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2021/01/13 12:01
菅田将暉と有村架純、深い信頼と自然体の関係性「貴重な同い年の役者さん。同志のように感じていました」
菅田将暉・有村架純のW主演によるラブストーリー、映画『花束みたいな恋をした』(2021年1月29日 TOHOシネマズ日比谷ほか、全国公開)完成報告イベントが12日、都内にて行われ、主演の菅田将暉、有村架純、そして土井裕泰監督が登壇した。
『東京ラブストーリー』『Mother』『カルテット』などの連続ドラマで知られる脚本家・坂元裕二が、初めて映画オリジナルのラブストーリーを手掛けた本作。菅田将暉・有村架純が初のダブル主演を果たし、『いま、会いにゆきます』『ハナミズキ』『映画 ビリギャル』そして昨年話題となった『罪の声』を手掛けた土井裕泰監督がメガホンを取る。
偶然に出会い恋をした二人の5年間を描くラブストーリー、映画『花束みたいな恋をした』。登壇した菅田は「今日はこんな状況の中、表舞台でご挨拶できることを感謝しております」、有村は「新年も明けまして、無事にこの映画が皆様に届くと思うと、とても楽しみです。無事に公開できることがこんなにありがたいことなんだなと、ひしひしと感じています」、そして土井監督は「実は去年の1月12日、今日からちょうど一年前がクランクインの日でした。思いもしないことが沢山起きた1年でしたが、完成を報告させていただけることが本当に嬉しいです」と、それぞれに完成披露に漕ぎつけた喜びを語った。。
映画やCMの共演経験のある主演の二人だが、本作では恋人役を演じる。菅田は「有村さんとは何かやりたいね、と話しながらもなかなか実現していませんでしたが、今回一番良いタイミングで、良い作品をやることができたと思います。同じ関西人で、同世代の有村さんとの現場は、とても新鮮な気持ちでした」と手応えを語る。有村も「貴重な同い年の役者さんなので、同じ舞台でお芝居をさせていただくことが嬉しかったです。『何者』から4年程経って、お互い色々な経験を積みながら、今回再会できたと思うので、おこがましいかもしれないけど、同志のように感じていました。お芝居の舞台に立っても、現実世界と地続きしているようにフラットに本番へ向かわれて、心強い役者さんです」と想いを語った。
また完成した作品を観て、菅田は「現場は順撮りでやらせてもらったので、本当にただただ二人で生活して、思い出を作って育んだものが、爆発するという流れがリアルに描かれていました」と、その制作過程の成果を語る。有村は「撮影の1ヵ月半、すごく濃厚で充実した時間を過ごせたので、映画を観たときにも私の中にまだ絹がいて、ずっと続いていくんだろうなと不思議な感覚になりました。坂元さんが脚本をされている台詞や空気感は、今生きている人たちにものすごく刺さるような作品になったんじゃないかなと思いました。」と、作品と役への強い思い入れを語った。
坂元裕二による映画オリジナルの長編ラブストーリーについて、土井監督は「麦と絹という二人の主人公が、本当にどこかの町でちゃんと生きている人たちに見えるよう意識しました。出会ってから告白し、付き合って、暮らし始めるまで。彼らには毎日自由に演じてもらったし、ひとつひとつの場面に嘘がないよう日記のように積み重ねていけば、最終的には沢山の人に伝わる普遍的なラブストーリーになるかなと、描いていました」と、演出の意図を解説した。
そんなラブストーリーの中で“ドキドキしたシーン”について、菅田が挙げたのは「信号待ちでのキスシーン」。「一回キスした後に、『こういうコミュニケーションは、頻繁にしたいタイプです』という有村さんの台詞。あれは名言です、言われてみたいですねえ」と語り、会場を沸かせる。有村も同じシーンを挙げ「(『信号はまだ変わらなかった』、『押しボタン式信号だった』、『サンキュー、押しボタン式信号』というモノローグについて)押しボタン式信号って、こういう風に使うことがあるんだ!と思いました(笑)」と笑顔。
土井監督は「僕は最後のファミレスのシーンです。菅田くんともファミレスってこういう話してるよなあ、家ではなくファミレスで話すことに意味があったよね、と話していたんです。家だと話がまとまらないから、ファミレスで世間の人と繋がりながら、自分を律しながら冷静に話さないといけない。見ていてヒリヒリしました」と、演出する側ながらドキドキさせられたことを明かした。
またステージでは映画のタイトルにちなみ、花束を選ぶことで、選んだ相手への“本当の思い”がわかる、花束占いを実施。流光七奈(りゅうこうなな)監修による本格的な花束占いで、5種の花束の中から、菅田と有村がお互いに贈りたい花束をそれぞれ選ぶ。菅田は「直感的に目がいきました。今日の有村さんの恰好にも似合いそうで、関西人の黄色い部分と、東京に出て仕事をしている赤い部分が、グラデーションでオレンジがかっているところがぴったりだと思います」とオレンジ色のラナンキュラスの花束を選択。すると「相手をとても信頼しているようです。お互いに安心できる環境のもと、多くを語らずとも、大切なことが分かり合えたり、お互いの失敗をカバーし合えるような、信頼にあふれた関係を続けていきたいと思っているようです」という結果に。菅田は「めちゃくちゃ当たってますね」と驚き、有村も「主演をやらせていただくときはお芝居のこと以外にも、周りのことを考えて引っ張っていかないといけないですが、菅田さんがいてくれたことによって、お互い主演の負担を分散できたし、一緒に作品を作った同志だと思っているので、すごく嬉しいです」と喜んだ。
一方「今の髪型とすごく似合う!(笑)髪型で表情も変わるし、今は紫色を渡したい気分でした」と紫色のヒヤシンスの花束を渡した有村。「相手の喜ぶ顔が見たいと思っており、相手に何かをしてもらうよりも、自分が相手に何かをしてあげたいと望んでいます。打算などとは無縁に、ひたむきにお互いを励まし合い、共に成長していけることを望んでいるでしょう」という結果が。「なるほど…僕は心配されているんですね(笑)でも確かに、会う度に『今何やっているの?頑張ってね!』っていつも励ましてくれるかも」と菅田。有村さんは「様々なジャンルでご活躍されているし、私がお芝居を考えている以上に、物事やモノづくりのことに対して考えていらっしゃると思うので、ちゃんと疲れたーとか吐き出せているのかな?って、しっかりしている人ほど心配になりますね」と、こちらも当たっている様子。土井監督は「撮影も8割、9割が二人のシーンで、気がついたら川を見ながら話していたり、一緒にブランコ漕いでいたり、ずっと二人で過ごしていたんですけど、今のやり取りを見ていても、関係性が撮影のときと近いというか、とっても自然体でいられるんだなと思いました」と、主人公の二人と重なる姿に満足気だった。
最後に菅田は「坂元さんも仰ってましたが、この映画は恋愛自体の面白さや楽しさ、滑稽さや可愛さがすごく丁寧に描かれています。結末以上に、二人の人間がどのように出会って、何を共通言語に二人の時間を育んだのか?恋愛経験がある人は、過去の色々な思い出がほじくられて、こしょばくも愛おしくなるような映画です。この映画を観て、ぜひ温まってください」とメッセージ。有村は「この物語は男女問わず、世代問わず皆様の中にもしまってあるような思い出だったり物語があるのかなと思います。この作品を見終わった後に、眩しい記憶に想いを馳せて、少し口角を上げて帰っていただけたら嬉しいです。恋愛の醍醐味ってこうだよな、ということが沢山詰まっているので、温かく麦と絹を見守って観てください」と呼びかけた。