尚月地によるマンガ「艶漢（あでかん）」を原作とする、浪漫活劇譚『艶漢』が、30日に東京・シアターサンモールにて開幕。初日公演前には、公開ゲネプロが行われた。

　本作は、星燈国と呼ばれる架空の国内にある幻灯町という町を舞台に、中性的な見た目で男女ともに魅了してしまう美少年の傘職人・詩郎と、熱血正義漢（妹萌え）な巡査殿・光路郎が、街中で起こるエログロな猟奇事件の謎を追う物語。

　ユルイ着流しにノーフンがちな（フンドシをしない）詩郎役を、ミュージカル「ハートの国のアリス〜The Best Revival〜」でトゥイードル＝ダム役を演じた櫻井圭登（出演予定だった水澤賢人が体調不良のため降板）が務め、誠実で男気あふれる熱血巡査・光路郎には劇団おぼんろ主宰の末原拓馬、詩郎の兄・安里には、舞台『銀河英雄伝説』シリーズなどで活躍する三上俊、そして光路郎の妹・アグリ役にはドラマ『青春探偵ハルヤ〜大人の悪を許さない！〜』で連ドラデビューを果たした新人女優・小槙まこが出演。作・演出は演劇プロデュース・ユニット”空想組曲”のほさかようが担当。明治から昭和初期を醸し出す原作の雰囲気を、芝居はもちろん、舞台美術や衣装、演出などでみごとに再現している。

　着物もユルく着こなし、フンドシをつけずに、何かと脱ぐ癖のある詩郎のはだけるシーンや、兄・安里の露出度の高い独特な衣装、類まれなる身体能力と特殊武器を使用したバトルシーン、詩郎と光路郎の熱き友情、詩郎と安里の濃厚できわどい関係性やお色気シーンは舞台でも健在。猟奇的事件を解決していくミステリー要素を軸に、男たちの熱い友情や兄弟（妹）愛、愛ゆえの憎悪など、個性豊かなキャラクターたちの心情も丁寧に描かれている。

　妖艶な美少年だが、どこかに孤独や陰を感じさせる詩郎を櫻井が繊細に演じ、そんな詩郎を放っておけずに何かと面倒をみる光路郎を末原がまさに熱演。さらに、露出度の高い奇抜な衣装に身を包み、詩郎に罵倒されるのが大好きという強烈なキャラクターである安里を三上が見事に演じ切るなど、漫画から飛び出してきたかのような再現度の高さで、あっという間に『艶漢』の世界の中へ惹きこまれる。

　浪漫活劇譚『艶漢』は、3月30日（木）〜4月3日（日）東京・シアターサンモールにて上演。4月1日（金）の14時公演と19時公演の回が、それぞれニコニコ生放送で有料生配信されることが決定。

　なお、小槙まこが前回グランプリを受賞し、芸能界デビューのきっかけにもなった「ドリームプラス」の新人発掘オーディション『The DOOR to the GLORY！stage.2』が現在開催中。応募詳細は、オーディション情報サイト『Deview／デビュー』にて掲載。

■公演情報
浪漫活劇譚『艶漢』
3月30日（木）〜4月3日（日）シアターサンモール

【キャスト】
吉原詩郎 役／櫻井圭登
山田光路郎 役／末原拓馬（おぼんろ）
吉原安里 役／三上俊

六口 役／田上真里奈
橘伸三 役／林野健志

荒上三郎太 役／羽場涼介
山田アグリ 役／小槙まこ
早乙女水彦 役／堀越涼(花組芝居)

瓜生夏月 役／伊崎龍次郎
瓜生冬陽 役／倉貫匡弘(TRASHMASTERS)

小笠原竜哉／北村海／知念紗耶(G-Rockets)／倉知あゆか(G-Rockets)／加賀功平／古賀健斗

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