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2018/05/09 12:11
スタダのアイドル・はちみつロケット、『劇団はちロケ』のプレ公演を実施 ゲスト講師にラバーガールを迎えワークショップに挑戦
スターダストの所属のアイドル・はちみつロケットが5月5日に東京・ニッポン放送イマジンスタジオにて「劇団はちロケ プレ公演 〜劇団旗上げワークショップはいばらの道〜」を開催。そのオフィシャルレポートが届いた。
はちロケの7人にはこれまでラジオ番組やテレビ番組への出演はあれど、演技経験はライブMCで行う小芝居程度しかない。今回の「劇団はちロケ プレ公演」は、そんな演技の知識も経験もほとんどない7人がこれから本格的に演技をやっていくために、お笑い芸人のラバーガールを講師に迎え、実践を踏まえながら演技のなんたるかを学んでいくワークショップである。
チケットも即完売したこの日の公演、12時からの1公演目は、唯一演技経験があるという澪風の“演技できますよ”風影ナレからスタート。「私以外、本格的な演技経験があるメンバーは、誰もいない」という澪風のナレーションに、雨宮かのんが「学校の演劇部に入ってるだけでしょ」という的確なツッコミを入れるなどのはちロケらしい茶番を交えつつ、最後は7人で「劇団旗揚げワークショップはいばらの道!」と声を合わせて影ナレを締めくくる。
お馴染みの“overture”が流れると、壇上にはちロケのメンバー7人とラバーガールの2人が登場。まずはウォーミングアップとして、マイクを通さず大声で一人ずつ自己紹介をしていくことに。トップバッターの森青葉が「いちばん声が大きい自身がある」と意気込み目の覚めるような大声で自己紹介を行うと、続く6人全員がマイクを通さずともしっかりと聞こえる大きな声で自己紹介を終えた。なかでも澪風はお腹から声を出しているだけでなく、発した言葉の一音一音を最もハッキリ聞き取ることできたため、発声の基礎が身についていることがうかがえた。
また、ラバーガール飛永から自己紹介のあとにひと言添えるよう指示されていた部分では、塚本颯来が「石原さとみさんとよく間違えられます!」、華山志歩が「世界が認める顎美人です!」、雨宮かのんが「好きなラーメンは塩です!」と言ったあとにすぐさま6人が「かわいい!」を連発し、早くも今回のワークショップの趣旨から脱線しそうになるところもまた、はちロケクオリティーといったところ。
ウォーミングアップを終え、一つ目の演技実習は「二度見」。「3年前に家を出て行った父親と街ですれ違った」という設定のもと、早速一人ずつ二度見の演技を行なっていく。どれだけナチュラルに二度見できるか、またどれだけ設定に入り込むことができるかという2点がポイントとなる演技だが、やはりいきなり人前で演技をするという緊張からか、どうしてもぎこちない歩き方や振り向き方、そして棒読みの「お父さん」になってしまうはちロケメンバーたち。播磨怜奈が「ふ〜」とハッキリ聞こえる深呼吸をしながら歩き始めたり、華山が一歩目で手と足を同時に出してしまったりと、バラエティー的には文句なしにおもしろい失敗を繰り返しながらも、徐々にコツを掴んでいく。
ここで意外な器用さを見せたのは、自らを「ノーマル人」と称する公野舞華だった。それまでの3人は及第点の二度見をできるようになるまで3〜5回の試行回数を費やしたなか、4人目の公野は一発で成功。振り返ってから「お父さん」と言うまでに絶妙な間を空けることでシリアスな空気感を作り出し、ラバーガールの2人も「すごくナチュラルでよかった」と絶賛した。また、7人目の雨宮かのんも一発で文句なしの二度見の演技を披露。ゆっくりと気だるそうに歩くことでどこかやさぐれた感じを演出し、ラバーガール飛永はその様子を「新宿の不良少女感」と言い表した。なお、雨宮曰く「やさぐれた感じは出そうとしたわけじゃありません(笑)」とのこと。
二つ目の演技実習では、二人一組を作ってラバーガールのコント「ホテル」の一部を行うことに。まずは練習として、公野・森コンビと澪風・塚本コンビが台本を読みながらステージの真ん中でコントを披露。公野・森コンビは森の少し怒っているようなツッコミがキャラにハマり、また澪風・塚本コンビは後半から塚本のアメリカンコメディー風のしゃべり口調が板につき、それぞれ味を出していた。そしていよいよ台本なしで本番へ。
トップバッターは播磨・華山コンビ。暗転が明けたらステージ中央に…と思いきや、なぜか司会者台のあるステージ上手で行うというハプニング(?)から始まり、コント中の予約者名「マイケル・ターナーフィールド様」を自己紹介で「世界が認める顎美人」と自称した華山に引っ掛けて「ロング・ロング・アゴー様」に変えるなど、オリジナリティー全開のコント「ホテル」を演じる。そして、途中セリフが飛んでしまい「ちょっと(セリフが)降りてきませんね?」と言った播磨に対して「今日は激混みですもんね!」と華山がフォローを入れるコンビ愛や、そのままなぜかアドリブで横浜トークを進めて間をつなぐ潔さと咄嗟の判断力も見られた。
続く2組目の公野・森コンビは、さらにオリジナリティー溢れたコントを披露。冒頭から早速「いらっしゃいませ、ご主人様」というボケで始まり、そのツッコミ後に「いらっしゃいませ〜、店内50%オフになっておりま〜す」というボケを重ねる。また予約者名を「イエッタイガーファイボワイパー様」に変えたり、宿泊条件の説明時に公野がセクシーポーズをしながら「私と同じお部屋になります」と言ったりと秀逸なボケを練り込み、そして同じボケを忘れた頃にもう一度繰り返す「天丼」というお笑いのテクニックまでを見せるなど、コントとしてのクオリティーの高さが光った。台本は公野が考えたという。
3組目の澪風・塚本コンビは本家のコント「ホテル」に忠実に沿いながらも、塚本の少し大げさなしゃべり方とリアクション、そして身振り手振りがどことなくアメリカンコメディー感を醸し出す。また、澪風がホテルのフロントになりきり少しやりすぎなくらい“出来る女性っぽさ”を出すことで、そのアメリカンコメディー感にいっそう拍車をかけていた。
ラストは雨宮がラバーガール大水とコンビを組んでコントに挑戦。するとその場で急きょ大水がアドリブでボケを入れていくことになり、雨宮は困惑した面持ちを見せる。しかし雨宮は、次々とアドリブで繰り出されるボケに対してツッコミを入れてみせた。特に「フロントの隣のここで寝てください」というボケに対して咄嗟に出てきた「扱い!」というツッコミにはラバーガール大水も絶賛。アドリブ力の高さはさすがリーダーといったところである。
すべての演技実習を終えた7人は、ステージ上で「お笑い芸人さんの頭の中は回転寿司みたいになってるんですね」(森)、「これからもバシバシ指導してください」(華山)、「二度見のアドバイスは積極的に使っていきたいです」(塚本)といった感想や、ラバーガールへの感謝を述べた。そして最後に、森が「本当の劇団はちロケはCD発売と同じ夏くらいにできたらいいなと思ってるので」とプレ公演ではない本公演の開催を匂わせ、この日のイベントは終幕。
そんな1公演目を終えた直後の7人に感想をひと言ずつ聞いてみた。
「二度見の演技は、もしこれがドラマだったらどこからカメラで撮られるのかな?とかを頭の中で考えながらやりました」(公野)
「緊張してセリフが飛んでも、飛んだってお客さんに思わせないようにしなきゃダメだなって。悔しいです?」(播磨)
「“出来る女感”あるキャラは一回やってみたかったので、できて嬉しかったです。間の使い方とか言葉のテンポとか、本当に勉強になりました」(澪風)
「コントをやってみて、やっぱり自分はツッコミに向いてるなってあらためて思いましたね(笑)。ボケは絶対できない!」(森)
「どうも最近みんな、私が石原さとみさんに似てないって気づき始めてきてるんですよ…(泣)。コントは、既存のものに自分の色を足すっていうのがすごく難しかったです」(塚本)
「アドリブって言われたときは『え!?』ってなりました(笑)。でも覚えてたセリフが緊張で飛んじゃう心配がなかったから、それが逆によかったのかなって」(雨宮)
「はちロケって普段笑いを取りにいきがちだけど、演技はボケなしでちゃんとやらなきゃいけないから、劇団はちロケで私たちの二面性を見せられたらいいなって思います」(華山)
今回のワークショップで学んだことを胸に深く深く刻み込んだ7人。夏には、さらなる成長を遂げたはちみつロケットの演技が見られるに違いない!
テキスト/筒井優太