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2017/01/20 23:16
座長・植田圭輔「とにかく愛がたくさん詰まった作品」、ミュージカル「しゃばけ」が開幕
畠中恵の人気小説を原作とした、ミュージカル「しゃばけ」が19日、紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕。初日公演に先駆けて公開ゲネプロが行われ、主演を務める植田圭輔をはじめ、キャスト陣が本番への意気込みを語った。
畠中恵のファンタジー時代小説『しゃばけ』シリーズ第1作目を、15周年を記念してミュージカル化した本作。物語の舞台江戸時代。江戸の大店長崎屋の一人息子で主人公の一太郎(通称:若だんな)は、 めっぽう身体が弱く、小さいころから甘やされながら育てられていた。そんな一太郎を手厚く守っているのが、長崎屋の手代である仁吉と佐助。 この二人、日頃は人間の姿をしているが、実は、白沢(はくたく)、犬神(いぬがみ)という妖。 二人にとっては、一太郎がこの世の全てであり、両親以上に可愛がり甘やかしている。
そんな一太郎の周囲には、きゅわきゅわという鳴き声が可愛い鳴家(やなり)、古い屏風の付喪神・屏風のぞきなど、個性豊かな妖たちがいっぱいいる。身体が弱く外出もままならない一太郎だったが、あるとき、目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃してしまう。それ以降、奇妙な殺人事件が次々と起こり、一太郎は家族同様の妖たちと共に事件解決へ乗り出す。
ミュージカルということで、一太郎と妖全員で歌うテーマ曲をはじめ、一太郎を見守る佐助と仁吉のデュエット曲、一太郎と親友・栄吉の絆をテーマにした楽曲など、色とりどりの歌とダンスで『しゃばけ』の世界観を彩る。長崎屋の一人息子として、跡継ぎ問題に悩む一太郎の心の葛藤や、仁吉と佐助の一太郎への想いなどが丁寧に描かれていく。
また、劇中に登場する妖のキャラクター・鳴家(やなり)役を演じるのは、一般からも広く募集した子役たち。一番下は3歳から上は12歳までの子供たちが元気いっぱいな鳴家を演じ、可愛いパフォーマンスで観客を魅了する。
主人公・一太郎を演じる植田は「この作品は、人気がある作品で、小説が原作ということで、稽古の段階からどうすればわかりやすく伝わるかということを、みんなで話し合いながら作ってきた作品」と語り、「一太郎同様、本当に周りの人に支えられていて、素敵な人たちに囲まれて、自分は素敵な環境にいるんだなっていうことを、改めて感じられました」とコメント。
本作の見どころに関しては「とにかく愛がたくさん詰まっております。(鳴家役の)子供たちを見てほっこりしますし、それぞれの妖たちの想いも人間らしくて、しんみり、ほっこり、ワクワクするような作品になっていると思います」とアピールした。
一太郎を見守る佐助を演じる滝川英治も「小さい子供たちが走り回っている作品。その子供たちのパワーに負けないよう、そして、子供たちの童心を参考に、ピュアでストレートなお芝居を心がけて頑張っていきたい」と意気込む。佐助とともに一太郎を見守る仁吉役の中村誠治郎は「原作好きの方、役者のファンの方、たくさんいらっしゃると思いますが、舞台をやることによって、この作品がたくさんの方に愛されればいいなと思いますし、その力の一部になれたら」と作品への想いを吐露。
屏風のぞき役を演じる藤原祐規は「ちょんまげ、着物、そしてこのセットと、和がすごく詰め込まれた作品だと思うので、馴染みやすい舞台になっているのではないかと思います」と語り、一太郎の親友・栄吉を演じる逢沢優は「今まで積み重ねたものをやっと披露できる日が来ました」と開幕の喜びを語り、「今から新鮮な気持ちで積み重ねてきたものを一生懸命やっていきたいと思います」と力強く語った。
登場人物の中で唯一女性の格好をしているキャラクター・鈴彦姫を大平峻也は「唯一女性の格好をしているキャラクターなので、電車とかでスカートを履いている人をみれば、あ、キレイだなと……」と話し始めて、キャストから「何の話してるんだ?(笑)」と総ツッコミ受けつつ、「そういう風に女性の仕草を研究してきたので、それをみせていけたら。全力で突き進んでいきます」と笑顔を見せる。
また、稽古中のエピソードを聞かれると植田が「それぞれがそれぞれの(演技)プランを持ってくる感じで。とくに英治さんや誠治郎さんは、人間関係がすでに作られていて、やってみて見つかることがある。こっちがやったことに対して、何も言わずにそれを汲み取ってやることができる関係性だったり、その中にあるものだからこそ、しっかり話し合って作ったものがたくさんあった」と稽古を振り返る。
さらに「ふっきーさん(藤原)を筆頭に、妖のメンバーたちは、とにかくずっと一緒に練習をしていて。一緒に演じるシーンが多いメンバーは、やればやるほどシーンが良くなっていくし、舞台でもまさにそれが出ていると思います」と自信をのぞかせ、「あと、とにかく子供たちが可愛くて、全員おじさんの顔をしていたのがすごく印象的でした」と顔をほころばせた。
『しゃばけ』15周年祭Presents ミュージカル「しゃばけ」は、1月19日〜29日まで紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演。なお、オーディション&エンタメサイト「デビュー」(下記リンク参照)では、一太郎の親友・英吉を演じている逢沢優のインタビューを掲載中。