新感線☆RS『メタルマクベス』disc3のスペシャルトークイベントが6日、ららぽーと豊洲 屋外シーサイドデッキ メインステージにて行われ、浦井健治、高杉真宙、柳下大が登場した。

　『メタルマクベス』は、2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初タッグを組んで、共に挑んだシェイクスピア作品で、2218年の近未来と1980年代の日本を二重の構造に置き換えるという大胆なアレンジによって創り上げられ、怒涛のごとく突き進む物語をハードロックとヘヴィメタルの楽曲で煽りまくり、前代未聞のシェイクスピア作品として演劇史に名を刻んだ名作。

　そして初演から12年の時を経て、宮藤自ら脚本を書き直し、いのうえひでのりがステージアラウンド版として演出にアレンジを加えて復活し、disc1、disc2、disc3とキャストを変えて3作を連続上演中。11月9日に開幕するdisc3では、浦井健治と長澤まさみが、魔女に予言され王を殺すも、次第に罪の意識に苛まれるランダムスターとその妻を演じ、IHIステージアラウンド東京での『メタルマクベス』シリーズの最後を飾る。

　生バンドによる演奏やキャストたちによる迫力満点の歌が見どころの一つでもある本作。"ミュージカル界のプリンス"と呼ばれている浦井は、「このメンバーで歌っていけるというのは、かなりキラキラしている感じがしているので楽しみ」と声を弾ませ、「disc1で尊敬するさとし兄さん（橋本さとし）がやり切り、今、disc2で（尾上）松也がやっていますので、自分たちもきちんとその襷を受け取って、最後まで3チームを完走させるのが目標です」と決意を新たにした。

　MCから歌披露のリクエストをされると、浦井は立ち上がり「よっしゃー！やりますよ。ららぽーと豊洲に歌声を響かせます!!」と気合十分。高杉演じるレスポールJr.の楽曲である『明けない夜はSO LONG』のイントロが流れ、会場のボルテージも急上昇する中、浦井は「♪明けない夜は長い〜〜」とノリノリで歌い始めるも、そのワンフレーズのみで終了。あっという間の歌唱終了に、観客からは「え〜〜〜〜っ!!」と不満の嵐が巻き起こる。浦井は「こんだけ否定されるランダムスターってあります?? 」と苦笑いしつつ、「これ以上は用意しておりません！（笑）」と着席してしまう。

　しかし、再び『明けない夜はSO LONG』のイントロが流れ出し、浦井は慌てて隣の高杉を巻き込み、二人で先ほど同様、歌い出しのみを披露。高杉は「めっちゃ緊張しました」と戸惑いを見せつつも、「いや〜。今のめっちゃカッコ良かった。今の一瞬でもカッコイイ!!」と浦井を絶賛すると、浦井は「膵臓食べちゃった？」と、高杉が声優出演している劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』を引き合いに出し、笑いを誘っていた。

　イベントの中盤には、現在上演中のdisc2で座長を務めている尾上松也が生中継で登場。昼公演の1幕と2幕の間での出演という試みに、尾上は「こんなことある？ 1幕と2幕の中継なんて……。健ちゃん（浦井）、休ませてくれ!!」と本音を漏らしながら、「稽古場ではわからないことだらけなので、稽古場ではとにかくイメージを膨らませて、そして、いのうえさんを一生懸命笑わせてあげてください。いのうえさんが楽しんでできると芝居も面白くなるので」と3人にエールを送った。

　また、舞台裏での自撮り写真をそれぞれ公開。高杉はパンフレット撮影のときのレスポールJr.に扮した写真を公開し、「こういうイメージの世界観なんだというのを撮影で改めて認識しましたし、背筋が伸びる瞬間でした」と振り返る。ベースと一緒に写った写真を披露した柳下は「バンドのシーンで本当に演奏する場面があるので、家でも練習できるようにと、粟根（まこと）さんからベースをお借りしました」とコメント。さらに、「実は初演でグレコをやっていた北村有起哉さんが、粟根さんに借りて10年間保管していたらしくて。粟根さんの元に戻る前に、僕のもとにきた感じなんです（笑）」という裏エピソードを明かしていた。

　そして浦井は、妻役を演じる長澤との2ショット写真を公開。「まだ2人でそんなに会話したことがないのに、制作さんに『2ショット写真を撮ってください』って、カメラを渡されて……。こんなに距離感ある2ショットってないですよね」と苦笑い。初共演となる長澤については「長澤さんは本当にすごいんです。お芝居もすごいですし、鬼嫁っぷりもすごい。尻に敷かれるって、こういうことなんだなって感じる稽古場です」と感想を述べ、「頭がボーっとしてきたときに、クッキーをくれて。『糖分を取りなさい』『いくらでも食べなさい』って。そんな感じです」と打ち明けた。

　さらにイベントでは、キャストそれぞれが「ゲン担ぎアイテム」を紹介。「お味噌汁」（浦井）、「体を温めて集中するときにショウガチップスを食べる」（高杉）と語る中、柳下は「5円玉。お金を使うときに5円玉を使わないようにして財布の中に貯めていて。月に1回神社にお参りに行くときにお賽銭で使います。"ご縁"があるかもと思って。ご縁が多い仕事だと思うので、1つ1つの縁を大事にしたいという想いも込めてやっています」と告白。柳下のゲン担ぎに感心していた浦井が「うちらもやる？」と乗り気になると、高杉も「一緒に行ってもいいですか？ 今のうちに5円玉貯めておきます！」と意気込んでいた。

　最後に浦井は「『メタルマクベス』シリーズのオーラスとして、自分たちにかなりの負荷がかかっていると思っております。けれども、お客様の力をお借りして、しっかりと60公演完走を目指したいと思っております」と述べ、「さとし兄さんと松也からの襷をしっかりと我々が受け継いでやっていけたらと思っているので、ガンガンに盛り上がっていただけたら。ぜひとも劇場にお越しください」とアピールした。

　ONWARD presents新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBSは、11月9日（金）〜12月31日（月）までIHIステージアラウンド東京にて上演される。