撮影/加藤千絵(CAPS)取材・文/長島恭子
ミュージカル『ロミオとジュリエット』が、2017年1月に新演出&新キャストで復活。オーディションを経て、憧れのヒロイン・ジュリエット役に抜擢された、生田絵梨花と木下晴香に直撃インタビュー。本作にかける熱い想いをたっぷりと語ってもらった。
「(観劇した)当時、客席で自分が感じたエネルギーと感動を、今度は皆さんに伝えられるよう、精一杯演じます!」
――今回はお二人とも、オーディションを経てジュリエット役に抜擢。まずは決まったときの気持ちを聞かせて!
生田絵梨花「私は13年にこの作品を観たときから、“いつか絶対にこの舞台に立ちたい!”と思っていました。ですから、オーディションがあると聞いたときは、再演される嬉しさと同時に、“ダメで元々、今の力を精一杯出そう”という気持ちでオーディションに臨みました。オーディション当時は、演出の小池修一郎先生の前で歌うということで、最初は緊張でガチガチ! でも、小池先生からの演技指導が入る稽古さながらのオーディションだったので、“落ちたとしても得るものが大きかった、受けて良かった”と思っていました。結果をいただいたのは少し先だったので、正直、ダメだったか……と気持ちを切り替え始めていたので、合格の知らせはとても驚きましたし、嬉しかったです」
木下晴香「私は“オーディションに参加できることだけでも幸せ!”と感じていたので、やはり結果はどうあれ思い切りぶつかってみよう、という気持ちで受けました。 結果はメールで届いたのですが、読む勇気が出なくて、なかなかメールを開けなかったんです(笑)。なので“ジュリエット役に決まった”という文章が目に飛び込んできた瞬間は、あまりの嬉しさに泣いてしまいました」
木下晴香「私は“オーディションに参加できることだけでも幸せ!”と感じていたので、やはり結果はどうあれ思い切りぶつかってみよう、という気持ちで受けました。 結果はメールで届いたのですが、読む勇気が出なくて、なかなかメールを開けなかったんです(笑)。なので“ジュリエット役に決まった”という文章が目に飛び込んできた瞬間は、あまりの嬉しさに泣いてしまいました」
生田絵梨花
――ジュリエットの人物像について、オーディション時と今では印象は変わりました?
生田「はい。ジュリエット役が決まってから、原作を読み、他の映画作品も観たのですが、知れば知るほどイメージが変わりました。以前は可愛らしくて儚い女の子だと思っていましたが、今では意志が強く、むしろロミオを引っ張っていく女性だと感じています」
木下「生田さんと同じく、情熱的で強い部分を表現することが大事なのかなと思います。ただ、私は弱い感じになりすぎてしまい、それを稽古でも指摘されていて……」
生田「セリフ自体は嘆くようなものが多いから難しいよね。ただ悲しさを強調するのではなく、あえて強く言ってみたり、自分を奮い立たせるようにしたりと、解釈を変えながら演じていけたらな、とチャレンジしています」
木下「私も、“もしかして、日本語にはできない表現もあるのかな?”と思い、英文の本も買って、辞書で調べながら読んでみました。台本には出てこない部分や背景、話しの流れを感じることができたし、対立する家系に生まれたからこそ、ロミオに対しての気持ちが強くなっていったジュリエットを理解し、演じていきたいです」
生田「10代のロミオとジュリエットは、恋する気持ちに突っ走ってしまいます。大人からみたら愚かかもしれないけれど、最終的には大人たちが二人によって大事なことに気づかされる。だから演じるうえで若さゆえの勢いを理解することは、すごく大事だと思っています」
木下「生田さんと同じく、情熱的で強い部分を表現することが大事なのかなと思います。ただ、私は弱い感じになりすぎてしまい、それを稽古でも指摘されていて……」
生田「セリフ自体は嘆くようなものが多いから難しいよね。ただ悲しさを強調するのではなく、あえて強く言ってみたり、自分を奮い立たせるようにしたりと、解釈を変えながら演じていけたらな、とチャレンジしています」
木下「私も、“もしかして、日本語にはできない表現もあるのかな?”と思い、英文の本も買って、辞書で調べながら読んでみました。台本には出てこない部分や背景、話しの流れを感じることができたし、対立する家系に生まれたからこそ、ロミオに対しての気持ちが強くなっていったジュリエットを理解し、演じていきたいです」
生田「10代のロミオとジュリエットは、恋する気持ちに突っ走ってしまいます。大人からみたら愚かかもしれないけれど、最終的には大人たちが二人によって大事なことに気づかされる。だから演じるうえで若さゆえの勢いを理解することは、すごく大事だと思っています」
木下晴香
――お二人が思うこの舞台のいちばんの魅力は何でしょう?
生田「私は楽曲です。バラードもロック調もウキウキワクワクするし、素晴らしい!」
木下「私も同じです。どの曲も聴いても歌っていてもず〜っと楽しい!!」
生田「ダンサーさんもアクロバティックですごく迫力があるよね?“私、本当にこの舞台に出演するのかな!?”ってドキドキするし、キャストはみんな、感動しています」
木下「そうなんです。稽古中はいつもダンサーさんの動きを観ながら『ウワッ〜! ウワッ〜!!』って、思わず声をあげながら見入っています(笑)」
木下「私も同じです。どの曲も聴いても歌っていてもず〜っと楽しい!!」
生田「ダンサーさんもアクロバティックですごく迫力があるよね?“私、本当にこの舞台に出演するのかな!?”ってドキドキするし、キャストはみんな、感動しています」
木下「そうなんです。稽古中はいつもダンサーさんの動きを観ながら『ウワッ〜! ウワッ〜!!』って、思わず声をあげながら見入っています(笑)」
――好きな楽曲やシーンは?
生田「楽曲で言うと、一目ぼれしたロミオとジュリエットがその夜、人目を忍んでこっそり会うシーンで歌われる『バルコニー』です。今、まさに稽古に入ったばかりですが、ロマンティックだけどクスッと笑えるような現代っぽさもあり、前回の再演時とはお芝居の演出も変わってきています」
木下「私はジュリエットとロミオが初めて出会う舞踏会のシーンが好きです。ジュリエットにとってはロミオが初恋なんです。このシーンで、ジュリエットのときめく感じや嬉しさを表現していきたいと思います。また、大勢のキャストやダンサーが舞台上にいるシーンでもあるので、今後、どんな風に作り上げていくのかも楽しみです」
木下「私はジュリエットとロミオが初めて出会う舞踏会のシーンが好きです。ジュリエットにとってはロミオが初恋なんです。このシーンで、ジュリエットのときめく感じや嬉しさを表現していきたいと思います。また、大勢のキャストやダンサーが舞台上にいるシーンでもあるので、今後、どんな風に作り上げていくのかも楽しみです」
――ロミオ役も今回は古川雄大さんと大野拓朗さんのWキャストです。二人の印象は?
生田「初めてこの舞台を観たときのロミオ役が古川さんだったので、私にとって古川さんはロミオそのもの。パンフレット撮影で初めてお会いしたときは、とても緊張しました。やはりいちばんこの舞台の世界を理解されているので、安心してついていっています」
木下「古川さんはまさに、お芝居で引っ張ってくださる方。特に二人のシーンでは、どんどん私のなかのジュリエットを引き出してくれる感じがします」
生田「対して大野さんはいつも場を盛り上げるタイプ。楽しいよね」
木下「はい、すごく真っすぐな方という印象です。大野さんのロミオは優しく包んでくださる感じかな。でも、お二人とも日々、変化しているので楽しみです」
木下「古川さんはまさに、お芝居で引っ張ってくださる方。特に二人のシーンでは、どんどん私のなかのジュリエットを引き出してくれる感じがします」
生田「対して大野さんはいつも場を盛り上げるタイプ。楽しいよね」
木下「はい、すごく真っすぐな方という印象です。大野さんのロミオは優しく包んでくださる感じかな。でも、お二人とも日々、変化しているので楽しみです」
――では、生田さんと木下さんの、お互いの印象を教えて!
生田「晴香ちゃんは年下だし、大きな舞台は初めてだというのに、すごく落ち着いているんです。この間、初めてご飯を食べに行ったのですが、佐賀から東京に来たばかりなのに、気づいたら私が道案内されていて(笑)。“もっとしっかりしなきゃ!”と反省しています」
――そんなことがあったんですね(笑)。
木下「ふふふ! 私にとって生田さんはずっとテレビで観ていた憧れの存在。初めてお会いしたときは、“うわ〜本物だぁ! こんなに可愛い人が本当にいるんだなぁ”って感動しました。“仲良くしてもらえるかなぁ”って、すごく不安だったけれど、初対面のとき、生田さんから話しかけていただいてとても嬉しくて。それから本当に、すごく、支えていただいて……」
――それは心強い!
生田「いやいやいや! そんなことないです。ちゃんと支えられてないです!!」
木下「いえ、本当に今、生田さんは私にとっての支えなんです。お芝居を観ていると“あぁ、こう演じればいいんだ”と気づかされるし、いつも相談に乗ってもらっているし」
生田「私こそ晴香ちゃんの存在が刺激になっているんだよ? 晴香ちゃんの澄み渡るような歌声を聴くと、本当に感動するし、私ももっと頑張らなくてはと思う。常に背中を押してもらっています」
木下「いえ、本当に今、生田さんは私にとっての支えなんです。お芝居を観ていると“あぁ、こう演じればいいんだ”と気づかされるし、いつも相談に乗ってもらっているし」
生田「私こそ晴香ちゃんの存在が刺激になっているんだよ? 晴香ちゃんの澄み渡るような歌声を聴くと、本当に感動するし、私ももっと頑張らなくてはと思う。常に背中を押してもらっています」
――お二人とも、ミュージカルにはとても強い思い入れがあると聞いています。ミュージカルにしかない魅力とは何でしょうか?
生田「観客の目線で言うと、やはり劇中の歌と歌詞に胸を打たれます。ミュージカルでは、言葉では表現しきれない感情の波や魂の叫びが、歌になって心に届く。音楽が流れ始めるたびに、胸が高鳴ります」
木下「芝居と歌とダンスのパワーを感じられること。芝居や歌からは役者の熱がウワーッと伝わり、楽しい楽曲を聴くと自然に体がのってくる。そして、激しいダンスには圧倒されます。きっと『Deview』の読者の皆さんも、一度観たら、“やってみたい!”という気持ちになる人が多いのではないのかなと思います!」
生田「でも、演者の視点では、その魅力こそが難しさなんですよね。セリフを歌にのせて観客の気持ちに届けることって、本当に難しい。まさにそれが今の私の課題で、『ただ音符や歌詞を追うだけではダメだ、歌は役の感情から生まれるのだから』と毎回、指摘されています。特にこの舞台の楽曲は、歌詞のほとんどが原作のシェイクスピアの言葉で綴られているので、物語上でも歌が重要。常に頭を使いながら稽古をしています」
木下「芝居と歌とダンスのパワーを感じられること。芝居や歌からは役者の熱がウワーッと伝わり、楽しい楽曲を聴くと自然に体がのってくる。そして、激しいダンスには圧倒されます。きっと『Deview』の読者の皆さんも、一度観たら、“やってみたい!”という気持ちになる人が多いのではないのかなと思います!」
生田「でも、演者の視点では、その魅力こそが難しさなんですよね。セリフを歌にのせて観客の気持ちに届けることって、本当に難しい。まさにそれが今の私の課題で、『ただ音符や歌詞を追うだけではダメだ、歌は役の感情から生まれるのだから』と毎回、指摘されています。特にこの舞台の楽曲は、歌詞のほとんどが原作のシェイクスピアの言葉で綴られているので、物語上でも歌が重要。常に頭を使いながら稽古をしています」
――では最後に、この舞台にかける思いをお願いします!
生田「この『ロミオ&ジュリエット』はオーディションで掴んだ初めての舞台なので、新人の気持ちで臨みます。昔からやりたかった舞台の仕事への情熱をどこかに置いてきてしまったと感じていた頃、私はこの作品に出会い、“やっぱり私は舞台をやりたいんだ!”というエネルギーが生まれ、今日まで突き進むことが出来ました。その当時、客席で自分が感じたエネルギーと感動を、今度は皆さんに伝えられるよう、精一杯演じます!」
木下「想いがたくさんありすぎて、うまく言葉にできないのですが……。ジュリエットとして心が動き、心の動きが自然と体の動きとして表現できるようになることが、今のいちばんの課題です。今はまだ、言われた通りの動きしかできていない段階ですが、本番までにしっかり稽古を積んでいきます!」
木下「想いがたくさんありすぎて、うまく言葉にできないのですが……。ジュリエットとして心が動き、心の動きが自然と体の動きとして表現できるようになることが、今のいちばんの課題です。今はまだ、言われた通りの動きしかできていない段階ですが、本番までにしっかり稽古を積んでいきます!」
生田絵梨花(いくた・えりか)●1997年1月22日生まれ、ドイツ・デュッセルドルフ出身。乃木坂46合同会社所属。2011年に乃木坂46第1期生オーディションに合格。10thシングル「何度目の青空か?」ではセンターを務めるなど、乃木坂46の中心メンバーとして活動中。映画『超能力研究部の3人』、舞台『虹のプレリュード』、『リボンの騎士』主演ほか、女優としても活動中。2017年5月には、ミュージカル『レ・ミゼラブル』への出演も決定している。
木下晴香(きのした・はるか)●1999年2月5日生まれ、佐賀県出身。トライストーン・エンタテイメント所属。2015年『全日本歌唱力選手権歌唱王』(日本テレビ)の決勝に進出。オーディションでジュリエット役に抜擢された期待の新人。
木下晴香(きのした・はるか)●1999年2月5日生まれ、佐賀県出身。トライストーン・エンタテイメント所属。2015年『全日本歌唱力選手権歌唱王』(日本テレビ)の決勝に進出。オーディションでジュリエット役に抜擢された期待の新人。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
東京:2017年1月15日(日)〜2月14日(火)TBS 赤坂ACTシアター
大阪:2017年2月22日(水)〜3月5日(日)梅田芸術劇場メインホール
東京:2017年1月15日(日)〜2月14日(火)TBS 赤坂ACTシアター
大阪:2017年2月22日(水)〜3月5日(日)梅田芸術劇場メインホール
大ヒットを記録した、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』が、新キャスト・新バージョンで4年ぶりに上演。
同作はシェイクスピアによる名作を2001年にパリでミュージカル化。日本では2010年に宝塚歌劇団星組が初演を上演。2011年に日本オリジナルバージョンを上演、2013年に再演を行い、今回が4年ぶりの公演となる。
オーディションにより、ほぼ全配役が新キャストとなる本作。ロミオ役には古川雄大が引き続き出演。Wキャストには、ミュージカル初主演となる大野拓朗。ジュリエット役には、『虹のプレリュード』や『リボンの騎士』で主演経験のある、乃木坂46の生田絵梨花と、TV番組『全日本歌唱選手権 歌唱王2015』の決勝戦に佐賀県から出場した期待の新人・木下晴香が挑む。若者の情熱と、その純粋さを操る“死”の妖しい美しさ、失われた世界に燃え上がるひとすじの恋を描いた、永遠の感動のミュージカルの新たな歴史が生まれる。
公式サイト: http://romeo-juliette.com/
同作はシェイクスピアによる名作を2001年にパリでミュージカル化。日本では2010年に宝塚歌劇団星組が初演を上演。2011年に日本オリジナルバージョンを上演、2013年に再演を行い、今回が4年ぶりの公演となる。
オーディションにより、ほぼ全配役が新キャストとなる本作。ロミオ役には古川雄大が引き続き出演。Wキャストには、ミュージカル初主演となる大野拓朗。ジュリエット役には、『虹のプレリュード』や『リボンの騎士』で主演経験のある、乃木坂46の生田絵梨花と、TV番組『全日本歌唱選手権 歌唱王2015』の決勝戦に佐賀県から出場した期待の新人・木下晴香が挑む。若者の情熱と、その純粋さを操る“死”の妖しい美しさ、失われた世界に燃え上がるひとすじの恋を描いた、永遠の感動のミュージカルの新たな歴史が生まれる。
公式サイト: http://romeo-juliette.com/
関連記事
-
★『Deview/デビュー』ニュース(2016.12.20)生田絵梨花、念願のジュリエット役に「演じられてとても幸せ」ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公開稽古
-
★『Deview/デビュー』トップインタビュー(2016.11.24)生田絵梨花インタビュー/「『ミュージカル女優』は私の昔からの一番大きな夢」
-
★『Deview/デビュー』ニュース(2015.11.12)乃木坂46・生田絵梨花、『リボンの騎士』サファイア熱演 ミュージカル女優の夢に前進
-
★『Deview/デビュー』ニュース(2013.09.15)城田優「愛に生きて愛に死んでいきたい」ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』