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2018/08/06 22:34
かつて宝塚歌劇団に実在した”男子部”を描いた、舞台『宝塚BOYS』が上演中
1945年から9年間、宝塚歌劇団に男子部が特設されたという史実を元に描かれた『宝塚BOYS』が、東京芸術劇場 プレイハウスで上演中。8月4日の開幕前日に行われた、最終リハーサルの模様とキャストコメントが到着した。
2007年の初演以降、戦後の復興と共に全力で夢に挑んだ青年達の一途な姿を描き、多くのファンを生み上演を重ねてきた本作。今回が5年ぶり、5度目の上演となる。
今回は、以前に『宝塚BOYS』出演経験のある人気俳優陣が結集した「team SEA」(8/4〜11出演)と、2.5次元の舞台などでも活躍が目覚ましい新世代のキャストが集った「team SKY」(8/15〜19及び各地公演出演)という2チーム制で上演。さらに、舞台、ドラマで活躍中の実力派俳優・山西惇と、宝塚歌劇団元トップスターの愛華みれが、両チーム共に出演し一座を支える。
物語は、女性だけの劇団・宝塚歌劇団の創始者・小林一三に、男子登用の嘆願書を送った上原金蔵(良知真次)が、歌劇団の稽古場に足を踏み入れるところから始まる。戦争で青春を奪われ、絶望を味わった上原が終戦と同時に描いた夢は、「宝塚歌劇団」の舞台に立つことだった。その願いは小林一三に届き、いずれは男女共に出演する「国民劇」を創りたいと思っていた小林の想いと一致し、男子部の特設に至ったのだった。
稽古場に続々と入ってくる「男子部」のメンバー。電気屋の竹内重雄(上山竜治)、宝塚のオーケストラメンバーだった太田川剛(藤岡正明)、旅芸人の息子?長谷川好弥(木内健人)、闇市の愚連隊だった山田浩二(石井一彰)、そしてプロのダンサー星野丈治(東山義久)….。
宝塚歌劇団から男子部の担当として派遣された池田(山西惇)は経理の人間で、「舞台のことはよくわからない」という。池田から「訓練期間は2年。歌劇団の生徒との接触は一切禁止」と厳しく言い渡され、日々レッスンに励むメンバーたち。それぞれが、戦争で負った心の傷を抱えながらも、それを振り払うかのように、夢に向かって必死にレッスンを重ねる。1年程経った頃、新メンバーとしてやって来た竹田幹夫(百名ヒロキ)に驚く山田。竹田は以前からの知り合いだったようだ。
2年、3年….と、男子部が宝塚大劇場に立つ機会はなかなか訪れない。ヤケになりフラストレーションをぶつけ合うメンバーを、池田は時に叱咤激励し、寮母の君原佳枝は優しく見守り男子達を励ます。不遇の状況にあっても、舞台に立てる日を夢見てレッスンを重ねる青年達の姿が胸を打つ。
『宝塚BOYS』に2度目の参加となるキャストが多いteam SEAだが、2010年に続き星野役を連投する東山義久を除き、2013年竹内役を演じた良知真次が上原役に、2010年に同じく竹内役を演じた藤岡正明が太田川役に、2013年に竹田を演じていた上山竜治が竹内役に、2010年に竹田役だった石井一彰が山田役に….と前回とは違う役に取り組むキャストが多く、新鮮で力強いチームが生まれた。
良知演じる上原は、柔らかい物腰の中にも情熱と決意を秘める。藤岡扮する太田川は、関西弁で明るく、純粋さが光る。上山が演じる竹内は、熱くまっすぐで、しかしどこかユーモラスさもにじませる。『宝塚BOYS』初出演となる木内は、熱さと涼やかさを併せ持つ好青年の長谷川を好演。同じく初参加メンバーの百名は、竹田という末っ子キャラが良く似合う。石井は一見強面だが純で心優しい山田を熱演。そして星野演じる東山は、この上なくプロダンサーとしての説得力を放っている。7人のBOYSのそれぞれの個性が生かされたキャスティングと、キャストの作品に対する深い理解によって、物語がよりリアリティをもって伝わってくる。
さらに、今回初出演となる愛華演じる君原は、寮母としてBOYSを見守りながら、彼らが迷った時に、そっと大事な示唆をし、癒しの手を差し伸べる。愛華の柔らかいオーラが会場を包む瞬間、ほっとした気持ちになる。同じく初出演の山西は、池田というキーマンを演じ、作品の緩急を生み出している。門外漢だと言いながらも、その実BOYSを宝塚大劇場の舞台に立たせようとする池田は、厳しくも深い愛情を秘めている。そして、物語のラストで展開されるレビューは圧巻だ。BOYSが、歌い踊る“男性のレビュー”は、美しさと迫力に、魅了されるに違いない。
「team SEA」キャストは、東京公演の8月4日から8月11日まで出演。8月15日から8月19日までの東京公演後半及び各地公演は、「team SKY」キャストによる公演となる。なお、オーディションサイト『Deview/デビュー』では、「team SKY」より永田崇人&川原一馬の対談インタビューを掲載中。
「team SEAキャスト」の上原金蔵役・良知真次と太田川剛役・藤岡正明からのメッセージは以下の通り。
【良知真次コメント】
『宝塚BOYS』は、前回の4回目から出演させて頂き、僕にとっては二度目の出演になりますが、オリジナルを創る気持ちで出演させて頂いております。
役も、前回の竹内役から今回は上原役になります。team SEAは、過去『宝塚BOYS』を経験してきた人達が多いチームですが、ほとんどのキャストの役が変わり、関係性も変わるという事で、1からというよりゼロから創って来ました。いよいよ初日を迎えるということで、初めてご覧になって下さる方、またこの作品を愛して楽しみに待っていて下さるお客様の為に、全身全霊で歌って踊りたいと思っております。一度と言わずに二度三度、四度五度六、七、八公演ありますので(笑)、是非劇場に足を運んで頂いて、応援の程宜しくお願い致します。公演で全て出し尽くしたいと思います。
【藤岡正明コメント】
いよいよ初日を迎えます。皆が一致団結して本当にこの日を待ち詫びておりました。過酷な過酷な稽古の中で、戦ってきた戦友がここにいます。僕にとっては、まさかまた、この『宝塚BOYS』の世界に戻ってくることができると思っていませんでしたので、今回本当に青春が戻ってきたなと思っています。これは俳優としてやってきたご褒美だと捉えて、一公演一公演、大切に大切に演じていきたいと思っております。必ず何か持って帰って頂ける作品です。騙されたと思って(笑)、是非劇場にお越し頂きたいと思っております。
【公演概要】
『宝塚BOYS』
原案:辻 則彦 <「男たちの宝塚」(神戸新聞総合出版センター刊)>
脚本:中島淳彦 演出:鈴木裕美
協力:宝塚歌劇団 企画・製作:キューブ
出演:
☆team SEA(8/4〜8/11)
良知真次、藤岡正明、上山竜治、木内健人、百名ヒロキ、石井一彰、東山義久
愛華みれ、山西 惇
☆team SKY(8/15〜8/19)
永田崇人、溝口琢矢、塩田康平、富田健太郎、山口大地、川原一馬、中塚皓平
愛華みれ、山西 惇
公演日程・劇場:
東京公演 2018年8月4日(土)〜19日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
名古屋公演 2018年8月22日(水) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
久留米公演 2018年8月25日(土)〜26日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
大阪公演 2018年8月31日(金)〜9月2日(日) サンケイホールブリーゼ
<オフィシャルサイト>
http://www.takarazukaboys.com/