ミュージカル『浜村渚の計算ノート』主演をオーディションで掴んだ期待の俳優・桑原愛佳「渚ちゃんの普通っぽさと天才性のギャップの魅力を演じたい」 | ニュース | Deview-デビュー

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2023/08/09 08:01

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ミュージカル『浜村渚の計算ノート』主演をオーディションで掴んだ期待の俳優・桑原愛佳「渚ちゃんの普通っぽさと天才性のギャップの魅力を演じたい」

ミュージカル『浜村渚の計算ノート』で主人公・浜村渚を演じる桑原愛佳(C)Deview
ミュージカル『浜村渚の計算ノート』で主人公・浜村渚を演じる桑原愛佳(C)Deview

 110万部突破の人気推理小説を原作としたミュージカル『浜村渚の計算ノート』が8月26日・27日の福岡・キャナルシティ劇場を皮切りに全国で上演される。主人公・浜村渚役にオーディションで抜擢されたのは、渚と同じ年齢の中学2年生ながら、歌唱力、演技力、スター性を兼ね備えた新たなミュージカルスターとして期待を集める桑原愛佳(くわばら・まなか)。今回製作発表を終えたばかりの彼女にインタビュー。本作のオーディション体験から、作品および主人公・浜村渚の魅力、自身のプライベートまで話を聞いた。

 『浜村渚の計算ノート』は、講談社から刊行されている青柳碧人による日本の大ヒット推理小説。2021年にミュージカルとして初演され、原作の面白さや数学の奥深さを魅力的な楽曲とともに贈る、歌って踊って謎解きする新感覚謎解きミステリーとして表現。教育的価値のある作品としても高い評価を受けている。

 今回新たにオーディションで主人公・浜村渚役に抜擢されたのは、2019年の『レ・ミゼラブル』リトルコゼット役や、2021年の『アナと雪の女王』ヤングエルサ役などで舞台経験を積んできた14歳・桑原愛佳だ。

■ミュージカル『浜村渚の計算ノート』主人公:浜村渚役・桑原愛佳インタビュー

――今回、オーディションを突破して主演を掴んだわけですが、テレビ番組の密着取材も入る、サバイバル形式で行われたオーディションという初めての経験はいかがでしたか?

【桑原】「ダンス審査は、その場で1時間で振り入れして踊るというものだったので、ちゃんと覚えられるかが不安でした。演技審査はエチュード(即興劇)で、自分で設定からセリフまで考えて演じるのが初めてだったので、うまく状況を伝えながら自分で作ったものを演じられるかどうか…一番緊張しました」

――エチュードではミュージカルが好きな気持ちを先生に伝えるという演技をされましたが、やはり自分の気持ちを役に乗せやすい設定を作られたんですか?

【桑原】「実際には先生から反対されたことはなくて、応援してもらえることのほうが多いんですけど、先生や親に反対されて好きなことができない子もいるので、そういう子の気持ちになって、自分が大好きなミュージカルをやりたいという強い想いを意識して演じました」

――オーディションを通じて、自分が一番アピールしようと思ったことは?

【桑原】「渚ちゃんのイメージをちょっと頭に入れながらも、あんまり作らないで自分らしくやろうと思いました」

――今回オーディションに残った5人は個性も様々で、本当に誰が残るか分からない状態でした。テレビに映っている以外では、5人はどんな関係性だったんですか?

【桑原】「一次審査の時はみんな緊張していたんですが、終わった後には“みんな頑張ったね”って感じで、お互い健闘を称え合っていました。最後には本当に普通の学校生活のお話や、恋バナをしたり(笑)。自分が最年少でみんなお姉さんだったので、お化粧のことも聞いたりしました。今回、最後の審査まで一緒だった西條妃華さんとも共演することになり、オーディションの時にも色々助けてくれた心強いお姉さんなので、すごく嬉しいです。やっぱり、初主演の舞台ということで、緊張して不安な部分もあるので、いてくださるだけでも自分の心構えも全然違うと思います」

――オーディションを勝ち抜いて主人公・浜村渚役に決まった時の気持ちを教えてください。

【桑原】「人生で一番びっくりしたんじゃないかっていうぐらい、本当に信じられませんでした。ずっと渚ちゃんを演じたいと思ってオーディションを受けていたので、それが出来るという嬉しさが込み上げてきました。でも今はちょっと実感が湧いてきて、頑張らなきゃって気が引き締まる感じです」

――役の衣装を身につけた感想はいかがですか?

【桑原】「この衣装は本当に可愛くて、実際学校に着ていきたいなって思うぐらいです。解禁されたビジュアルを見た友だちも、私たちの学校もこれにしてほしいねって言ってたので、すごい可愛いんだなって。渚ちゃんに近づいた気がします。あと、役のために髪を初めてボブにしました。本当に小さい頃におかっぱだったときはあるんですけど、そこから髪をカットしたのは初めてだったので…最近になってちょっとずつ慣れてきました」

――浜村渚は桑原さんと同い年の中学2年生です。自分と似ているなと思う部分はありますか?

【桑原】「結構たくさんあります。渚ちゃんは少し抜けてるところや不器用なところ、恥ずかしがり屋なところがあるんですけど、そういうふうに普段の普通っぽいところがすごく似てるのかなって思います」

――自分とは違うなって思うところは?

【桑原】「私も数学はすごく好きなんですけど、天才的な渚ちゃんほど頭は柔らかくないです。でもこの前中間考査があったんですが、点数が良くて渚ちゃんが宿ったなって思えた瞬間でした(笑)」

――じゃあ一番得意な教科はやっぱり数学ですか?

【桑原】「一番得意な教科は英語と音楽です。歌は大好きで得意なんですけど、学校では“ミュージカル 頑張って”とか言われるので、恥ずかしくてそんなに大きな声で歌ったりはしません」

――オーディションの前に“原作を読んでぜひやりたい役だと思った”とおっしゃっていましたが、浜村渚の魅力はどんなところだと思いますか?

【桑原】「渚ちゃんはみんなが共感しやすいキャラクターなんです。物語の世界では、渚ちゃんが唯一得意とする数学が禁止されているんですが、そんな世の中に対する不安が、将来に不安を抱えている中高生にも共感しやすい部分だと思います。逆に渚ちゃんは、数学が関わると天才的な力を発揮するので、そのギャップがすごく魅力的な女の子だと思います。舞台の上でもそのギャップの魅力をストレートに伝えられるようにしたいです」

――数学が苦手だという人も、この舞台を見てくれたら数学好きになりそうですね。

【桑原】「学校で一番仲の良い子が数学が苦手なんですけど、この作品には興味を持ってくれていて、最前列で観に行くっていってくれています。私もこの本を読んだ時、ただ数学の授業を受けるよりも全然面白くて、数学がより好きになりました。それをミュージカル化したら、歌があったり、ちょっと笑える部分もあるので、もっと伝わりやすくなるんじゃないかと思っています。台本を読んでみたら、すごい数式が並んでいたりするんですが、それをサラサラっと言えちゃったらすごくカッコいいんじゃないかと思います」

――本作は、自分が何かに夢中であることを肯定するとか、何かのオタクであることの強さというのもテーマなのかなと思うのですが、桑原さん自身がこれについては熱くなってしまうというものはありますか?

【桑原】「やっぱりミュージカルが大好きです。渚ちゃんにとっての数学が、私にとってのミュージカルだなと感じる部分はあるので、舞台上でもミュージカルを語っているような気持ちで演じられたらいいなって思います」

――これまで多くの作品でオーディションを受けて役を掴んできた桑原さんですが、オーディションに臨む時に心がけていることを教えてください。

【桑原】「やっぱりオーディションって緊張しちゃうので、それを解くために掌に“人”って書いて飲み込んだり、昔ながらのことをやっています(笑)。事前の準備としては、原作のキャラクターがいるなら、その子が絶対にやらないようなことはしないようにしています」

――今回も事前に作品を読んでキャラクターを深掘ったようですが、普段の生活から役に合わせて変えていったりするんですか?

【桑原】「今回は数学が大好きな女の子の役じゃないですか? これまでは数学って課題がすごく多いので“なんでこんなにやらなきゃいけないの!”みたいに友達と一緒に文句を言ってたんですけど、今は頑張ってそれを止めてます。友達が文句を言っていても“やらなきゃダメだよ!頑張ろう!”って(笑)。やっぱりちょっとしたことでも渚ちゃんに対して失礼がないように…ということは心がけています」

――デビューは芸能の世界にデビューしたい、舞台に立ちたいという人が読んでいるサイトなんですが、ご自身の経験を踏まえて、背中を押してあげるようなメッセージをいただけますか?

【桑原】「私は全然そんなことを言える立場じゃないんですが…。でも、まずミュージカルとかをやろうって思えること自体が何かにつながると思うので、そこは自分に自信を持っていいんじゃないかと思います。何かを目指すきっかけがあるというのは幸せなことだと思うので、辛いと思わないのなら、ぜひ始めてもらえたらと思います」

――桑原さん自身がミュージカルに出会ったきっかけは?

【桑原】「私はミュージカル『アニー』を観に行かせてもらった時に、私もこの舞台に立って歌って踊ってみたいって思ったのがきっかけです。そして小学4年生くらいの時に『レ・ミゼラブル』のような大作を観て、こんなに人を感動させられるものがあるんだ、しかも舞台の一人一人が魅力的に輝ける場所があるんだっていうのを感じて。そこから本格的にやってみたいと思うようになりました」

――今後もミュージカルの世界での活躍を続けられると思うんですが、夢や目標はありますか?

【桑原】「親しみを持ってもらえるような役者さんが目標です。そして『レ・ミゼラブル』にリトル・コゼット役で出させてもらった時から、あの舞台にもう一度大人のキャストとして立ってみたいという夢があります。そのためにも、どんどんキャリアを積んで、自分を成長させていきたいです」

――今回舞台初主演というのも、大きく成長できるきっかけになりそうですね。

【桑原】「本当にプレッシャーと緊張もあるんですけど、初めてのことなので、大きなチャンスでもあると思います。一生懸命皆さんについていけるように頑張りたいですし、座長としてお役に立ちたいと思います」

――最後に舞台にかける意気込みとこの舞台を楽しみにしている人にメッセージをお願いします。

【桑原】「ミュージカル、数学、ミステリーという3つの要素が混ざっている新感覚のミュージカルで、絶対に楽しい作品になると思います。渚ちゃんの普通な感じと天才性のギャップを観ていただきたいですし、渚ちゃんが決して敵のテロリストを貶めようとしているわけではなくて、数学の力で心を救って、正しい方向に導こうとしているところに感動できると思うので、ぜひそこにも注目していただきたいと思っています」

 ミュージカル『浜村渚の計算ノート』は8月26日・27日まで福岡・キャナルシティ劇場にて、その後、9月1日〜3日まで大阪・森ノ宮ピロティホール、9月9日・10日まで名古屋・ウインクあいち大ホール、9月14日〜18日まで東京・サンシャイン劇場にて上演される。

■桑原愛佳(くわばら・まなか)/2009年7月11日生まれ、東京都出身。『レ・ミゼラブル』リトルコゼット役(2019年)、『アナと雪の女王』ヤングエルサ役(2021年)、『北斗の拳〜フィスト・オブ・ノーススター』リン役(2022年)などに出演。

■ミュージカル『浜村渚の計算ノート』公演概要

原作:青柳碧人「浜村渚の計算ノート」(講談社文庫刊)
脚色・演出:植木護 
作曲・音楽監督:松田純一  
出演:桑原愛佳 / 立石俊樹、藤岡真威人、飯窪春菜、隅田美保、入来茉里 /
井上小百合、レ・ロマネスクTOBI、朝隈濯朗、ダイアモンド☆ユカイ 他
【福岡公演】2023年8月26日(土)〜27日(日)キャナルシティ劇場
【大阪公演】9月1日(金)〜9月3日(日)森ノ宮ピロティホール
【名古屋公演】9月9日(土)〜10日(日)ウインクあいち大ホール
【東京公演】9月14日(木)〜18日(月・祝)サンシャイン劇場

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