「焦ることよりも、“今、自分ができること”を一生懸命やることが大切だと思います」
TeamDメンバー
――芸能界を目指したきっかけを教えてください(福山)
「もともと僕は、中学からテニスをやっていたので、テニスのインストラクターになりたかったんです。でも、高校のときに怪我をしちゃって諦めざるを得なくて……。そんなときに、中学の友達が『お芝居でもテニスができるんじゃない?』って、ワタナベエンターテイメントカレッジ(WEC)のオーディションを教えてくれたんです。それで、WECのワークショップでお芝居の楽しさを知って、そこから『D-BOYSオーディション10th』を受けました」
東 啓介くん
――その『D-BOYSオーディション10th』で印象に残っていることはありますか?(水口)
「お客さんが200人くらい観ているなかで、自己PRやお芝居、ダンスを披露したんですが、緊張しすぎて、全員が敵にみえました(笑)。終わったときには、たくさんの人に観てもらえてよかったなって思いましたけど、審査員の方もたくさんいたので、緊張して楽しめなかったんです。このオーディションでは、最終審査の前に、カメラで密着されていたり、ブログを毎日更新したり、アメスタに出演させていただいたり、初めての経験が多く、目の前のことで無我夢中でした。そうやって迎えた最終審査の本番のとき、“グランプリを獲らなきゃ”という、今までにないくらい強い気持ちが生まれました。結果は、何も賞は獲れなかったんですけどね(笑)」
――オーディションを受ける際に気をつけていることなんですか?(水口)
「元気!(笑)。『入ってきて3秒が勝負』とよく言うじゃないですか。なので、元気よく挨拶することや笑顔でいることを心がけています」
――自己PRって何をしてるんですか?(水口)
「僕は歌を歌います。舞台作品の歌とか、J-POPや洋楽とか歌う曲はそのときによって様々ですが、基本的に自己PRは楽しんでやっています。みなさん緊張されると思うんですけど、緊張するっていうことは、“うまくやろう”というプラスの想いだと思うので、それを武器にできたら楽しめるんじゃないのかなと思います。オーディションの面接って、自分をみてもらう場所だと思うし、“僕が一番だ”っていう気持ちでやれたらいいのかなと。自己PRでやることってどんなことでもいいと思うんですけど、下手でもやりきっている人のほうが見ていて清々しいと思います」
――役者をやっている上で心がけていることはありますか?(浅谷)
「コミュニケーションですかね。それが一番大事なことかなと思っていて。この前の舞台『弱虫ペダル』〜箱根学園(ハコガク)新世代、始動〜のときは、僕が座長だったんですが、新キャストも多かったので、本稽古が始まる前のワークショップのときに、一人一人と話してみたり、この舞台ならではの自転車の“ライディング”を一人一人に教えたり、みんなでご飯に行ったり、そういうことを通じてコミュニケーションをとって、カンパニー作りをしていきました。あとは、スタッフさんが考えている意図を汲み取るのも大事だと思います。音響さんや照明さんとかって、僕たちを輝かせてくれる方々なので、それに対して僕たちもきちんと応えないといけない。作品づくりにおいてはスタッフさんに対してのコミュニケーションや気配りも大切だと思っています」
――現在、いろんな舞台にご出演されていますが、本番前にモチベーションをあげるためにやっていることはありますか?(水口)
「舞台『弱虫ペダル』〜箱根学園(ハコガク)新世代、始動〜だったら、僕が演じた葦木場拓斗という役が、ベートーベンの交響曲第9番『歓喜の歌』が好きというキャラクターだったので、本番前にキャラに入り込むために、その曲を聴きながらアップをしたり、台本読んだりしていました。いつもそのキャラに関連したことをしながら、集中しています」
――原作がある2.5次元舞台においては、どのような役作りをしているんですか?(浅谷)
「最初は、アニメを観て、そこから役を作っていくという形から入る感じだったんですけど、今では原作を読んだ上で、自分なり“このキャラはこんなことを思っているのかな”とか“このキャラだったこう動くかな”とか、アニメとかで観たものを真似するというよりは、このキャラクターが人間として、どう思って、どう動くのかとかを考えながら役作りをしています」
――お芝居をやっていて楽しいと思うことはなんですか?(浅谷)
「舞台だったら、カーテンコールの瞬間が一番気持ちいいです。本番中は客席がぜんぜん見えないんですが、カーテンコールで客席の電気がついてるときだけ、みなさんの顔が見れるので、そういうときは感謝の気持ちや“やっていてよかった、これからも続けたい”という思いが一気に湧き上がってきます」
――逆に大変なことって?(浅谷)
「僕はまだまだ役者として経験が少ないし、役に対しての引き出しがなかったりするので、そこに苦労しています。舞台『弱虫ペダル』だと、本役以外にもモブ(=名前を持たず通行人など群衆として扱われるキャラクター)でいろいろな役をやらないといけなくて。それは原作にはない自分で作り上げていくキャラクターなので、どう個性をつけていって、どう面白いキャラクターにしていくか、いろいろ考えたりするのは大変でした。でも、力試しができる場所でもあると思っているので、役者としては嬉しいことでもあります」
――キャパオーバーになったりしないんですか?(福山)
「もちろん、そういう時もあります。女装の役やオネエの役をやったときに、自分の引き出しがなさすぎて、女性のしぐさとか、オネエの言葉遣いとか、どうやればいいか全然わからなくて。ただオネエっぽくやっただけでは面白くないし、どうやったら面白くできるんだろうって、すごく悩んで。できない自分に対して、すごく悔しくてトイレで泣いたこともありました」
――そんな中で気持ちを強く持つ秘訣というか、自信につながるものってなんですか?(福山)
「本番を終えたときのお客さんの拍手とか、演じたときに笑いがとれたり、お手紙をいただいたりすることは、自信になります。本番始まるまでは不安もあるし、“本当にこれで正解なのかな?”って思ったりもするんですけど、本番終えて、みなさんからいただいた手紙を読んだりすると、自信につながります」
――レッスンとかもあると思いますが、東さんが個人的にやっていることってありますか?(水口)
「今、ボイトレに通っているんですが、ボイトレでできなかった部分とか“ここもうちょっと歌いたかったな”っていうところを、カラオケに行って個人的に練習したりしています。あと、舞台観劇は刺激をもらえる場所なので、たくさん行くようにしています。最近観た舞台で印象に残っているのは、ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』。画家・ゴッホの人生を描いた作品だったんですが、ゴッホは“自分が描いているものはすごく面白いものなんだ”と信じて続けて描いてきて。でも、そのゴッホの絵が売れたのは、ゴッホが亡くなってからだった……というのを知って、すごく儚いなと。僕のおじいちゃんも画家だったので、僕が生まれたときには亡くなっていたけど、どういう思いでこの絵を描いたんだろうっていうのを聞きたくなったりして。刺激をもらえたし、一つ経験値をいただいた気がしました」
――ワタナベエンターテインメントって、どんな事務所ですか?(福山)
「僕は最初にスクールに入ったのですが、そこでも教務の方から社会人としての基礎から教わり、日々のレッスンの中で自分がどんなことに向いているのか親身に向き合って頂いて心強かったです。マネージャーさんも、日常会話の中で10年後20年後どうなりたいか、またどうしていくかを気軽に相談できます。僕を見つけてくれたということに関して、毎回恩返しをしないといけないなって思うし、舞台に出るときは周りの方々の期待以上のものを出さないといけないなと思っています。先輩ともご飯行ったりしますし、いろんな刺激を与えてくれる、いい事務所だと思います。この前の舞台『弱虫ペダル』〜箱根学園新世代、始動〜のときは、(同じ事務所の先輩の宮崎)秋人くんにすごく助けられました。居てくれるだけで、僕は安心したし、自由にできる感じがして、先輩の大きさを実感しました」
――私は今22歳で、18歳くらいからこの業界に入りたくてオーディションを受けたりしているんですが、私と同じように、同世代で芸能界を目指している読者も多いと思います。ぜひ、東さんから応援メッセージをいただけますか?(福山)
「年齢はぶっちゃけ関係ないと思います。もちろん早くやって損はないけど、焦って“アレもしなきゃ、コレもしなきゃ”ってなるよりは、自分の持っている武器をより磨いて、オーディションに臨むことが大切なのかなと。たとえば、“ミュージカルが好き”っていう人だったら、その歌を誰よりも練習するとか、何事にも努力は必要だと思います。努力することに損はないと思うし、“やって良かった”ってなると思う。“今、デビューしないと!売れないと!”と焦るよりも、“今、自分ができること”を一生懸命やることが大切だと思います」