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2016/05/03 18:16
ミスiD2016準グランプリ・菅本裕子インタビュー 「審査員一人ひとりを恋に落としてやろうと思ってました」
新しい時代にふさわしい、今までにないタイプの女の子、ジャンルを超越した女の子を探し世に出そうという個性派女子のためのオーディション『ミスiD2017』の募集が始まっている。そこでオーディション情報サイト「Deview/デビュー」は、『ミスiD2016』で初めて創られた準グランプリの受賞者・菅本裕子にインタビュー。アイドルグループ脱退から、ネット上でのバッシングを乗り越え、『ミスiD』を契機に再デビュー、再ブレイクの兆しのある個性派に話を聞いた。
■菅本裕子インタビュー/「ありのままの自分を認めてもらえて、生き易くなりました」
――『ミスiD2016』に応募したきっかけというのは?
「HKT48を辞めてから、最初は料理関係の仕事に就こうと本当に思っていて、芸能活動をするつもりはなかったんです。でもたまたまスカウトされて“料理タレント”として動き出したときに、やりながら楽しんではいたんですけど、何か心の底から“ビシッ”と来なかったというか、自分の中で迷いが生じてしまって。“本当にこれでいいのかな”って、迷走期に入って悩み続けていたんです。そんなときに『ミスiD』のホームページを見て、『すべての女の子はアイドル』みたいなキャッチコピーを見て、“アイデンティティ”と“アイドル”で『ミスiD』という言葉にピンと来たんです」
――進むべき道が見つかった。
「私は元々48だったから、“アイドルとはこういうものじゃなきゃいけない”っていう固定観念があって。お料理タレントと言いながら、歌って踊ってはいないけど、48時代からのファンの方とバスツアーをやっていたり。“何を目指しているんだろう”という感じだったんです。だから『ミスiD』の募集告知を見たときに、このオーディションだったら、他の型にハマらずに、自分自身で戦っていけるんじゃないかと思って。事務所にも許可を取らずに応募しました」
――ミスiDはプロアマ不問で応募できますけど、完全に自分で応募を決めたと。
「ぶっちゃけ事務所の方も、知り合いの大人も、親戚も正直全員大反対でした。“ミスiDってガチだから、もしこれで落ちてしまったら『48を辞めてミスiDに落ちた人』っていうさらに悪い肩書きが付くよ”とも言われて。だけどそれを押し切って、一か八か、自分でエントリーシートを書いて応募しました。これで落ちてたら、多分芸能界を辞めていたと思います。そのぐらいの背水の陣の戦いでした」
――そんな戦いに自分が勝ち残るにはどうすべきだと思いました?
「自分のアイデンティティってなんだと考えたときに“男の人が好き”とか“モテるために生きてる”って公言して行動しているところかなと思って。そしてSNSが大好きで、それが武器だと思っているので、SNS上で自分をアピールしました。審査の会場はもちろんですけど、私はそれ以上にSNSでの発信を頑張りました。みんなを味方につけようと思って」
――SNS上はその頃、噂や執拗なバッシングの嵐だったのではないですか?
「そうですね〜(笑)。私が『ミスiD』を受けるってなったときに、『ミスiD』ファンの方は“元48って肩書きがあるんだから、『ミスiD』を受けなくたって仕事あるだろう?”って思われてて…実際は仕事無かったんですけど(笑)。48ファンの人は“『ミスiD』ってなんだよ!”って思っていて。それぞれ真反対みたいな感じで、どっちからもバッシングでした。私は『ミスiD』の良さも知って欲しかったし、私のやりたいことも知って欲しくて、会場で審査員に伝えるだけじゃなくてみんなに伝えたいと思ったから、SNSで発信を続けました。ツイキャスも週1とかでやって、自分をさらけ出して戦いましたね。これでまた一つ強くなったかなって思います」
――そうやって自分をさらけ出した結果、女性ファンが確実に増えていますよね。
「まさかですよね! “モテるために生きてる”とか言ってて、女性がついてきてくれるのか?って。でも逆に“そうやってハッキリ言って、モテるために努力しているゆうこすちゃんが好き”って言ってくれる女のコが増えて。最近はLINEブログのコメントの8割ぐらいが女性でビックリしてます。さっき言ったように背水の陣で、芸能界を辞める覚悟で戦っていたので、殻を作る必要性はない、ありのままの自分で戦うしかないって思っていたから、ありのままの自分を認めてもらえて嬉しいです。自分を出しちゃったら、ずっと素でいられるので、今は毎日が楽しいです」
――どんなところが女の子に共感されていると思いますか?
「私の言う“男の人が好き”って、何人とも付き合いまくりたいとか、男性をいつもはべらかしたいとか、そういうのじゃなくて。出会う男の人全員に“かわいい”って思ってもらいたいという、多分、世の女性全員が思っているようなことを、ストレートに言っているだけなんです。男の人を尊い存在だと思っていて、男の人がいてくれるおかげで、私はかわいいって言ってもらえるように頑張れる。だから“存在してくれてありがとうございます”って。ホントに(笑)」
――世の女の子の“原動力”を素直に表現しているからなんですね。SNSで自分の言葉を発信するときに考えていることはありますか?
「私の事務所は、割とやりたいようにやらせてくれていたので、普通のタレントはこんなこと書いちゃダメでしょっていうことも書こう、ぎりぎりのラインが面白いと思っていて。“私は芸能界にいたいわけじゃないんだよ”とか、本音で語りました。『ミスiD』って審査員が審査期間中ツイッターを見てくれるんです。だから審査員のことはめちゃめちゃ調べて、審査員の方がリツイートしたくなるようなことをツイートしました。誰宛とは書かないけど“この人が絶対に共感してくれる”ということをつぶやいて、それがリツイートされたら“ヨシ!!”って。特に吉田豪さんに“イイネ”されるのが嬉しかったなぁ」
――審査員も個性的な方々だから、小手先の技では見透かされますよね?
「だからめちゃめちゃ考えました。たしか“私の武器は、今まで生きてきた人生すべてです”って書いたと思うんですけど。普通の人は私の人生を見て、地獄を見ているし、絶対にこんな人生を生きたくないって思うと思うんですけど。今となってはここからがスタートで、これまでは序章で私の武器だと思っているから、私の人生を審査員に評価してもらえて、生き易くなった。『生き易い』っていう言葉、合ってるのかな? でも生き易いです」
――『ミスiD2016』の準グランプリに選ばれたときも「過去の記憶が無い」と言っていましたね。
「オーディションで戦った何ヵ月間かが、人生で一番楽しかった。一番キラキラしていたって断言できます。審査員からも“ミスiDのなかで、一番楽しんでこのオーディションを戦っていた子。こんなに辛い過去があったのに、楽しそうに戦えるってすごい”って評価されました。でも私は楽しすぎて過去のことなんかあんまり覚えてないっていうか、辛かったことは覚えていないです。好きなことを頑張るって楽しいですよね? 元々が『ギャンブラー体質』だから(笑)、生死を懸けた戦いが楽しかった」
――最終審査で審査員を前にして話したときは、どんな風に臨みました?
「『ミスiD』は最初っから審査員の名前が列挙されていて、かつみんな有名人。だからめちゃめちゃ一人ひとりを調べ上げました。最終審査は審査員が女性ブースと男性ブースに分かれているので、男性ブースに至っては“一人ひとりを恋に落としてやろう”って思ってました。カメラマンの青山裕企さんの写真集を全部見て“青山さんはこういう娘が好きなんだろうな”とか、吉田豪さんのツイートを全部見たり、一人ひとりへの対応を考えて。ぶっちゃけ私は女性と話すのが苦手だったので、女性ブースのほうは意識が飛んでるぐらいなんですけど(笑)。でも女性審査員の方も評価してくださったので嬉しいです」
――合格した今は、『ミスiD』の女の子たちと活動をともにすることも多いですが、“悔しい”と感じることも多いとか。
「モヤモヤしますねぇ(笑)。『ミスiD』って個性の塊だから魅力の塊で、一緒にいて尊敬する部分もあるけど、“すごいなあ”って嫉妬もするからモヤモヤして“うーっ!”てなります。でもそれが原動力になるし、会えば会うほど刺激をもらいます。特に2016グランプリの保紫萌香とか、私とは『真反対』な女の子だから刺激をもらいます。保紫は“モテのために生きてる”なんて絶対に言わない。ミスiDの全員が全員、360°違う方向に向かっているから、こんなオーディション無いですよね」
――『ミスiD』準グランプリという称号を得て、活動の幅が広がったのでは?
「賞を取ったからというよりも、『ミスiD』に参戦して、ありのままに自分の好きなことだけを発信しようとインスタグラムを始めて、“私はモテるためにこんなことを頑張ってます”って、美容やファッションについて発信しだしてから、グッと仕事が増えました。ありのままの菅本裕子を前面に出そうという気持ちで書いているので、もはや殻なんていらないです」
――今後の活動でやってみたいことは?
「元48というだけで、すごいヤツって思われがちなんですど、全然私個人はすごくなくて(笑)。歌もダンスも本格的に習ったことがないし、演技は経験すらないし、モデル活動もやったことがなくて。だから私がやりたいと思うお仕事は基本的に全部やっていこうと。今は未知数なんですよ。だから多方面に菅本裕子らしくやりたいです。なかでも美容とかファッション系は好きなことなので、どんどんやっていきたい。そしてもっとSNSに力を入れていこうと思っています」
――SNSは多方面に展開していますね。
「今、家に無駄に照明器具があります(笑)。今度YOUTUBEで『モテ動画』を配信する予定なんですけど、いざ動画を撮ろうと思ったときに、ちょっと照明がいるなあって思ってリングライトを買って。このレンズダメだなって新しいレンズも買ったし。最終的に家の壁紙も嫌だな、引っ越そう!ってなったんですよ(笑)。だんだんと家がスタジオ化してます。ネットフリックスとかも始まったし、今後、動画を自分で撮影・編集できるタレントって必要になってくると思うんです。今ファイナルカットプロを使って普通に編集してますよ。今機材を揃えるのにハマってるから、破産するかも! 今4Kが撮れるビデオカメラが欲しくて…社長、買ってください!(笑)。でも、自分で番組を作って自分で配信できるってすごいですよね。ちょっと勉強すれば出来るもん」
――これから『ミスiD』の応募や芸能界にチャレンジしようと思っている人にメッセージをいただけますか?
「今の時代はツイッターとかインスタグラムとか、事務所に入っていなくても、テレビや雑誌に出られなくても自分をアピールする場ってたくさんあるじゃないですか。しかもそれがバズることだってあるし。自分の指一つで自分を有名にできるという、すごくいい時代だなって思うんです。だから事務所や大人に頼るだけじゃなくて、自分の力でできるんだから、SNSを楽しんでほしいなって思います」
※現在『ミスiD2017』が参加者を募集中。応募要項は公式サイトおよびオーディション情報サイト『Deview/デビュー』に掲載中(下記リンク参照)。
■菅本裕子プロフィール
1994年5月20日生まれ、福岡県出身。2016年『ミスiD2016』初代準グランプリに選ばれる。5月20日には「菅本裕子バースデーナイト」(新宿ロフトプラスワン)が開催される。