俳優の廣瀬智紀と青木玄徳が15日、都内で行われた映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。』完成披露イベントに登壇。

　本作は、風変わりな探偵・紅伊玲二（べにい・れいじ）が、祖父から引き継いだ紅伊探偵事務所の2代目所長として、相棒である藍彰二（あおい・しょうじ）と共に、様々な悩みを抱えた依頼人を救うことで、時には衝突し、時には協力し合いながら人として成長していく様を描いた傑作バディ・ムービー。

　主人公・紅伊玲二を演じた廣瀬は「こんなにもたくさんのお客様に、試写イベントで映画を観ていただくことができて、本当に幸せです」と笑顔で挨拶。風変わりな探偵・玲二に関して「過去にいろんなトラウマを持ちながらも、おばあちゃんに育ててもらった子」と説明しつつ、「すごくクールだけど、情にもろかったり、事件の引き金となる子供に自分の昔の姿を重ねてしまったりする心の弱さも持っている。そんな中で探偵の仕事をプロとしてやりつつも……なんて言うんですかね」と話の着地点がわからなくなると、青木がすかさず「自分で話しながら、自分で作った迷宮に迷い込んでます」とフォローし、笑いを誘う。

　さらに廣瀬が「玲二が自分の思うままに行動できる部分は、今も青木くんがここにいてくれているように、自分がそういう風に行動できるというのは、相棒がいて任せられるからこそできることであって、すごく嬉しいし楽だなって思う」とコメント。自身と似ていない部分に関しては「キザな部分かな。あとは、弱さを見せようとしないところ。僕はけっこう弱いところを見せちゃう子なので」と苦笑いを見せる。

　玲二の相棒・藍彰二を演じた青木は「台本を読んだときに、玲二のキャラクターに興味が湧いた」と明かし、「実際に玲二を演じる廣瀬さんと会って、ご本人と玲二の人間性が重なり合う部分があるなと。ミステリアスな部分や何を考えているかわからない感じとか。でも、しゃべらせるとすごく天然だったりするところが、すごく玲二ぽいなと思った」とコメント。さらに「僕が彰二を演じる上で大事にしたのは、廣瀬さんとコミュニケーションをとって、それを役に反映させられたらと。僕の彰二の出来が評価してもらえるとしたら、それは廣瀬さんの役づくりがあったからこそ」と廣瀬を称える。

　すると廣瀬も「現場に入ったときにそういうお話をしてくれて。青木くんが僕のことを信じてくれたからこそ、自由にやれたというか、”ほっとけないな”という印象を持たせられるようなアプローチができた。僕がもし評価されるようなことがあれば、青木くんのおかげです」と語り、互いに支えあったという心温まるエピソードを披露。

　今回が初共演という2人。思っていたイメージと実際会ってみてのギャップについて聞かれると、廣瀬は「僕は青木くんは玲二みたいにキザでクールな役だと思っていたけど、会った瞬間、“あ、違うな”と。歩き方がすごく男、“雄（オス）”さがあって、ギャップを感じた」とコメント。そして、廣瀬が青木の歩き方を真似て肩で風を切って歩いてみせると、青木は「全然そんな歩き方してない！ マスコミの方々がいるんですから」とタジタジになり、廣瀬は「ごめんね」と無邪気な笑顔を見せる。

　一方、廣瀬に対して青木は「すごくクールな人でひょっとしたら気難しい可能性があるなって思って、ちょっと不安だったけど、会って話をしてみるとすごく温かくて優しかった」と振り返り、「初対面から“あ〜、もうイジりたい！”っていう感じだった。初対面なので、2日くらいは我慢しましたが（笑）。怒ったところを見たことがないし、まず廣瀬さんを嫌いになる要素がない。こうやってたくさんのお客様が集まって観に来てくれているっていうのは、この人の人徳であり人柄なんだろうなって思う」とベタ誉め。

　「怒ったところを見たことがない」と言われた廣瀬は「怒ったりしますよ。物に対して怒ります」と語り、「リモコン、なんでないんだよ！とか」と話すと、青木も「わかる！この時期だと、部屋入ってすぐにエアコンつけたいのに、リモコンがないとかね」と廣瀬の意見に賛同。しかし、廣瀬は「僕、エアコンはつけないタイプです」と即答。廣瀬のまさかの返しに、青木はお手上げポーズをみせて、笑いを誘いつつ「でもね、今のフリを上手く使ってくれて、100点満点です。このバディ感見ました？」と観客にアピールし、盛り上げていた。

　最後に廣瀬は「自分たちは役者なので、役者として動いている姿をみなさんに見ていただきたい。ぜひ、劇場に足を運んでいただき、僕たちが映像の中で動いている姿を楽しんでいただけたら」と呼びかけ、「僕たちは続編に強い意志を持っているので、この先、探偵ものとしてシリーズ化したりして、またみなさんにお会いする機会があったら、パワーアップした姿をお見せしたい」と次回作への期待を寄せた。

映画『探偵は、今夜も憂鬱な夢を見る。』は、3月4日よりユナイテッド・シネマ豊洲ほか順次公開。