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2022/06/21 18:01
千葉雄大監督作品『あんた』主演の伊藤沙莉、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022」にてジャパン部門ベストアクターアワード受賞
WOWOWが開局30周年を記念して行われた、人気俳優がショートフィルムの監督に挑戦するプロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』。同企画のなかで、千葉雄大監督作品『あんた』で主演を務めた伊藤沙莉が、「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022」にてジャパン部門ベストアクターアワードを獲得した。
『アクターズ・ショート・フィルム』とは、予算・撮影日数など同条件で5人の俳優たちが25分以内のショートフィルムを制作し、世界から6,000本超のショートフィルムが集まる米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)のグランプリ:ジョージ・ルーカス アワードを目指すというもの。
第2弾の企画となる『アクターズ・ショート・フィルム2』では、青柳翔、玉城ティナ、千葉雄大、永山瑛太、前田敦子ら俳優陣5名が監督を務め、各作品の主演には、青柳翔監督作に村上虹郎、玉城ティナ監督作に琉花と奥平大兼(W主演)、千葉雄大監督作は千葉雄大自ら主演も務め、伊藤沙莉とW主演、そして永山瑛太監督作に役所広司、前田敦子監督作に柳英里紗と三浦貴大(W主演)と、こちらも多彩な俳優陣が集結した。
『アクターズ・ショート・フィルム2』の5作品は、SSFF & ASIAによる選考の結果、5作品全てがジャパン部門にノミネートを果たし、結果、千葉雄大監督作『あんた』で主演を務めた伊藤沙莉がジャパン部門ベストアクターアワードに輝いたことが発表された。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」ジャパン部門ベストアクターアワードは、男女問わずその年の部門エントリー全作品の中から1名だけに送られる「最優秀俳優賞」。WOWOW作品が同賞を受賞するのは今回が初となる。
なお受賞作『あんた』を含む全5作品はWOWOWオンデマンドにて配信中で、6月27日(月)午前1:00からはWOWOWプライムで再放送される。またSSFF & ASIA 2022セレモニーの模様を追加した『アクターズ・ショート・フィルム2 ドキュメンタリー(特別版)』が、6月27日(月)午前0:00に放送される。
■【ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2022】ジャパン部門ベストアクターアワード受賞 『あんた』主演:伊藤沙莉コメント
――ショートショートフィルムフェスティバル2022のジャパン部門ベストアクターアワード受賞の率直なお気持ちをお聞かせください。
「この度はこのような有難い賞を受賞させていただき、大変嬉しく、光栄に思っています。正直、まさかの展開に驚いていますが、スタッフの皆様、そして何より千葉雄大監督に感謝しています」
――千葉雄大監督作『あんた』への出演にあたり特に意識した点は?
「千葉さんが『あんた』に込めた思いや考えをただひたすら共に作ることで共有し、共に届けられたらいいなと思って務めさせていただきました。話し方等、私と千葉さんの普段のニュアンスが結構入っていたのでそのおかげでナチュラルでいられたんじゃないかなと思っています」
――千葉雄大監督へメッセージをお願いします。
「千葉さんの作品でこの賞をいただけたことが本当に心の底から嬉しいです。あんたとあんたの関係性はとても素敵ですし、それを描いた千葉さんも素敵です。有難くいただきつつ、この賞はシェアハピです。『あんた』を生んでくれてありがとう」
【『あんた』監督:千葉雄大コメント】
――伊藤さんのショートショートフィルムフェスティバル2022のジャパン部門ベストアクターアワード受賞を聞いた時の率直なお気持ちをお聞かせください。
「監督させていただいた身としても、一俳優仲間としても本当に嬉しく思います。数々の賞を取られている伊藤さんですが、この賞が彼女にとって思い出に残る賞になっていたら尚嬉しいです」
――監督として伊藤さんを演出する上で特に意識した点は何ですか?
「伊藤さんにご出演いただいたシーンはドキュメンタリーのように撮りたかったので、会話の流れが自然にできるよう整えたつもりです。あとは、台本に書かれていなくても、その場で起こったことを切り取りました。僕が何も言わずとも、伊藤さん演じる女のやさしさ、切なさ、包容力、描かれていない紡いできた時間を表現してくださったので、痺れました」
――伊藤沙莉さんへメッセージをお願いします。
「また一緒におもしろいことできたらいいですね。とりま、おめでとう!!」
【アクターズ・ショート・フィルム2各作品あらすじ】
■『いくえにも。』 監督:青柳翔 脚本:山咲藍 主演:村上虹郎
線路脇にポツンと設置された電話ボックス。そのかたわらを通り過ぎた修平(村上虹郎)は、とぼとぼと家に帰って行く。家には父(奥田洋平)と母(平岩紙)、妹(見上愛)が待っていて、週に一度の家族団欒でテーブルを囲もうとしていた。そこに、隣に引っ越してきた奇妙な夫婦が挨拶に訪れる。犬を抱いた妻(黒沢あすか)はリビングに上がり込み、一家団欒を掻き回すような言動をしはじめるのだが…。
■『物語』 監督・脚本:玉城ティナ 主演:琉花・奥平大兼
高層ビルに囲まれた都会の雑踏をひとり音楽を聴きながら歩いている少女(琉花)が、向かった先は、なにもない真っ白な部屋。その部屋には、ものいわぬ美少年(奥平大兼)が、ひとりベッドに横たわっている。そのベッドのかたわらで、少女は少年に向かって自分の装わない気持ちを問わず語りに語り出す。二人のスリリングな関係の行方は…。
■『あんた』 監督・脚本:千葉雄大 主演:伊藤沙莉・千葉雄大
「あたしはいつでもあんたの味方だからね」筆を走らせるスナックの雇われママの男(沖田修一)が思いを馳せるのは、キャンプを楽しむ女(伊藤沙莉)と男(千葉雄大)。恋人でもなく、友人というには軽すぎ、でも家族にはなれない。近くにいるのに遠く感じる。ひとりでも平気だと思っていたはずなのに込み上げる寂しさ。一生続くはずだった関係は、男の一言によって徐々に歪が生まれていき…2人の先にあるものとはー。
■『ありがとう』 監督・脚本:永山瑛太 主演:役所広司
家族と離れ、死に場所を求めてひとり彷徨うおとこ(役所広司)。癒してくれるはずのマッサージ嬢(橋本マナミ)からも逃げ出し、路上で盗んだ車で奥深い山へとはいっていく。車を乗り捨て、さらに森の奥へ歩み入るおとこは、そこで奇妙な若者に出会う。
■『理解される体力』 監督:前田敦子 脚本:根本宗子 主演:柳英里紗・三浦貴大
小さな喫茶店の店中に響き渡る大声で泣くキエ(柳英里紗)と、やさしくそれを受け止めるユミ(三浦貴大)。キエは貪るように巨大なパフェをたべ、貪るように涙を流して子どもみたいに大声で泣いている。どうやら旦那に浮気されたらしいキエは、とどまることのない怒りと涙と食欲の激流に押し流されている。喫茶店の店長(野間口徹)は、キエが大声で泣いているその理由を想像してキエにつたえるのだが…。