俳優の多和田任益が9日、新装紀伊國屋ホールのこけら落とし公演第一弾『新・熱海殺人事件』と第二弾公演『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン〜復讐のアバンチュール〜』の舞台挨拶に登壇。2作連続で相反する熊田留吉と木村伝兵衛の2役を演じることに関して、「やり遂げて伝説を残したい」と決意を新たにした。

　第一弾公演の『新・熱海殺人事件』（熊田留吉役）の公演終了後、中3日で第二弾公演の『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン〜復讐のアバンチュール〜』が開幕。相反する2役を連続で演じるのは、長い「熱海殺人事件」の歴史の中でも“前代未聞”となる。

　俳優デビュー10周年を迎える節目に、“前代未聞”の挑戦に臨む多和田は、「もちろんオフもないですし、『改竄・熱海〜』の稽古はつい最近始まったばかりなので、『新・熱海〜』の公演中の休演日や1公演しかない日に、僕は劇場に残ってみんなを待って木村伝兵衛をやるという、頭がおかしくなりそうなスケジュールですが、頑張りたいと思います」と意気込みつつ、「周りのメンバーはびっくりしてましたね。一緒につか作品をやっているスタッフの方ですら、『お前、大丈夫か?』って、喉とかを心配されました」と苦笑い。

　また、このオファーが来た際に「“（総合プロデューサーの）岡村さんは『大丈夫』と言っているのか”というのをまず確認しました。でも、岡村さんは『多和田なら大丈夫だ』と言っていると聞いて、その言葉を信じようと。『モンテカルロ・イリュージョン』の木村伝兵衛は阿部（寛）さんがやられていた役でもあるし、役者として大きくなりたいという想いもある。多和田にとっての当たり役にしたいと思っているので、そのきっかけにばればすごく良いなと思います」と本作にかける想いを明かした。

　そんな多和田に対し、『改竄・熱海〜』で容疑者・大山金太郎を演じる鳥越裕貴が、「すごい素敵なことを言っていますが、気がふれてると思います（笑）。つかさんの作品、しかも『熱海殺人事件』を2作連続でやるなんて考えられない！」と訴えかけると、速水健作刑事を演じる菊池修司は「『新・熱海〜』の熊田と『改竄・熱海〜』の伝兵衛は180度キャラが違うのに、『新・熱海〜』の稽古終わった後、僕らの『改竄・熱海〜』の稽古をやる際に、すぐに切り替えてやっていて、さすがだなって思いました」と絶賛。

　多和田は改めて、「2作続けてという、スケジュール的にはおかしなことになっていますが、やり遂げて伝説を残したいなと思います」と意気込んだ。

　新装紀伊國屋ホールのこけら落とし公演第一弾『新・熱海殺人事件』は、6月10日（木）〜21日（月）まで新宿・紀伊國屋ホールにて上演。その後、第二弾公演『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン〜復讐のアバンチュール〜』が6月24日（木）〜27日（日）まで同劇場で上演される。