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2021/10/23 17:36
山田杏奈、理解しがたい難役と格闘「闘った記録を感じてほしい」 主演映画『ひらいて』公開記念舞台あいさつ
映画『ひらいて』公開記念舞台あいさつが23日、都内で行われ、山田杏奈、作間龍斗(HiHi Jets)、芋生悠、首藤凜監督が登壇した。
芥川賞作家・綿矢りさ氏が、高校生による禁断の三角関係を描く原作小説を、若手女性監督・首藤凜の脚本・監督で映画化した同作。“たとえ”が好き。だけど彼には「秘密の恋人」がいた――。恐れを知らない女子高生の熱い恋心が、勢いあまり、意中の彼の恋人にまで向けられる、切実な純愛を描いた新感覚・乱反射する少女の愛憎エンターテイメント。山田は主人公の女子高生・木村愛、作間は彼女が熱い恋心を寄せる西村たとえ、芋生はたとえの“秘密の恋人”美雪を演じる。
感情の面でも行動の面でも暴走する愛という役について、山田は「たとえに対する感情が乱反射して、いろんな方向に散らばって愛に返って来る。愛のことはなかなか理解できなかったんですが、そのパワーの強さは面白かった」と語る。役が分からず苦しみながらの役作りは、監督との駆け引きと静かな闘いだったようで、監督も「分からないことを受け入れてくれて、分からないままやると、“こんな顔なんだ!”って新しい表情が見られました」と、山田に驚かされることも多かったようだ。
監督が「出会った時からたとえくんだった。長い手足を所在なさげに持て余す感じが」と絶賛する作間の佇まいは、「猫背を意識して歩いてみて」という監督の一言を作間が実践したもの。「私生活でも猫背を意識して過ごしていたら、今完璧な猫背になって、今は首を痛めるぐらいで」と笑わせた。「第一印象はクールだけど、しゃべってみるとぶっ飛んでると言われるので、中身の作間を封印して」臨んだという作間。愛に対しては辛辣な言葉を投げかけるシーンも多く「すごく苦しくて、言ってる自分も泣きそうになった」と言い、監督に「ちょっと言い方を変えてもいいですか?」と進言したことも明かした。
山田と3回目の共演となる芋生について、山田は「なんでも受け止めてくれるお姉ちゃんという感じ。安心してお芝居ができた」と言い、作間は「優しい雰囲気で、芋生さんがいると現場がふわふわ〜っとした感じになって、愛とのシーンがピリピリしていたので、その存在に助けられました」と感謝。監督は「演じることにストイックな女優さんで、一緒に美雪という役を膨らませることができて、現場では頼りにしていました」と言い、芋生も「監督とは姉妹や友だちみたいに距離が近くて。ずっと愛ちゃんのことを考えている目線が近かった」とシンパシーを感じるなど、現場を支える役割を担っていたようだ。
最後に山田は「昨日公開になって、すごくエゴサしてるんですよ(笑)。こんなに多くの人に届いちゃっているのかと、ちょっと怖いような気持ちもありつつ、本当は一人一人に“どうでしたか?”と聞いて回りたいような…すごく思い入れのある作品になっています。これからもっとたくさんの人に届いて、それぞれの人の感想が生まれるのが楽しみですし、闘った記録、生み出したものを一人一人に感じていただけたらすごく幸せなことだなって。よかったら、何か書いてくれたら、映画を生み出す側としてすごく励みになります」と呼びかけた。