大人気バレーボール漫画を原作とした舞台、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」が、14日に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕。初日公演直前に公開ゲネプロと囲み取材が行われ、主演を務める須賀健太らが出席し、舞台への意気込みを語った。

　同舞台の原作は、『週刊少年ジャンプ』（集英社）にて連載中の古館春一による人気マンガ『ハイキュー!!』。今回の物語は、宮城県立烏野高校バレー部（排球部）を舞台に、体格には恵まれていないが、驚異的な瞬発力と機動力、そして持ち前の前向きな明るさが魅力の主人公・日向翔陽が個性豊かな仲間たちと一緒に成長していく姿を描く。初の舞台化にあたり、原作の魅力である人間ドラマを役者たちの熱い演劇で見せ、バレーボールの描写は最新映像テクノロジーを駆使して表現している。

　演出を手がけたウォーリー木下は「役者たちが生でぶつかり合うような“ライブ”の舞台になっていると思います。それこそ、バレーボールの試合を観ているような感じや、『ハイキュー!!』を読んでいるような、手に汗握る舞台になるんじゃないかな」と作品をアピール。

　今回、オーディションを経て出演を掴んだキャスト陣。主人公・日向翔陽を演じる須賀健太は「オーディション受けたときは“絶対受かってやる！”って思っていたんですけど、いざ受かるとすごくプレッシャーが大きくなった。でも、みんなと稽古していく中でそれが少しずつ自信に変わっていった」と語り、天才セッター・影山飛雄を演じる木村達成も「原作を読んで影山飛雄を大好きになって、オーディションを受けたときから、“絶対、誰にもこの役をやらせたくない”という気持ちだった。受かった今は、舞台上で生きてやろうっていう気でいます」と自信をみなぎらせた。

　また、対戦校の青葉城西高校のチームの主将・及川徹役を演じる遊馬晃祐は、今作が俳優デビューということで、「初舞台なので、今すごく緊張しています。でも、及川徹は、強いチームのキャプテンなので、舞台上では堂々と立っていられるように頑張ります」と緊張の面持ちで意気込みを語り、「高校の3年間、バレー部だったので、その経験を活かして、及川のサーブやジャンプ力を観て欲しいです」とアピール。その及川の良き相棒で青葉城西のエース・岩泉一を演じる平田雄也は自身の演じる役柄について「すごく男らしくてカッコイイ、男の鏡みたいなキャラクターなので、心から尊敬して役に入ることができています」と語り、「熱い想いをすべてのお客さんに伝えられるように一丸となって頑張ります」と力強く語った。

　原作の大ファンで「毎週欠かさず読んでいる」と語る須賀は「原作の古館先生にファンレターを書こうと思って、下書きしたくらい原作が大好きなので、この作品に携わることができて、何よりも嬉しいし、日向翔陽という、自分が大好きなキャラクターを演じさせていただけることが誇りです」と喜びを語った。さらに「21年間生きてきて、一番動いてます！ 一番汗かいてやっています。僕たちが生でやることの意味を感じる舞台です」とアピールし、「原作には“頂の景色”というキーワードがあるんですが、2.5次元の“頂の景色”が見れるんじゃないかなと思っています」とコメント。

　また「中学の頃にバレーボール部に入っていた」と明かした須賀だったが、「実は幽霊部員で、ピンチのときにサーブを打つピンチサーバーだったんですけど、自分のチームが23点で相手チームが十何点のときに呼ばれて……。逆に、ピンチを呼ぶピンチサーバーだったという思い出があります」と告白し笑いを誘っていた。

　バレーボールを題材とした作品ということで、試合のシーンも見どころの一つ。キャスト陣は本稽古に入る前、5日間ほどバレーボールの稽古を実施したそうで、バレーボール経験者の遊馬が「みなさん吸収が早くて、（経験者の）僕も焦ってしまうくらい、いい稽古ができた」とバレーボールのスキルも上達しているという。また、木村は須賀に対して「演じる役と同じ様に、須賀くんは普通のスパイクよりもクイックの方がうまい」と明かすと、須賀も「ノーマルなスパイクの練習したときは全然かみ合わなかったのに、クイックをやってみたら、1発で決まって、気持ち良かった」と笑顔を見せる。すると、ウォーリー木下が「ぜひ、オリンピックのデモンストレーションとかで試合やってほしいくらい！」と絶賛。須賀も「じゃあ、五輪待ってます!!」と満面の笑みでアピール。

　最後に須賀が「これから全ステージ、全身全霊で向き合っていきたいと思います。とてもいいストーリーを持った大人気マンガを、魅力を損ねることなく、僕たちの力でまた新しい形の一つの演劇として作品にできるように頑張っていきたいと思います」と舞台に対する想いを語った。

　ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」は、東京公演：11月14日（土）〜23日（月・祝）AiiA 2.5 Theater Tokyoにて、大阪公演：11月27日（金）〜29日（日）シアターBRAVA！にて、宮城公演：12月5日（土）・6日（日）多賀城市民会館 大ホールにて、東京凱旋公演：12月10日（木）〜13日（日）AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演される。

（C）古舘春一／集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会