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2023/08/06 12:26
少女歌劇団ミモザーヌ2023年夏公演スタート 実力派の少女たちがレビューショウを復活させる
マルチクリエイター・広井王子氏が総合演出を務め、吉本興業の「少女歌劇団プロジェクト」から生まれた少女歌劇団ミモザーヌが、8月5日より、東京・草月ホールにて『〜魅惑のバラエティショウ〜 Summer Collection 2023』をスタート。初日公演前にゲネプロが行われ、最上級のパフォーマンスを披露した。
ミモザーヌは11歳〜19歳の少女たちで構成され、今年4月に3人の第5期生が入団。現在は22人で活動しています。2020年11月に本格始動して以来、2021年から毎年、東京と大阪で夏・冬の年2回、レビューショウをはじめとする定期公演を行っている。
本公演からはコロナ禍で制限されていて客席の声出しが解禁となる。オープニングは、メンバーのすずき みあい ムェンドワの「この3年間のモヤモヤを吹き飛ばすぞー!」との掛け声と共に、アメリカで生まれた名曲『Proud Mary』で幕開け。思わず、客席から見守っていた観客からもレスポンスが飛ぶ。
一幕は、“良い子”でいることを演じている1人の少女が主人公の物語。密かに“悪い子”に憧れを抱いていると、白天使と黒天使が現て、2人の両極端な言葉に惑わされながらも、自ら答えを見つけ、大人へと成長していくストーリーが展開。思春期に抱える葛藤を、同世代の少女たちがリアルかつファンタジックに演じ切った。
物語中、随所に披露されるパフォーマンスは圧巻の一言。一糸乱れぬダンスのキレ、驚きのアクロバット、圧倒的な歌唱力など、レベルの高い表現力で会場を魅了。公演を経るたびに進化を遂げる彼女たちは、高クオリティの演出に導かれ、最高峰のエンターテインメントステージへと昇華させた。
『ミュージックバラエティショー』と題した二幕は、ユニットを組んでのダンスや歌はもちろん、『世界でいちばん熱い夏』や『真赤な太陽』など、聴きなじみのある昭和歌謡メドレーから、ジャズのスタンダード、オリジナル曲が披露される。
衣装が浴衣、制服、ドレスなど、バラエティに富んでおり、MCでは彼女たちのキュートなやりとりも展開され、目でも耳でも楽しめるステージに。さらに津軽三味線の北村姉妹の生演奏とのコラボも迫力のパフォーマンス。今回はコール&レスポンスができるとあって、出演者や客席関係なく、会場が一体となって盛り上がれる公演となった。
ゲネプロ終了後の会見には、広井王子、メンバーのいまもりまなか、ともだりのあ、ちばひなの、そして彼女たちのパフォーマンスを客席で見守ったゆりやんレトリィバァが出席。まず広井は「今回のような小さな『レビューショウ』(歌やダンスなど劇場型のエンターテインメント)の書き手がいなくなっているので、それを復活させたいと想って書いています。やっと去年あたりから新しい形ができてきて、今回は『天使』という枠組みを作って、“人間に問いかける”箱を作りました」と本公演に込めた想いを明かす。そして「今は被告になって、お客さんに審判を仰ぐ気持ちなので、プレイヤーみたいに解放されてはいないです。めちゃくちゃドキドキしているんです(笑)」と本音を漏らした。
そんななかゆりやんは開口一番「私は『過激少女団ユリザーヌ』です」と挨拶して笑いを誘う。初めて彼女たちの公演を客席で観劇したゆりやんは「『歌って踊れる』というレベルじゃなくて、(ダンスや歌の)パフォーマンス、お芝居、日本舞踊とか、いろんなジャンルのエンターテインメントをされていて、とても勉強になりました。私も単独ライブで、“こんなんやりたいな”と、勝手に想像を膨らませていましたね。(隣にいるメンバーを見つつ)ステージもすごいですけど、やっぱり実際にお会いしたら、すごい煌めきですね」と絶賛する。
一方、メンバーもゲネプロで確かな手ごたえをつかんだ様子。ともだりのあは「今回、(一幕は)黒天使役として出させてもらっているんですけど、演技をする中でも、“素敵な物語だな”と感動しながらやらせてもらっていました。これからも、(物語を)大切にして、頑張っていきたいと思っています」と意気込む。
ソロで雑誌グラビアにも登場しているちばひなのは「今年に入ってから自分の見せ方を研究する時間をたくさん取ってきたので、この夏公演でそれを発揮できたらなと思います。そして、本番の回数を重ねるたびに、さらに成長していけたらなと思っています」と宣言。そして団長のいまもりまなかは「初めてのお芝居挑戦で難しいことばかりだったんですけど、広井さんをはじめ、みなさんがアドバイスをくださったおかげで、自分らしい(主人公の)少女を作り上げることができました。ゲネプロで自分を解放することができたので、ステージに立つ楽しさ、物語の少女が訴えかけることを、1人でも多くのお客様に届けていきたいです」と語った。
また、本公演からの声出し解禁について問われるとメンバーは「お客様と一緒に作り上げていく公演にしたい」と口を揃える。そして広井は「(声出しがないと)やっぱりショーが死んじゃう。ぜひお客様にもう一度、甦えらせていただきたいなと思います」と訴える。そして、本公演の最後に披露される広井作詞による楽曲『HAPPY SONG』は、彼女たちと歌劇団設立からコロナを乗り越えた3年間への想いを込めたと明かした。