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2018/03/09 18:22
主演・東啓介「楽しみにしていただいて構いません!」と宣言、オリジナルミュージカル『5DAYS』公開稽古
2018年4月にKAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオにて上演されるRock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』。6日に稽古場にて公開稽古が行われ、主演の東啓介らが囲み取材に応じ、意気込みを語った。
シェイクスピアの恋愛悲劇「ロミオとジュリエット」の物語を下敷きに、現代における5日間の恋の疾走を描く本作。国内外で今一番注目を集めているクリエイター 石丸さち子と作品世界を鮮やかに広げる音楽で観客を魅了する和田俊輔の初タッグで贈る日本発のオリジナル・ロックミュージカル。
キャストには、ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』、『マタ・ハリ』などのミュージカル作に立て続けに出演している東のほか、豊原江理佳、柳下大、中山義紘、大山真志、そして実力派のマルシアが出演。
物語の舞台は2018年、辺境のための経済復興特別区【グラント】という架空の集落。そこに“ライン”が引かれ、【デルヒ】と【ゼムリャ】に分かれた二つの街の対立が驚くべき速さで激化していく中、【デルヒ】のハワル(東)と友人のポドフ(柳下)&ナウチ(中山)は、“ライン”上に暮らす女・ドゥーシャ(マルシア)の導きで、【ゼムリャ】の祭りにもぐり込む。
そこで、リェータ(豊原)とハワルは瞬く間に恋に落ちる。しかし、リェータの兄・シーラ(大山)は【ゼムリャ】の血と種を守る民族運動の若きリーダーだった。転がるように恋しあうハワルとリェータだったが、血気にはやるシーラとポドフが衝突し、二人は引き裂かれていく。街の争い、人々の争いの中、愛を知った二つの命が選ぶ道は……。
愛を知ってから愛のために死ぬまでの物語を舞台を現代に移し、架空の集落の見えない“線=ライン”(=血縁、国境、性別、人種、宗教)に隔てられた若者がそれを越えようとする姿、笑い飛ばして愛する自由を勝ち取ろうとする姿、そして幼い魂の触れあいと成長を現代の若者のリアリティの中で綴る。“ライン”への問いかけと、それに打ち砕かれてしまう愛がいかに美しいか。たった一本の“ライン”の前での無力さ、迸る若さが愛を知る喜びの鮮烈さ、若さ故“ライン”の諍いに巻き込まれてしまうエネルギーの空しさ。スタイリッシュでありながら、若いエネルギーに満ちあふれたストーリーが展開されていく。
公開稽古では、タイトルにもなっているM1『5DAYS』をキャスト6人が歌うシーンからスタート。6人の声がキレイに重なり合いながら、たった5日間で起こった若い男女が愛を知り悲惨な結末へと向かっていってしまう本作の世界観へといざなう。
そして、東演じるハワルとその友人、ポドフ(柳下)&ナウチ(中山)が【ゼムリャ】の祭りにもぐり込もうと画策するシーンで歌われる『線を笑い飛ばせ』では、3人が力強く歌い出す。【ゼムリャ】の祭りにもぐり込んだハワルが、リェータと運命的に出会うシーンでは、空気がガラリと変わり、二人だけの時間が流れ、優しく温かい空気に包まれる。
最後に公開されたのは、ハワルとリェータが出会った翌日、深刻な話をしていたポドフとナウチの元に、ハワルが合流するシーン。リェータと運命の出会いを果たし、恋に落ちた瞬間の想いを抑えきれず二人に話すハワルを、東がとてもピュアで無邪気に表現。ここのシーンを稽古するのは、この日が初めてだったそうで、芝居が終わった瞬間、東が演じる愛らしいハワルの姿に、演出家の石丸が思わず「可愛い〜〜!」と絶賛。稽古を見ていたほかのキャストやスタッフからも拍手が巻き起こったほどだった。
稽古後の囲み取材で、東は「稽古始まってまだ2日なんですが、この6人で始まる『ロミオとジュリエット』をどんどん作り上げていっているところです」と述べ、「演出の石丸さち子さんと和田俊輔さんの素敵な音楽を含めて、本番ではすごく新しい『ロミオとジュリエット』ができるんじゃないかと思っているので、楽しみにしていただいて構いません!」と胸を張る。
「毎日ものすごいエネルギーとパッションを感じる」と明かした豊原は、「石丸さんと和田さんとともに、この6人で、本番までにいい作品にしたい。革命を起こしたいです!」と宣言。柳下は「まだ2日しか経ってませんが、この段階でものすごく熱いものを感じる」と語り、「石丸さんは、本当に世界を変えようとしているんじゃないかというくらいの熱量なので、そこに僕たちが乗っかって新しいものを作っていけたら」と意気込んだ。
中山は「毎日の稽古や、この6人のキャストのみなさんに会えるのが、今すごく楽しい」と笑顔を見せると、マルシアからすかさず「本当に?」とツッコミを受け、笑いが起こる。改めて「ご飯とか行ったりして、もっともっと仲を深めていきたい」と話し、「オリジナルミュージカルということで、僕らが初演キャストになる。なので、この6人でしかえきないものを作って、それがずっと作品として残り続けたらすごく素敵だなと。そういう演劇の力を信じて頑張ります」と決意を新たにした。
公開稽古で力強い歌声を披露していた大山は、「ミュージカルとお芝居というものの垣根を越えた作品になるんじゃないかなと、稽古をしながら思っています」と打ち明け、「最後に、お客さまに温かい気持ちになって帰ってもらえるような作品になるんじゃないかなと思います」とコメント。
「熱いみなさんの若いエネルギーをもらって、突っ走っております」と話したマルシア。「石丸さんの素晴らしい演出、素敵な和田さんの音楽、とにかくすべてが新しいので、私たちが自由に新しい『ロミオとジュリエット』ができるんじゃないかと思う」と吐露。続けて、「みんなで一つになって、ひとり一人のパズルが合体することをとても楽しみにしています」と期待を寄せ、「お客さまの心に残るような、何かが届けられたらなと。それが私たちの仕事。精一杯やりますので、よろしくお願いします」と呼びかけた。
最後に、演出の石丸は「現代の物語だからと、矮小化された感情を描くのではなく、現代の人間の中に眠っている原初的な“人を愛するエネルギー”や、人と向き合い、何かを分かち合い、そしてともに走り合おうとするエネルギーというような、原初的な力がある物語にしようと思いました」とコメント。
そして、「(お客さまが)帰るときに、自分の中で眠っていたエネルギーに気がついて、それを一つ自分で取り出して、“誰かと出会いたい”“恋がしたい”という風に思ってもらえるような芝居になったらいいなと思います」と作品への想いを明かした。
Rock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』は、4月3日(火)〜4月23日(月)まで、KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオにて上演される。