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2021/03/11 17:47

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注目の“若き名バイプレイヤー”前原滉、主演映画続々公開「監督たちに“前原主演でよかったな”と思ってもらえる俳優になりたいと強く思う」

前原滉(C)Deview 撮影/厚地健太郎
前原滉(C)Deview 撮影/厚地健太郎

 メインキャストを務めた連続ドラマ『直ちゃんは小学三年生』(テレビ東京)での好演も記憶に新しい俳優・前原滉。現在はドラマ『俺の家の話』(TBS)に出演中のほか、3月には映画『彼女来来』(3月4日公開)、映画『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』(3月26日公開)と2作の主演映画の公開が控えている。俳優養成/演技研究所・トライストーン・アクティングラボ(TSAL)で芝居を学び、ここから着実にステップアップし、今や“若き名バイプレイヤー”として注目を集めている彼だが、コロナ禍の真っ只中に挑んだ主演を通して湧き上がってきた俳優としての意識の変化とは?

■前原滉インタビュー

──大人の俳優が小3男子を演じたドラマ『直ちゃんは小学三年生』。全6話と短い連ドラでしたが、振り返ってみていかがでしたか?

「撮影が始まってすぐの頃から“ザ・ムービーやりたいよね”という話がみんなの中で出たくらい、めちゃくちゃ楽しい現場でした。杉野遥亮くんが25歳、渡邊圭祐くんが27歳で僕が28歳。で、竹原ピストルさんが44歳なんですけど、カメラが回ってないところでも小学生男子同士みたいなバカなノリがあって。みんな普段から“ちゃん付け”で呼びあってたんですけど。

──共演者というより、同級生みたいな感じですね。

「普段はもちろん共演の方は“さん付け”しますけど、小学生が遠慮しているのも違うなと思って。あと話数が短かったこともあって、早い段階で距離感を縮めたかったのもあります。なので最初から、杉野くんは遥ちゃん、渡邊くんは圭ちゃんと呼んでました。ただここで“竹原さん問題”がありまして(笑)。そうは言ってもけっこう年上の方ですし、どうしようかなと考えてたら、竹原さんが“ピーちゃんって呼んでよ”と」

──ピーちゃんですか(笑)。

「それはさすがに……と思って“ピーちゃんさんでどうですか?”と提案したんですが、“いや、ピーちゃんで”と頑なに。『竹原さん』『ピーちゃんさん』と呼んでも振り向いてくれないんです(笑)。でもピーちゃんがそういうテンションでいてくださったおかげで、僕自身も(演じた)てつちんのガサツなキャラクターと自然とリンクしていけて。ここまでいい意味で、気構えずに自由にできた役は初めてだったかもしれないです」

──3月は主演映画が2作公開されますが、撮影はいつ頃されていたんですか?

「『彼女来来』は昨年夏頃で、『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』は一昨年の9月頃に撮影したので、公開は前後するんですけど、『きまじめ楽隊』が初主演映画ということになるのかな。トランペット奏者の役で3ヵ月くらい練習して撮影に臨んだんですけど、唇がパンパンになっただけで音は出せず(苦笑)。ひとまず吹くときの口の形や運指くらいは格好が付いたかなとは思います」

──一昨年というとコロナ禍もまだなかった頃。あの頃からは撮影現場も大きく変わったのでは?

「そうですね。僕自身が最初にコロナ禍を実感したのは、昨年1月13日に東京からスタートした舞台『FORTUNE』が、福岡初日の2月27日に休止になったことでした。その日の朝、役者陣で舞台に集まってアップしていたときに“今日が千秋楽です”と告げられたんです。きっと主催側もギリギリまで考え抜いての決断だったと思うんですけど、突然のことに泣いてしまったキャストさんもいて──」

──まさに、いろんなライブや舞台が突然中止を余儀なくされ始めた頃ですね。

「あの頃は何が起こってるかわからなかったけど、時間が経つにつれて“芝居ができることは奇跡なんだ”ということが理解できるようになりました。撮影現場も軒並み休止になったりと、昨年は3ヵ月くらい仕事がなくなったこともあって。だからこそよけい1つ1つの物事──仕事もそうですけど、人との関わりとか、そもそもの生きる姿勢をもっと大切に深められる人間にならなければと思うようになったんですよね」

■「監督たちに“前原主演でよかったな”と思ってもらえる俳優になりたいと強く思う」

──映画『彼女来来』の山西竜矢監督とは旧知の仲だそうですね。

「山西さんは劇団子供鉅人の役者で、もともと俳優同士として現場で知り合ってたんです。“主演で”と連絡をもらったのが、舞台『FORTUNE』が終わってモヤモヤしていたときで。まだ緊急事態宣言が発令される前だったから、いつ撮影ができるのかとか、山西さんもすごく葛藤があったと思うんですけど。だけどいざ始まったら、すごく楽しくて活気のある現場でしたね。ドラマ『あなたの番です』などで、これまで何度も共演してきた奈緒さんが“彼女”役だったのもよかったですし。ただ、芝居についてはこれまでやってきたことを完全にひっくり返されました」

──どんな役どころなんですか?

「言ってしまえばごく平凡な青年なんです。ただ、これまではわりとクセのある役が多かったので、普通の人間を芝居で表現するのってこんなにも難しいことなんだと。実は今度ゲスト出演させていただくドラマ『西荻窪三つ星洋酒堂』も、演じた人物のタイプは違うけど同じような難しさに直面して。ああ、自分はこれまで小手先で芝居をやってきたんだなと思い知らされたんですよね」

──役の幅が広がっていくのは、俳優としてステップアップしている証拠ですよね。

「僕もそうポジティブに捉えるようにしてます。ただ、そうしたクセを付けない芝居を成立させるには、普段から1つ1つの物事を軽く受け流さないというか、思いの深さを持って生きるのが大事なんだろうなと最近すごく感じています」

──主演を経験して、俳優としての意識で変わった部分はありますか?

「僕としては主役も脇役も、作品にかける熱量は変わらないと思ってやってきたんです。ただメインの役をやると、監督やスタッフがどれだけこの作品に賭けているかということをリアルに目にする場面が確実に増える。だからこそ自分の中での“この作品を成功させたい”という気持ちも強くなるんだなと、それは主演をさせてもらわなければわからなかったことでした」

──作品に貢献するために、俳優ができることとは?

「いい芝居をするのは大前提だけど、それに加えて【主演:前原滉】のクレジットで興味を持ってくれる人を1人でも増やすのも主演の役割というか、主演を受けることの覚悟と責任なのかなと思うようになっています。もちろん映画を観る決め手は監督とか内容とかいろいろありますけど、主演俳優もその一要素だとしたら自分をもう一段階レベルアップさせなければいけないなと。そういう意味では、この2作品を受けた時点ではまだまだ自分の自覚は甘かったんですが、公開を控えた今は監督たちに“前原主演でよかったな”と思ってもらえる俳優になりたいと強く思いますね」

(撮影/厚地健太郎 取材・文/児玉澄子)

前原滉(まえはら・こう)●1992年11月20日生まれ、宮城県出身。トライストーン・アクティングラボ(TSAL)』でのレッスンを経て、トライストーン・エンタテイメント所属の俳優となる。連続テレビ小説『まんぷく』(NHK)などのドラマや、各映画賞で高い評価を受けた『あゝ荒野』(前篇)などの映画に出演。2019年のドラマ『あなたの番です』(NTV)でマンションの新管理人役を演じ注目された。2021年はドラマ『直ちゃんは小学三年生』(TX)『俺の家の話』(TBS)に出演のほか、映画『彼女来来』(3月4日公開)、『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』(3月26日公開)と2作の主演映画が公開。

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