうなんですよ! ちょうど秋から冬にかけて撮影だったので、現場はすごく寒かったんです。だから待機中もベンチに座り、お互い温め合い、癒されていました。『猫忍』の撮影期間はほかのお仕事との兼ね合いもあって、かなりタイトなスケジュールだったんです。なので、本当に金時がいなかったら乗り切れなかったなって思います」
――劇場版でのお気に入りのシーンや注目してほしいシーンは?
「アクションです。ドラマ版では弱かった陽炎太が、忍者らしく成長していて。完成した作品を見たら、アクションシーンが意外とカッコ良くて、感動しました。そして渋川清彦さんたちが演じる敵対する忍者チームや、麿赤兒さん、柄本明さん、そして船越英一郎さんらの絶妙な間と演技が大好きなんです。キャラクター一人一人の独特なゆるさがたまらないですよ!」
大野拓朗
――この作品が映画初主演となりますが、特別な想いはありますか?
「やはりスクリーンで観たときの迫力を想像するとワクワクしますね。最近はこうやって取材を受けたり、『猫忍』関連のイベントに呼ばれたりするので、ジワジワと公開を実感しています。僕自身も映画館で観たいけれど、一方ではお客さんの反応が不安で……映画館に行く勇気が出ないかも(笑)」
――デビューから8年目を迎えた今年、年明けからミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でロミオを演じたり、『猫忍』で映画主演を果たしたりとますますの活躍。今思う役者の魅力とは何でしょう?
「デビューから変わらないのは、ただただ芝居が楽しい、ということです。役者の仕事は普通に生活していたらできない経験や挑戦の連続ですし。例えば地べたを転がったり、不衛生なものでも演技上必要であれば口に入れなければならなかったりと、一つひとつのシーンに挑戦する度に、自分の皮がむけ、抱いていた壁が壊れていく感じがするんです。自分ではないキャラクターの人生を背負って生きると、自分の引き出しまで多くなり、人生も深まっていく。本当に、人生が豊かになっていく仕事だと感じています」
大野拓朗
――最後に、夢を叶えることに不可欠なこととは?
「努力だと思います。懸命に何かに取り組み、経験を積むことが糧になると思います。例えば簿記試験にチャレンジをするとか、法律を勉強することは、一見、役者を目指す上で関係ないように思えることとかも、試験を通るために死ぬほど頑張ったことっていうのは、確実に自分の自信になるんです。僕自身も昔、剣道をやっていて良かったなと思うし……」
―― どんなことでも一生懸命取り組んだことは、自身の糧になると。
「挑戦した、達成した、という自信から生まれる輝きは、オーディションにも必ず出ると思います。僕は“根拠のない自信”が持てないタイプですし、今でも、オーディションではすごく緊張します。だけど自信のある人って、やっぱり生き生きとしていて、魅力的だなと映るので、そうあるために努力を続けています」
Profile
大野拓朗(おおの・たくろう)●1988年11月14日生まれ、東京都出身。ホリプロ所属。2010年『キャンパスター☆H50』でグランプリを受賞し、同年、映画『インシテミル〜7日間のデス・ゲーム〜』で俳優デビューを果たす。主な出演作は、ドラマ/『三匹のおっさん』シリーズ、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、大河ドラマ『花燃ゆ』、映画/『サバイバルファミリー』、『高台家の人々』、『セーラー服と機関銃』、舞台/『ロミオ&ジュリエット』(主演)、『ヴェニスの商人』、『エリザベート』、など。
劇場版『猫忍』
5月20日(土)より角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
猫忍
猫忍
©2017「猫忍」製作委員会
2014年、「猫」と「時代劇」という異色のコラボが大いに話題となった『猫侍』。海外でも高い評価を得たスタッフたちが「猫」×「忍者」とテーマに再結集。イケメンなのに若干コミュ障なこじらせ忍者と、わがままボディ(デブ)が魅力の猫「父上」という異色のコンビが折りなす笑いと癒しのモフモフ時代劇。2017年1月に放送されたドラマ版に続き、劇場版がいよいよ公開!
≪story≫
時は、泰平――。
霧生忍者の久世陽炎太(大野拓朗)は、忍び込んだ屋敷で、生き別れた父そっくりのデブ猫(金時)に遭遇。なぜかその猫が、秘伝【変身の術】で化けた父・久世剣山(船越英一郎)だと思った陽炎太は、父を元の姿に戻さんと、抜忍となり【秘伝の巻物】を探す旅に出る。だが、抜忍となった陽炎太を追う霧生忍者の魔の手はすぐそこに迫っていた…。

公式サイト: http://neko-nin.info/
第42回 ホリプロタレントスカウトキャラバン「気になるあの子」〜女子も男子も応募OK!!〜
ホリプロタレントスカウトキャラバン
深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみなど、数多くのスターを発掘してきた、ホリプロ毎年恒例の大型オーディション『ホリプロタレントスカウトキャラバン』(TSC)。42回目となる今年のテーマは「気になるあの子」と題して、中学3年〜22歳までの男女を募集。近年のTSCは、女性限定のオーディションだったが、今回は1997年の第22回大会以来、実に20年ぶりに男女の募集となる。

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