NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の13日放送の第2話に、映画界で注目の女優・芋生悠（いもう・はるか／21歳）が、主人公・金栗四三（幼少期）の姉・長女エツ役で出演した。熊本県出身の芋生は、「この作品を通して今一度、熊本のもっこす魂を感じていただけるかもしれない」と熊本地震の被災地復旧・復興への想いを語った。

　13日放送の『いだてん』第2話「坊ちゃん」では、金栗四三の熊本での知られざる少年時代が描かれた。芋生は金栗家の長女で四三の姉・エツを演じ、四三の誕生、命名の瞬間や、甲斐甲斐しく家族やきょうだいたちの世話をするシーンに登場した。

　芋生は、気鋭の若手映画監督・石橋夕帆の初長編映画『左様なら』（2018年11月公開）で主演、今春公開予定の映画『恋するふたり』でヒロインを務めるなど、メジャー、インディーズ問わず多数の監督の作品に出演し、“映画界の新ミューズ”として注目される新人女優。

　『いだてん』への出演決定について「親友と焼鳥屋にいる時に決定の知らせを受けたのですが、その瞬間にガタンと立って高くガッツポーズして『よっしゃ！！！』と叫びました。迷惑な客だったなと申し訳無い気持ちです（笑）、ですが本当に嬉しくて…」と、その瞬間の喜びを新鮮に蘇らせる。

　そして「熊本が生んだ星・金栗四三さんが主人公ですから。私も同じ熊本出身として、必ずこの作品に関わりたいと思いオーディションを繰り返し受けました。その分、喜びもひとしおでした」と、その強い想いを明かした。

　撮影現場に入ると「『あまちゃん』のスタッフさんが多数参加されていて。『あまちゃん』は本当に好きな作品だったので、ご一緒できて光栄でした」と感慨をおぼえた様子。さらに「特に感動したのは、撮影で使った金栗家の生家に、美術スタッフさん達が施した美術が素晴らしかったこと。その時代にタイムスリップするようなリアリティを作られていて、痺れました。宮藤官九郎さんの脚本も監督さんもスタッフさん方も抜かりなく愛を注いでいました。愛で溢れている！　初めての大河はそれをヒシヒシと感じるものでした」と初大河の感動を表現した。

　一方、現場では嬉しい再開もあったという。「母親役の宮崎美子さんとは、映画『野球部員、演劇の舞台に立つ！』ぶりの2度目の共演でした。聡明で美しい同郷の大先輩です。その再会もとても嬉しかったです」。

　また、この作品への参加で、故郷への想いも強まった。「『いだてん』の舞台になった熊本県は2016年の熊本地震による被害によって今もなお、仮設住宅に住まわれている方がいます。まだまだ復旧復興も進んでいないのが現状です。けれど、この作品を通して今一度、熊本のもっこす魂を感じていただけるかもしれない！　そしてドラマと共に盛り上がっていけたらと思います。最後まで熱い物語になってます。引き続きお見逃しなく！」

　2019年初頭から、良いスタートを切った芋生。今年の意気込みをひと言で表すと「“愛嬌”です。愛されるように。ガツガツと欲望に忠実にいきたいですが、その反面、人を思うことは怠らないように。という意味で“愛嬌”です（笑）」。そして具体的な目標として「連ドラレギュラーを獲得すること」「出演した映画で『カメラを止めるな！』に続くような爆発的大ヒットを記録すること（笑）」の2つを挙げた。

　2019年5月25日(土)〜6月4日(火)には、舞台『後家安とその妹』（紀伊國屋ホール）への出演も決定。「まずはここで新境地を見せれたらと思います。ぜひ観にきていただきたいです」。多くのクリエイターが注目する新進女優が気になった方は、劇場に足を運んではいかがだろう。

■芋生悠

1997年12月18日生まれ、熊本県出身。2018年2月に映画『野球部員、演劇の舞台に立つ！』(中田節夫監督)が公開。ぴあ初日満足度ランキング1位を獲得。4月には主演短編映画『ひとひら』(吉田奈津美・町田梨華監督、是枝裕和監修)が第9回沖縄国際映画祭にノミネート、上映。また第2回未完成映画 予告編大賞『MI-CAN』にて主演作『ヒノのヒゲとレインコート』(八幡貴美監督)が大根仁賞を受賞。『あの群青の向こうへ』(2018年／96分／主演)で、『2018門真国際映画祭』最優秀主演女優賞を受賞。ラジオでも初のメインパーソナリティとして4月からFM MOOV「芋生悠 はじめてのラジオ」(火曜9:30〜10:00放送)にレギュラー出演。映画『恋するふたり』が今春公開。ステッカー所属。