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2016/12/16 19:07
主演・宮崎秋人×演出・中屋敷法仁、韓国で大ヒットした舞台『柔道少年』の日本初上演への想いを語る
2014年に韓国で上演され大ヒットを記録した舞台『柔道少年』が、2017年2月に主演・宮崎秋人×演出・中屋敷法仁で日本初上演される。高校生たちの青春、おバカな日常、恋愛のドキドキ、スポーツに打ち込む真摯な姿が描かれる青春群像コメディを、中屋敷演出では舞台を日本に置き換えて上演。宮崎をはじめ、D-BOYSの荒井敦史、三津谷亮、池岡亮介らが挑む、痛快青春ラブストーリー。上演に先駆けて、座長を務める宮崎と演出・中屋敷の二人に、本作への想いを語ってもらった。
【舞台『柔道少年』主演・宮崎秋人×演出・中屋敷法仁 インタビュー】
◆「何に対しても全力で突っ走る感じが可愛い」
――韓国で大ヒットした作品を日本初上演。この作品に関して、どんな部分に魅力を感じましたか?
【中屋敷法仁】「いろんな魅力がたくさんあるんですけど、一番の魅力は、本当に素直でひたむきで、小手先でどうにかしようとしていない感じがいいなと。全力で芝居にぶつかっているような熱い内容だなと、好感を持って台本を読みました」
【宮崎秋人】「スポーツや恋に全力で打ち込んでいる姿が、みんな青くていいなって思いました。僕が演じる役は、どちらかというと恋に突っ走っちゃうんですけど(笑)。何に対しても全力で、わき目も振らずにおバカに走っていく感じがすごく可愛らしかったし、登場人物みんな、それぞれ可愛い部分があるんです。読んでいてそんな部分が気に入りました」
――オリンピック代表選手を目指し、全国大会参加のために東京へやってきた地方の高校の柔道部主将を演じられる宮崎さん。ご自身が演じる役柄の魅力は?
【宮崎秋人】「圧倒的におバカなところですね(笑)。まっすぐで等身大な役というのはいくつかやらせていただきましたが、ここまで振りきっている役は初めてなので、すごくやりがいはあると思います。中屋敷さんもおっしゃっていましたが、この役は小手先では届かないなと。一歩はみだしたところに、この役や作品の面白さが出てくるんじゃないかなと思います」
――改めて、お互いどんな印象をお持ちですか?
【中屋敷法仁】「秋人くんには自分が演出した舞台にも出てもらっているし、出演作品もいくつか観ているんですが、今一番見逃せない時期なんじゃないかなと思います。秋人くんは日々、作品と同時に俳優としての成長と変化を遂げているので、会う度にいつも印象が変わる。今回の作品では、伸び盛りの秋人くんじゃなくて、素の部分というか、人間としてのベースの部分が見えたらいいなと思っています」
【宮崎秋人】「僕は、朗読劇でご一緒させていただく前から、中屋敷さんの作品を観に行ったりしていて、作品もですが、役者のことをすごく愛してくれる方だなっていう印象を受けました。中屋敷さんは、僕たち役者が投げかけたものを尊重してくれるし、それをさらに膨らませてくださる方。朗読劇を一緒にやせていただいたときは、やっていてとても楽しかったですし、今回、ストレートの芝居でまたご一緒できるのが嬉しいです」
◆「D-BOYSの濃密な関係性がそのまま作品になれば」
――舞台を日本に置き換えて、台本を再構築されるということですが。
【中屋敷法仁】「もともとの原作も、韓国の地方とソウルの高校生の対立だったり、韓国の中の訛りみたいなものが色濃く出ているので、その物語の構図を日本に置き換えてやりたいなと。この作品は、韓国の劇団で作っていた作品でもあるので、チーム感やメンバー同士のリレーションが見える作品。なので、D-BOYSのメンバーの濃密な関係性がそのまま作品になればいいなと思います」
――関係性が重要だと。
【宮崎秋人】「台本を読んで“この空気感やテンポ感は嘘がつけないな”と感じましたし、人間関係をどこまで構築できているかで、それが如実に反映されていく作品だなと思ったので、ベストなメンバーが揃ったなと。僕以外の3人(荒井・三津谷・池岡)は、みんな引き出しが多いというか、物怖じせずに、その場でポンポン思ったことを体現できる人たちだなという印象があるので、そこにうまく乗れたらいいなと思います」
――それぞれに対して、役者としてどんな印象ですか?
【宮崎秋人】「(荒井)敦史は、すごく馬力があるし、与えられたオーダーがあったら、最低限をすぐにクリアして、それ以上のものを出せる役者だなと思います。(池岡)亮介は、いい意味でちょっとズレてるなって思う。与えられたオーダーに対して“受け取り方それで合っているのかな?”と思うときがあるけど、でも、見ていると納得するし、それが亮介が演じる意味だなと思う」
――三津谷さんとは初共演ですね。
【宮崎秋人】「三津谷くんは本当に普段から振りきっているなと。それも全部彼の優しさかなと思うんです。周りの空気に敏感だから、自分が馬鹿なふりをしたり。“自分の見せ方”に関しては、スバ抜けたものを持っている。あと、わりと人に対してすぐ、心を丸裸にしてぶつかれる人だなと思うので、それが今回の芝居でどうやって出るのか。ちょっと突っつけば泣いちゃう、涙もろい人じゃないですか?(笑)。だから、どうやって刺激したら、どんな感情が出てくるんだろうなって、楽しみにしています」
◆「ホームだからこそできることを見せたい」
――それぞれの役者に期待することは?
【中屋敷法仁】「D-BOYSのことでいうと、いわゆるホーム試合になるので、D-BOYSでしか出せない最高の姿が出せないといけない。それぞれいろんな作品で活躍していて、いろんな素敵な姿をみせているけど、このホームでしか出ないような最高のものが出ればいいなと。今回の作品で、俳優たちに求められているのはお互いの信頼関係やラフさ。せっかくこのメンバーでやれるので、飾らない姿で共演者と向かうことができるカンパニーだといいなと思います」
【宮崎秋人】「そうですね。ホームだからこそできることを見せたいです」
――主演ということに関しては、どんな想いがありますか?
【宮崎秋人】「『FAIRY TAIL』のときは、“主演だからこうしなきゃいけないのかな”とか、気負いすぎたなと思って。今までいろんな作品に関らせていただいて、座長の大きな背中をたくさん見てきたし、素晴らしいな、こうなりたいなって本当に思わされてきたので、自分もそうならないといけないって焦った部分もあったんです。でも、それは自分には向いていないというか、どんな役でも変わらずに作品と向き合っていくのが自分の肌には合っていると思えた。『柔道少年』に関していえば、特に“よし、俺の背中見てついてこい!”っていうような人たちではないし、いいチームだなと思うので、横並びでチームワークでいけたらなと思っています。今回は自分らしく居られるなと」
【中屋敷法仁】「いろんな主演の扱い方があると思いますが、主演が一番共演者に甘えなきゃいけない、頼らないといけないと思っていて。引っ張っていくことも大事だけど、みんなを味方につけることも重要。信頼されるのではなく、自分から先に信頼していくことが大切なんじゃないかなと思います」
◆「一歩も止まらず走ってきた1年だった」
――舞台やドラマ、ユニットでの歌手活動など、様々なジャンルで活躍された宮崎さん。2016年はどんな1年間でしたか?
【宮崎秋人】「今年は本当にいろいろとやらせていただきました。新しく挑戦したことがすごく多かったなと。すごく充実していましたし、一歩も止まらず走ってきた1年だったなと思います。先日、お芝居のワークショップを受けたんですが、一人の人間を作り上げるということに向き合ったときに、自分では勝手にできていると思って忘れていた部分もすごくあったりして、“あ、お芝居で一番大事なのはこういうところだ”って、改めて感じることができたんです。なので『柔道少年』では、基礎の基礎から固めていって、それで面白い作品を作れたらなと思います」
――高校生の青春が描かれる本作ですが、お二人はどんな高校生活を送っていましたか?
【中屋敷法仁】「ポケットにシェイクスピアの本を入れているような高校生でした。演劇部だけで活動していただけじゃなく、クラスの出し物とか率先して監督やっていたり、全校生徒の前とかでも“演劇をやっている人”というキャラクターをすごく大事にしていました。ノートに観たドラマとかを全部メモして、このシーンのここが良かったとか、これはドラマの構成が悪いとか、そういうのを書いていて。自分でそれを読み返して引いたくらい(苦笑)。演劇の世界に単純に憧れていたとかじゃなくて、気持ち悪いくらいに執着していました」
【宮崎秋人】「すごいですね! 僕のポケットには消しゴムとシャーペンしか入ってなかったです。あとは手ぶらで学校行っていました(笑)。バンドやっていてギターは弾いていましたけど、高校時代は本当に何もしてなかったですね。部活もバスケ部に入っていたけど、強豪校だったので、温度差があまりにもありすぎて、夏休み終わるくらいで辞めてしまったし、休み時間もボーっとしてたような高校生でした」
――宮崎さんは、ヒロインに一目惚れする役柄ですが、理想の告白シチュエーションってあります?
【宮崎秋人】「照れますね(笑)。僕は大学に行ってないので、絶対にできないですけど、キャンパスにあるベンチに腰掛けて告白したい。なんか、大学にあるベンチに憧れがあって、あれはズルいなって思うんです。あと、告白される側だとしたら、デートしたあとに家まで送っていって、相手の家の玄関前でされたい。告白のあとすぐに『バイバイ』って扉閉めるみたいな(笑)」
――公演期間中には、宮崎さん、荒井さん、三津谷さん、池岡さんのキャスト4名が、誰が一番チョコレート(票)をもらえたのかを競いあうバレンタイン企画もあるとか。
【宮崎秋人】「キャストと話をして、男子高校生においてのバレンタインというのは、1年で一番ソワソワするイベントなので、公演期間中にバレンタインがあるし、これを逃さない手はないだろうと。どの役にチョコをあげたいか考えながら観劇してもらうのもいいんじゃないかと思いまして」
――9日〜14日に人気投票して、翌15日(14時公演後)に舞台上で、キャスト自ら開票すると。
【宮崎秋人】「14日までは自分は誰が好きかという目線で観劇してもらって、それ以降は純粋にお芝居を楽しんでいただけたらと。もしかしたら、14日までは、お客さんに思いっきり媚びたり、ちょっとお芝居が違うかも(笑)」
【中屋敷法仁】「一番盛り上がっているのが、キャストっていうのが面白いよね」
【宮崎秋人】「そうですね、コレは僕たちが楽しむ企画です。年1のビッグイベントなので!(笑)。僕たちはクリスマスも年末年始もなかったりするけど、唯一、バレンタインだけはソワソワできるんです。楽しめるんです!!」
舞台『柔道少年』は、東京公演:2017年2月9日(木)〜21日(火)までザ・スズナリにて、大阪公演:2月24日(金)〜26日(日)までABCホールにて上演。2月15日(水)14:00公演終演後に「バレンタイン大作戦!〜ここが漢(おとこ)の魅せどころ〜」が開催されるほか、バレンタインにちなんだ追加アフターイベント四本勝負の開催も決定。