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2017/08/09 17:41
ブロードウェイミュージカル『RENT』ヒロインに抜擢された19歳・青野紗穂「どれだけ舞台上で心から裸になれるか、自分と向き合い続けた」
ブロードウェイミュージカル『RENT』のヒロイン・ミミ役に、オーディションで抜擢された19歳・青野紗穂が、東京上陸から10年、2年ぶり5度目の東京公演で鮮烈な存在感を魅せた。
9歳のころからエイベックスアカデミーでダンスや歌を学び、14歳の時にNY・アポロシアターのアマチュアナイトキッズ部門に出場、見事優勝を果たすという経歴を持つ青野。舞台の経験は少なかったが、『RENT』のオーディションに挑戦し、その歌唱力を武器にヒロイン・ミミ役を射止た。「“RENTに合格しました”という連絡が来た瞬間、何分かはフリーズしていた」という青野だったが、厳しいレッスン、稽古を耐え抜き、感性を磨き上げ、ミュージカル女優として大きく成長を遂げた。
『RENT』という作品と向き合うなかで「“愛とは何か?”みたいなものを投げかけられているような気がして、どう受けとめたらいいのだろうと考えさせられました」という青野。「どれだけ舞台上で心から裸になれるか、どれだけ自分に正直になって自分と向き合えるか。日常生活でこれほど自分自身と向き合う機会ってあまりなかったので、辛かったですけど、自分の中のネガティブな要素を受け入れることが一番大変でした」と稽古中の苦労を振り返る。
日本版リステージを手がけた演出家のアンディ・セニョールJr.氏からは、愛のあるダメ出しをたくさんもらったという。「私は最初、カンパニーの中で一番殻を被っていた人だと思います。アンディーに毎日“なんでそんなに自分をプロテクトしなきゃいけないの。プロテクトしないと紗穂は死ぬのか?”と言われたり。他にも“お前はケチな女だ。なんで自分をそんなに出し惜しみするんだ”とか、“自分をさらけ出せ。正直に生きていない人に、正直に生きているMIMIの役はできない!”みたいな言葉を。でもそれらはすべてアンディーが私の性質を見抜いてアドバイスしてくれたと思うんです。それを少しづつ受け入れながら、徐々に心の殻が取れていったんだと思います」と、今では感謝している。
『RENT』を通じて自分が変化した点を訊ねると「一日一日、一瞬一瞬をすごく大事にするようになりました。日々が楽しくて笑顔の大事さを実感し、でも、悲しいときやつらいときには逃げずに受け入れることも大事なんだと思うようになりました」と、充実した表情を見せた。
『RENT』はこの後、8月10日愛知・愛知県芸術劇場大ホール、8月17〜22日大阪・森ノ宮ピロティホール、8月26〜27日福岡・福岡市民会館大ホールでの地方公演を控える。「ミュージカルファンにはもちろん観ていただきたいですが、ミュージカルが苦手な方やまだ観たことがない方々にこそ知って欲しい作品です。一瞬一瞬を、一生懸命生きている姿が描かれています。ライブ感覚で観れる楽しさもあると思います」と、まだ出会っていない各地の人たちに呼びかけた。