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2017/08/20 10:12
座長・橘ケンチ、味方良介、多和田秀弥ら若手キャストに「すごく刺激を受けた」舞台『幽劇』開幕
EXILE/EXILE THE SECONDの橘ケンチが主演を務める舞台『幽劇』が、17日より東京・日本青年館ホールにて開幕。初日公演に先駆けて、公開ゲネプロが行われ、橘をはじめとするキャスト陣が出席し、本番への意気込みを語った。
本作は、とびきり明るくてワルなゴーストギャングたちが、それぞれの“後悔”をテーマに、死を超えた繋がりを描く、痛快スタイリッシュ“ギャングエンターテインメント”。現世に未練があればあるほど霊界での力が強くなるというゴーストの世界で、とある理由でゴーストとなった4人のギャングたちが、霊界を牛耳る最強の敵と戦いながら、現世に残してきた大きな忘れ物(後悔)と対峙していく姿を描く。
一人一人登場し、殺陣を披露するオープニングをはじめ、物語のクライマックスにかけての怒涛の殺陣とアクションはまさに圧巻。刀、二刀流、バット、警棒など、ゴーストたちがそれぞれの武器を手にし、迫力満点の殺陣で魅了する。また、スピーディーにストーリーが展開されていくなか、時事ネタを盛り込んだコミカルな演出もあり、見るものを飽きさせない。
物語が進むにつれ、ゴーストたちがそれぞれ抱える“後悔”や、その “後悔”の根源である現世の人間たちとの関係性が浮き彫りになっていく。信じあっていたものが、ある日ボタンの掛け違いで対立する関係になってしまったり、相手を思いやりすぎるが故にすれ違ってしまったり、はっきりと見えていた夢がかすみ、もがいているうちに後戻りできなくなってしまったり、心に突き刺さるメッセージが詰め込まれており、胸を熱くする。
囲み取材には、橘のほか、味方良介、多和田秀弥、高橋健介、伊万里有、田中涼星、有澤樟太郎、三浦宏規、伊阪郁巳、和泉宗兵、荒木宏文が出席。座長を務める橘は「僕が今回演じるのはダイという、ひと言でいうと、バイオレンスヒーローです。勢いのある方々と共演できてすごく楽しい時間を過ごさせてもらっています」と語り、「本番でもこのパワーをお届けできるように頑張りたいと思います」と意気込む。若手キャストが多いカンパニーについて「僕もグループ活動のときは、年下のメンバーと接することも多いですが、役者専門でやっている方々は全然感覚が違う。みんな本当に芝居が大好きで、ピュアな方が多くて、その点ではすごく刺激を受けましたし、勝手に僕も20歳くらいな気分でやっていました(笑)」と笑顔をみせる。
本作のキーパーソンでもある、神主の円若を演じる味方は「僕が演じる円若の生き様を見て、今後の人生を考えてもらいたい。“生きるとは何か!?”を僕の役を通して感じてもらえたら嬉しいです」とアピールし、「この作品は新しいことにいろいろとチャレンジしていますが、舞台の良さがいっぱい詰まった作品になっていると思います」とコメント。
荒木は自身の役柄について「役どころは敵です!」とひと言で表しつつ、「お客さんたちがついてこれないくらいのテンポ感で、スピーディーに物語が進んでいく濃密な作品になっています。今回はオリジナルストーリーだからこそ、答えも知らないし、舞台上で行われていることに必死で喰らいついて観るという、舞台ならではの面白さがある。舞台としてがっつり楽しめる作品になっていると思います」と胸を張る。
多和田は「ケンチさんに『幽劇』のますだおかだの岡田(圭右)さんという名前をいただいたので、この作品で飛び道具として暴れたいです。どんだけ笑わせられるか、もしくはどんだけ全力ですべるかという勝負だと思っているので、やりきりたい」と宣言し、「僕といまりん(伊万里)がけっこうぶっ飛んでいるキャラクターなので、ぜひその二人に注目してひほしい」と語る。そんな多和田が演じるイクオの後輩、セイジを演じる三浦は、キャスト内最年少。周りのキャストを見渡しつつ「カッコイイ方たちじゃないですか。なので、爽やかにいきたいと思います!」と宣言。
「乱暴だけど秀才」というシンを演じる高橋は「男たちが一生懸命バカをやっているので、それを楽しんでもらえたら」と語り、「“ゴーストギャングエンターテインメント”と謳っていますが、ゴーストギャグストーリーと言っても過言ではないくらい、笑いも満載です。ぜひ大きな声を出して笑ってください」と呼びかけた。天才科学者・井木を演じる伊万里は「福山(雅治)さん演じるガリレオが大好きな科学者の役なので、福山さんみたいな色気を出していきたい」と決意を新たにする。
ショウを演じる有澤は「どういう役かは作品を観ていただいて……。演じたことのない役どころなので、挑戦という気持ちで、二面性を意識して千秋楽まで頑張っていきたいと思います」と意気込み、自身の役を「我慢できないどうしようもない男」と語った井阪は「観てくださった方が“この子、可愛がってあげたいな”とか“頑張って!”と思ってもらえるように、新たな井阪郁巳をお見せしたいと思います」と力強く語った。
スタイル抜群の田中が演じるのは、股下97センチを売りにするメツ。「僕は殺陣をやりたかったので、今回殺陣のシーンが多くてすごく嬉しい」と語り、「この長さを活かして、スタイリッシュに動いていきたいと思います」と笑顔を見せた。ロマンスグレーの謎の男を演じる和泉は「この作品を信じているので、この素敵な座組で千秋楽まで駆け抜けたい」と明かし、キャストたちが身に付けている衣装について「ハイブランドのすごい高い衣装らしくて。それまるきり気にせずアクションしていくので、千秋楽くらいには破けていたりするかも(笑)」とコメント。
記者から「コレをやり残したら成仏できないということは?」と聞かれると、味方は「この舞台上で怪我なく千秋楽を迎えられないと成仏できない」と語る。橘は「秀弥演じるイクオがどんなボケをして、会場がしっかりと沸くのか、それを見届けないと、俺は死ねない」と多和田のほうに視線をやると、多和田は「はい! わかりましたっ!」と身を引き締める。すると、高橋から「何かやっておいたほうがいいんじゃない?」とムチャぶりをされ、「ますおかの岡田さんの名前をいただいたので、本家に負けないように、う〜うわぉ!!」と岡田の一発ギャクを全力で披露。ムチャぶりした高橋は「横顔、超似ている!!」と絶賛していた。
稽古場でのエピソードに関して、高橋は橘がお揃いのジャージを作ってくれたエピソードを話しつつ、「僕達の身長を調べてくださって、一人一人名前の刺繍入りで作ってくださったんですが、ケンチさんの周りは筋肉がある人たちが多いから……。僕ら全員ダボダボでした」と明かすと、橘は「俺の想定よりも、みんなだいぶ細かった」と苦笑いを見せていた。さらに、伊万里は「ケンチさんにたくさんご飯に連れて行ってもらって、こんなにお金がかからない現場はなかったなって。すごく助かりました」と告白し、キャスト陣は「ご馳走さまでした!」と声を揃える。
また、田中は「健介がすごくイタズラ好きで。稽古場に餡子が乗っている団子を買っていって、食べようと思ったら餡子が全部剥がされていて、ただの団子になっていた」とコメント。するとキャストたちから「それで?」「からの」と煽られる中、「それも悪くないなって。あ、落ちはないです(笑)」と笑みを浮かべると、高橋は「じゃあ、その話するなよ!巻き込み事故じゃん!!(笑)」とツッコミ、息ピッタリな掛け合いで場を盛り上げる。
兄貴分のダイ(橘)と弟分のショウ(有澤)、野球部の先輩・後輩のイクオ(多和田)とセイジ(三浦)、幼馴染同士のシン(高橋)と井木(伊万里)、同じ警備会社で働いていた上司と部下のメツ(田中)とボウ(井阪)、神上(和泉)と桃仙(荒木)という、対となるキャラクター同士の関係性も見どころの本作。
伊万里は「前回の舞台(ミュージカル『刀剣乱舞』)で、高橋とパートナーみたいな役柄を演じたんですが、今回もそういう関係性なので、今回はどういう絡みをしているのか、見てもらえたら」とコメント井阪は「田中涼星くんと演じるメツとボウのかけあい、人間関係が一番見てほしいところ」と語りつつ、「さらに見てほしいのは、しゃべる前の見た目と第一声放ったときからのボウのギャップに注目してもらえたら」と自身の見どころについて吐露。
そんな中、有澤が「ペア感というのがすごく大事になっているストーリーです。僕はケンチさんが演じるダイの、本当の兄弟のような弟で、そういう関係性も分かりやすくて、感動できるストーリーになっています」と、見どころについて語っていると、突如、不穏な音楽が鳴り始め、囲み取材が一時中断になるハプニングが。すると、キャストたちが本作にかけて「心霊現象だ、コレ!」「怖いな〜怖いな〜」と騒ぎ出す。微妙な空気を察して、キャストから「もう1回、ネタいいですか?」とムチャぶりされた多和田は「この音、閉店ガラガラ!」と全力で披露。残念ながら音は鳴り止まなかったが、キャストと報道陣から爆笑を誘っていた。
最後に、橘は「真夏ですので、ゴーストたちのひんやりとした人間ドラマを楽しんでもらえたらと思います。ひんやりとしながらも、みんな内側には熱いものをたくさん持っているので、その熱量も感じてもらえたら」と本作をアピールした。
舞台『幽劇』は、8月23日(水)まで日本青年館ホールにて上演される。