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2022/03/02 19:01

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映像作品で存在感示す若き個性派・前原滉、舞台から受ける刺激「まだまだ自分の芝居を決めつけず、攻めていきたい」

前原滉:撮影/厚地健太郎
前原滉:撮影/厚地健太郎

 若き個性派として数多くの作品に出演する俳優・前原滉。2021年は主演映画が2作公開。今年も複数の映画やドラマが控えており、映像での存在感がますます高まっている。一方で近年は年に1作ペースで舞台にも立っており、今年4月には名作戯曲『セールスマンの死』(パルコ劇場)に挑む。かつては「舞台が怖かった」と振り返る彼が30歳を目前にした今、舞台に前のめりになっている理由とは?

■前原滉インタビュー

──昨年は主演映画2作やメイン役を務めたドラマなど、印象的な仕事が複数ありましたが、特に反響を感じたものは?

「それが意外とタクシーアプリ『GO』のCMについて一番よく言われるんです。町で声をかけられるとかではないんですが、現場で『GOする、出てたね』とか。いや、それは僕じゃなくて竹野内豊さんのセリフなんですけど(笑)、CMの影響ってすごいんだなって改めて思いました」

──役者としては、芝居よりもCMの反響が大きいのは複雑ですか?

「そんなことないです。役の設定や関係性を踏まえて芝居するという点では、CMもほかの仕事と変わらないので。ただCMってたくさん流れるから目に付くのかも? 昔お仕事した方から『忙しそうですっかり声かけづらくなっちゃったよ』と言われることもあって、いや、ぜんぜんそんなことないんで、声かけてください、って言ってます」

──それはスケジュール的に、ということですか?

「そうですね。有難いことに声を掛けてくださる機会は増えてきました」

──4月に上演される舞台『サラリーマンの死』は、2020年の舞台『FORTUNE』と同じイギリス人の演出家だとか。

「はい。その方がキャスティングに関わってるのかはわからないんですけど、また呼んでいただけたことは純粋に嬉しいです。でも前は舞台の話をいただいても、一度はマネージャーさんに『無理です』って断ってたんですよ」

──それはなぜですか?

「単純に経験の浅さから来る怖さですね。それは今もありますが、映像とは声の出し方も空間の使い方もまったく違うし、舞台では毎回ゼロにリセットされる感覚があります。でもそれって逆を言えば、映像の芝居に慣れてしまったということなのかなと、ふと思ったんです」

──撮影を順調に進めるためには、ある程度の慣れも必要ですよね。

「でもそこで安心してると、芝居に対する好奇心や探究心みたいなものが薄れていくかもしれない、という危機感もあります。ここ数年、舞台では実力派の先輩方とお芝居をさせていただいて、でも、まだテレビや映画に出てない同世代の役者ともたくさん出会ったんですが、みんなすごく面白い芝居をするんですよ!」

──面白い芝居?

「芝居をしたい! という熱量がすごいんです。この世界は常にたくさんの人が芝居を磨き続けているんだという、当たり前のことを思い出させてくれます。そう考えると映像の仕事が多少増えたからといって、安心なんかしていられないです」

──『サラリーマンの死』もメインの多くは映像でも活躍される役者陣ですが、舞台ではまったく違う芝居をされるのでしょうか?

「もちろん芝居の根本の部分は変わらないんでしょうけど、いろんなアプローチをされると思いますし、何より生の芝居に圧倒されます。共演者の中では年齢もキャリアもペーペーの僕がもっと柔軟にならなくてどうする! と掻き立てられます」

■「落ち着いてしまったら、役者としてつまらなくなってしまいますよね」

──高校卒業後に俳優養成/演技研究所・TSALに進んだ前原さんも、今年11月には30歳になりますが、どんな心境ですか?

「この年齢になると周りでも役者を辞める人がちらほら出てきます。でもわかるんです。僕も過去に何度か『このまま前に進んでいいのか?』と自分に問いかけて、そのたびに『芝居が好きだ』というほうを選択してきたので。その問いがもっと現実のものとして突きつけられる年齢なんですよね」

──役者で一生食べていく、その岐路に立っていることを実感しているんですね。

「そのためには苦手と思って避けていたことにも向き合っていきたいと思っています。たとえば僕は声色を作って芝居をするのがあまり向いてないと思ってたんですが、そう決めつけるのはまだ早いのかもと。落ち着いてしまったら、役者としてつまらなくなってしまいますよね」

──まだまだ芝居を攻めていきたいと。

「はい。私生活面ではそろそろ大人の落ち着きもほしいと思ってるんですけどね。そのためにちょっといいメガネを買ってみたり(笑)」

──今日のメガネもステキですね。

「かと言って、褒められると恥ずかしくて『そっとしといて……』と思ったり、すいません(笑)」

──では最後に2022年度の始まりですので、「今年はこれに初挑戦したい」という目標を教えてください。

「今までやったことのないことで言うと、ドラマの番宣でバラエティ番組に出たいです。何回か出させていただいたことはあるですが、普通はメイン役じゃないと番宣には呼んでもらえないですから」

──バラエティは得意ですか?

「いや、めちゃくちゃ苦手です(笑)"俳優然"として扱われることが恥ずかしくて。でも、観るのは好きですし、苦手意識をクリアして楽しめたらいいですね」

撮影/厚地健太郎 取材・文/児玉澄子

PROFILE
前原滉(まえはら・こう)●1992年11月20日生まれ、宮城県出身。高校卒業後、演技未経験からトライストーン・アクティングラボ(TSAL)』入所。レッスンを経て、トライストーン・エンタテイメント所属の俳優となる。連続テレビ小説『まんぷく』(NHK)などのドラマや、各映画賞で高い評価を受けた『あゝ荒野』(前篇)などの映画に出演。2019年のドラマ『あなたの番です』(NTV)でマンションの新管理人役を演じ注目された。2021年にはドラマ『直ちゃんは小学三年生』(TX)『俺の家の話』(TBS)に出演のほか、主演映画『彼女来来』『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』の2作が公開された。2022年もドラマ:『ケイ×ヤク-あぶない相棒-』(ytv)、映画:『DEATHDAYS』(3月12日公開 渋谷シネクイント)『ハケンアニメ!』(5月20日公開)、舞台:パルコプロデュース2022『セールスマンの死』(PARCO劇場)など出演作が続く。

■パルコ・プロデュース2022「セールスマンの死」

作:アーサー・ミラー
翻訳:広田敦郎
演出:ショーン・ホームズ
公演期間:2022年4月4日〜29日
会場:PARCO劇場
※長野、京都、愛知、兵庫、福岡公演あり
出演:段田安則 鈴木保奈美 福士誠治 林遣都 /
前原滉 山岸門人 町田マリー 皆本麻帆 安宅陽子 /
鶴見辰吾 高橋克実

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