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2016/04/26 16:58
演劇「ハイキュー!!」“頂の景色”東京公演がスタート 須賀健太「芝居での進化を見せ続けたい」
大人気バレーボール漫画を原作とした舞台、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“頂の景色”の東京公演が、25日に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕。初日公演直前に公開ゲネプロと囲み取材が行われ、座長を務める須賀健太をはじめとするキャスト陣が出席し、舞台への意気込みを語った。
同舞台の原作は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載中の古舘春一による人気マンガ『ハイキュー!!』。宮城県立烏野高校バレー部(排球部)を舞台に、体格には恵まれていないが、驚異的な瞬発力と機動力、そして持ち前の前向きな明るさが魅力の主人公・日向翔陽が個性豊かな仲間たちと一緒に成長していく姿を描く大人気バレーボール漫画。
2015年11月に東京・大阪・宮城で上演されたハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」初演は、全公演が完売。さらに大千秋楽には日本演劇史上初全国92館でライブビューイングが実施されるなど、大盛況のうちに幕を閉じ、今回“速攻”再演が決定。4月8日より大阪・シアターBRAVA!にて開幕し、このほど東京公演がスタートした。
初演同様、原作の魅力である人間ドラマを役者たちの熱い芝居で見せ、最新技術を駆使した演出は健在。ライブカメラの導入など、演出ギミックもパワーアップ。音、光、映像、役者の芝居などが見事に折り重なり、演劇「ハイキュー!!」の世界観を構築している。スローモーションやダンスなどを用いて、バレーボールの試合を表現するなど、生身の役者が目の前で繰り広げる試合シーンは迫力満点。個々のキャラクターの背景にある、挫折や葛藤、仲間との絆などの人間ドラマがより深く描かれていた。
囲み取材には、主人公・日向翔陽役の須賀をはじめ、影山飛雄役の木村達成、月島蛍役の小坂涼太郎、山口忠役の三浦海里、田中龍之介役の塩田康平、西谷夕役の橋本祥平、縁下力役の川原一馬、澤村大地役の秋沢健太朗、菅原孝支役の猪野広樹、東峰旭役の冨森ジャスティンという、烏野高校バレーボール部キャスト一同が出席。
主人公・日向を演じる須賀は「大阪12公演やらせていただいて来たんですが、毎公演たくさん感じることがある。僕達の流れみたいなものもしっかりあるので、気持ちを作ればあとは体が勝手に動いてくれるような、そんな素晴らしい魅力ある作品だなと大阪公演で改めて感じました」と大阪公演を振り返り、「さらに、その魅力をみつけていって、キャラクターを掘り下げて、東京公演も演じていきたい」と意気込みを語る。
天才セッター・影山を演じる木村は「再演は、初演よりもより深く個々のドラマ性が深く表現されている舞台だと思います。そういうところももっとお客様に感じてもらえたら」と語り、ミドルブロッカーの月島役・小坂も「再演という形にはなるんですけど、まったく新しいものを作っているという気持ちで、とても楽しく演じさせてもらってます」と再演に向けての想いを語る。リベロの西谷役の橋本は「大阪公演からいい形で東京公演にバトンをつなぐことができた。今日からの初日もバレーボールと同じように全員でつないで、とにかく楽しんでお芝居をしたいと思います」と力強く語たった。
烏野のバレー部主将・澤村として今作からの出演になる秋沢は「このメンバー、そしてスタッフのみなさんも新作の気持ちで挑んでいる舞台です。今は緊張しているんですが、本番でそれを力強いエネルギーに変えて、みなさまにお届けできたらと思います」と挨拶。烏野の絶対的エース・東峰役の冨森は「部活のような感じで、みんなでディスカッションして作ってきた作品。原作の魅力もさることながら、この舞台の最新技術と役者の力とが合わさってとてもいい舞台になっていると思います」と自信をのぞかせた。
前作に続き、演出を手掛けるウォーリー木下はキャスト陣の意気込みを受け「ジャスティンも言ってくれたように、演劇は総合芸術だと思います。音、光、映像、役者、全部が一つになって新しいものが作れたんじゃないかなと思う」と語り、「演劇ってどうしても垣根が高いですが、音楽のライブに行くような感じでぜひ観に来ていただけたらと思います」と呼びかけた。
また、本作の見どころについて聞かれると、「人力の熱さ」(川原)、「僕だけ限らず、個人のドラマの部分」(冨森)、「澤村大地とメンバーの関係性。前回とは全く違います」(秋沢)、「烏野(バレー部)が全員集まって復活するという話がメインなので、そこに注目してほしい」(猪野)、「影山のダークなところ。?王様”と呼ばれてきた影山がどう烏野に馴染んでいくか見て欲しい」と、それぞれ独特の表現で見どころをアピール。
また、橋本が「ずばりフライング(レシーブ)です。体を張ってます!」とアピールすると、チームメイトからは「(ユニホームが)ズタボロだもんね」「(努力の)結晶やな」と称賛の声があがる。烏野の切り込み隊長・田中を演じる塩田が「(演じる)田中としては、月島との関係性。初演とはまた違った関係性を深めて演じてます」と語ると、一方の小坂(月島役)も「相方の山口との関係性はもちろん、今回は特に田中との関係性を見て欲しい」と同調。しかし、塩田からは「(田中)先輩な!」と鋭いツッコミが入り、「田中先輩です(笑)」と慌てて言い直すなど、チームワークの良さをみせつけた。
月島の良き理解者・山口を演じる三浦は「烏野のメンバーはみんなバラバラで、一見、統率がとれていないように見えるけど、目標や好きなものが一緒というところの熱量、一体感に注目してほしい」とコメント。そんな三浦に対して、記者からキャラクターメイクの”そばかす”について質問が及ぶと、「初演からやってるんですが、今日はちょっと増やしました(笑)。基本的には決まってるんですけど、テンションもあったりで……」と告白。すると、すかさず須賀が「ダメだよ、そういうの!いいんですか、ウォーリーさん!!」とジョーク交じりに抗議すると、ウォーリー木下も「いいと思う。テンションによって変えていこう!」と賛成し、笑いを誘っていた。
須賀は見どころについて「役者としての見どころは、一番は演劇への挑戦」と語り、「原作の持つ力はもちろんですけど、3次元の僕達が生でやるというのが一番の魅力。スタッフのみなさんもそこに合わせてプロジェクション(映像)とかを作ってくださっているので、そこに負けない熱量の芝居を見て欲しい」と熱い想いを吐露。
そして最後に須賀は、本作の特徴として“進化”という言葉を掲げ「僕達役者の芝居に対する熱量みたいな進化があり、ウォーリーさんをはじめとしたスタッフさんは、映像などハイパープロジェクションな部分をどんどん進化させてくたさっている。もちろん、そこも見どころですし、僕達もそれに負けない様に、芝居での進化を東京の19公演で見せ続けていきたい」と宣言した。
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“頂の景色”は、5月8日(日)まで、東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演中。また5月8日(日)には、大千秋楽公演の全国93の映画館でのライブビューイングが決定している。
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会