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2016/05/18 22:42
松井玲奈、9代目・沖田総司役に「プレッシャーはない」『新・幕末純情伝』製作発表会
元SKE48で女優の松井玲奈が主演を務める、舞台『新・幕末純情伝』の製作発表会が、18日に都内で行われ、9代目・沖田総司を演じる松井をはじめ、その相手役・坂本龍馬を演じるNON STYLE石田明らが出席し、舞台への意気込みを語った。
同作は、幕末の京都を舞台に、新撰組の沖田総司が実は女だったという、つかこうへい氏のユニークな着想のもと、1989年8月 PARCO劇場にて幕を上げ、それ以降、つか氏の代表的な作品として愛され、幾度となく上演され続けている名作。つか氏の七回忌にあたる今年、命日でもある7月10日を挟みつかこうへい縁の紀伊國屋ホール含む3会場で七回忌特別公演として上演される。
この日の制作発表会には、松井と石田のほか、細貝圭、早乙女友貴、味方良介、荒井敦史、伊達暁、永田彬、演出の岡村俊一氏が出席。SKE48卒業後、初の舞台出演となる松井は「とても歴史のある作品、そしてつかさんの作品に、今回主演として参加させていただけることがすごく嬉しい。私自身、舞台がとても好きなので、自分の一番好きなステージに立てるということも楽しみにしています」と目を輝かせ、「アクションもあるので、みなさんにアッと驚いてもらえるように頑張っていきたいと思います」と意気込みを語る。
また、出演のオファーに関して「嬉しかった」という松井は「舞台をやるということが夢の一つでもあったので、こうしてストレート(プレイ)の舞台ができるのはすごく嬉しい」と喜びを噛みしめ、「発表されてから『すごいね』とか『楽しみにしているよ』とかたくさんの方々から言われて、初めて事の重大さに気づいた。でも、みなさんの期待以上のものができるように、頑張らないといけないなと思っています」と決意を新たにした。
一方、坂本龍馬役・石田は、出演が決まった後、4月に右腕を骨折したことを謝罪しつつ「歴史ある舞台で錚々たる方々がやってきたということで、今までやってきた方々に恥じぬよう、そして今までの方々に勝てるように、一心不乱に頑張りたいと思います」と力強く語り、出演オファーについては「初めてマネージャーから話を聞いたときは、エライ渋めのドッキリやなって思った。でも、実際の撮影に行ったらこれホンモンやぞって思った(笑)」とドッキリだと思っていたことを明かした。
松井と石田以外のほかの出演者の配役は、現段階で決まっておらず、稽古の段階で決めていくということで、演出の岡村氏からは「今回、石田くんが骨折したんで、石田くんの役も今考え直している」と衝撃の発言。すかさず石田は「ちょっと待って!それだけは勘弁してください」と懇願し、「骨折治すために、松井秀喜とかベッカムがやっている治療法を全部やってますから!なんとか龍馬役は僕に……」と必死の訴え。
さらに岡村氏が「『力があるものが勝つ』というのが、つかさんの遺言なので、稽古場でそれぞれが競い合ってもらって。初日に誰がどの役をやっているかは本当にお楽しみです」と意味深のコメント。すると、細貝が「龍馬役はまだチャンスがあるということですか?」と詰め寄り、石田がすかさず「“力”というのは金銭でもよろしいでしょうか?」と喰らいついて、笑いを誘う。
これまで幾度となく岡村氏演出の舞台に出演している細貝は「とにかく、夏の時期の岡村さんの稽古ってすごくキツイんです。空調を切って部屋を閉め切って、それで毎日長時間稽古するので……」と過酷な稽古を振り返りつつ、「でも、逆にその稽古のやり方が、本番で疲れて頭がオーバーヒートしても、口が覚えていてセリフを発しているような感覚にもなれるので、今から体力をつけていこうと思います」とコメント。早乙女も「岡本さんの現場は体力と熱がないとやっていけない現場なので、熱を持って稽古に臨みたい。つかさんの作品は2回目なので、前回の経験を活かして頑張っていきたいと思います」と意気込む。
つか作品、岡村氏の演出も初という味方は「知らないことがたくさんあるので、一つずつ毎日経験をして、自分の糧になればいいなと思う」と語り、荒井は「岡村さんとは何作品かご一緒させてもらっているんですけど、つかさんの作品は初めて。正直、今から緊張してはいるんですけど、役者として、次の段階へのステップアップのために、当っていって、砕けない様に頑張っていければと思います」と力強く語った。
アクションもさることながら、ラブシーンにも挑戦する松井と石田。それに関しての意気込みを聞かれると松井は「意気込んでもどうしようもないので…」と戸惑いつつ、「本を読んでいて、特にラストシーンとかは、涙が出てくるようなお話になっているので、自分が思っている気持ちが、観ている人たちにも伝わって、同じ気持ちになっていただけたら嬉しい」とコメント。一方の石田は「それはもう、演出のままに(笑)」とニヤけると、記者から松井に『石田さん相手に大丈夫ですか?』と質問が飛び、松井が「どっちに答えても失礼になりますよね?」と正直に答える。すると石田は「それを言うっていうことはそう思ってるってことだよね? ……大丈夫。傷ついてないふりはできるから」と強がり、またも笑いを誘っていた。
岡村氏はそんな二人に対して「松井さんは頭が良い。台本を読んだ印象をお伺いしても非常に解析力があって、クラスの学級委員みたいな頭を持っている。沖田は、女の部分を開花させていくみたいな役なので、学級委員みたいな女のコを開花させるのがいいと思う。なので、今回はとても楽しみ」と松井への期待を寄せ、石田に対しても「今日の会見を見ていてもみなさんの心を掴むのが早い。みんなが坂本龍馬を追い求めるのは、人心を捕える魅力みたいなものを持っていると思っていたので、そういう方に龍馬をお願いしようと思った」とキャスティングの理由を語った。
これまで、広末涼子、石原さとみ、桐谷美玲など、数多くの女優が演じてきている、紅一点のヒロイン・沖田総司役に関して、松井は「プレッシャーないです」と即答。「たぶん、まだ現実的な事の重大さに気づいてない状態」と説明しつつ、「今回の出演者の方々と岡村さんと一緒に、『一番良かった』と言われるものを作りたいっていう気持ちだけある」とコメント。さらに、「プレッシャーに押しつぶされて“どうしよう”ってなるよりは、前を向いて頑張っていきたいです」と座長らしく頼もしい表情を見せた。
つかこうへい七回忌特別公演『新・幕末純情伝』は、6月23日(木)〜7月3日(日)まで天王洲 銀河劇場にて上演された後、7月6日(水)〜17日(日)まで紀伊國屋ホールにて、7月22日(金)〜24日(日)まで梅田芸術劇場 メインホールにて上演される。
なお、オーディションエンタメ情報サイト『Deview/デビュー』(http://deview.co.jp)では、同舞台で座長を務める松井玲奈のインタビューを公開中。今作への意気込み、女優業への想いなどをたっぷりと語っている。