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2016/03/04 18:01
初主演に挑んだ橋本環奈「映画を心から好きになった」『セーラー服と機関銃-卒業-』いよいよ公開
1981年に薬師丸ひろ子主演で映画化され、一大ムーブメントを巻き起こした、赤川次郎の『セーラー服と機関銃』。35年の時を経て、その後日談にあたる『セーラー服と機関銃-卒業-』がついに公開となる。ヒロイン・星泉に抜擢されたのは、“千年に一人”と絶賛される橋本環奈。“天使すぎる”と形容される彼女が、スクリーンでは、目高組の四代目組長・星泉を堂々と演じきっている。女優として大きな一歩を歩み出した彼女に、公開直前の今の想いを語ってもらった。
今作で映画初主演となる橋本。オファーを受けた当時の心境を「角川映画40周年記念作品で、誰もが知っている『セーラー服と機関銃』という映画の主演をやらせていただけると聞いて本当に驚きました。それと同時に、角川映画40周年作品の1作目の主演は1人しかできないことなので、とても嬉しく思いました」と初主演への喜びがあった一方で、「プレッシャーや不安もありましたけど、製作発表会見の時に『プレッシャーを封印します』と宣言したんです。今、考えると、自分にそう言い聞かせていたというのが大きかったと思います」と正直な想いを告白。
さらに「それを申し上げたときには、まだ封印できていなかったのかなって思いますけど、やはり星泉は目高組組長として堂々としている役柄なので、緊張や不安は払しょくしないと、組長として成り立たないので強い想いを持って撮影に臨みました」と、星泉として生きる覚悟を決めたという。
撮影に入る前には、約2ヵ月間にわたり、監督らとしっかりとリハーサルを行い本番に挑んだ。「役作りという点では、リハーサルがすごく芯になっています。前田監督や共演者のみなさんと一緒にリハをやって、自分らしい星泉という人物像を作り上げていきました」とコメント。これまで、薬師丸ひろ子をはじめ、原田知世、長澤まさみと名だたる女優たちが演じてきた“星泉”については「強さがある一方で、誰に対してもすごく愛情があるし、大好きな伯父さんが遺してくれた大事な街を守りたいという正義感もあるし、すごく芯が強い子。そういう部分はすごく大事にしたいと思いました」という。
元組員の祐次(大野拓朗)や晴雄(宇野祥平)との息のあったコミカルなやりとりが印象的な「メダカカフェ」のシーンは、時間をかけてリハーサルを行った結果生まれたシーンだと明かす。「大野さんと宇野さんと一緒に、メダカカフェのシーンのリハをたくさんやりました。そのおかげで目高組としての絆が固まっていたからこそ、すんなり撮影に入れたのかなって。もし、撮影で初めて二人にお会いしていたら、あの日常的な雰囲気を出すことは難しかったと思います」と言うように、撮影までに作り上げた空気感がフィルムに収められている。
目高組と敵対する浜口組組長・浜口役の伊武雅刀や、堀内組の黒幕・安井役の安藤政信と対峙するシーンでは、ベテラン俳優に負けず劣らず、強い眼差しで堂々とした立ち居振る舞いを見せている橋本。伊武が演じる浜口とステーキハウスで対峙するシーンでは、「前田監督が伊武さんにこっそりと『思いっきりやってください!』って仰っていて、“あれ、私、聞こえてますけど?(笑)”っていう感じだったんですけど。相手は浜口組の組長だけど、星泉も目高組の組長。組を背負っているもの同士の対峙のシーンでもあるので“負けられない!”と思いました。伊武さんが全力で来てくださったからこそ、私も“それに負けないぞ!”って思いましたし、“それに勝るくらいの感じでいってやる!”という真っ直ぐな気持ちでぶつかっていきました」とコメント。
また、ナイトクラブに乗り込んだ泉が、安藤演じる安井を挑発しながら追い込んでいく場面では、白熱したシーンが繰り広げられ、迫力満点の芝居にスクリーンにくぎづけになる。「安藤さんがミラーボールを叩いたり、灰皿でボイスレコーダーを壊したりするお芝居は、全部アドリブなんです。ものすごい迫力で圧倒されました。でも、それを絶対に相手に見せないのが泉の意地だと思ったので、“動いちゃダメだ!驚いたら負けだ!”と思い強い気持ちで立ち向かっていきました。本気で泉を脅しにかかってきていただいたからこそ、泉も“負けない!”という気持ちが強くなった。そういう意味でリアルな映像が撮れたんじゃないかなと思います」。
今作で、女優として確実に大きな一歩を踏み出した彼女は、今回の経験を通じて女優としての欲も出てきたと話す。「1ヵ月の撮影は初めてのことも多く、本当にいろんなことがありましたが、また出たいなって欲が出てくるのは、映画を心から好きになったからだと思います。演じることって、明確に“これが正解です”って答えが出てくるわけじゃない。それを見つけ出していく過程も楽しいんですよね。そういう風に思えたのも、監督の演出や共演者の方々から声をかけていただいて、教えていただいたからこそだと思います。皆さんに支えられたことは感謝してもしきれません!」と語り、さらに「武田鉄矢さんが映画に初出演された際、高倉健さんからいろいろと教えていただいたそうで、“それを受け継ぎたい気持ちは大きいし、橋本環奈という一人の女優に対して、いろいろ教えてあげたり、楽しさをわかってほしかった”と仰ってくださって。“私はなんて幸せ者なんだ!”って思いました。たくさんの方々から身に余るお言葉をいただきましたし、その想い通り、映画がすごく好きになりました」と笑顔をみせる。
最後に、様々なジャンルで活躍している橋本のように“芸能界で輝きたい”と夢見る『Deview』読者に対して、“夢を叶えるために必要不可欠だと思うこと”を聞くと。「諦めないことだと思います。私と同世代の子たちの中には、進路とかも決まっていなくて悩んでいる方も多いと思うんです。夢を持っていること、それ自体がとても素敵なことだなって思いますし、諦めてしまってはそれで終わってしまう。私自身は、全力でやることをモットーにしています。中途半端にやると、あとで後悔したり、中途半端な結果しかついてこない。どんなに大変でも成し遂げた後の達成感って、全力でやったほうがあると思います。後から“これは別にやらなくても良かったかも”って思うことがあったとしても、それでもいいと思う。失敗することも大事だと思うので、何をやるにも全力で挑むことが大切だなと思っています」と熱い想いを語った。
■橋本環奈プロフィール
橋本環奈(はしもと・かんな)●1999年2月3日生まれ、福岡県出身。ディスカバリー・ネクスト所属。“千年に一人”“天使すぎる”と話題沸騰中のフレッシュスター。女優としても活動し、ドラマ『水球ヤンキース』(フジ系)や映画『暗殺教室』に出演。また、同今作では主題歌『セーラー服と機関銃』も担当し、同名シングルでソロデビューを果たした。
■映画『セーラー服と機関銃-卒業-』
3月5日(土)より全国ロードショー
原作:赤川次郎「セーラー服と機関銃・その後―卒業―」
監督:前田弘二 脚本:高田亮 出演:橋本環奈 長谷川博己 安藤政信 大野拓朗 宇野祥平 古舘寛治 鶴見辰吾
榎木孝明 伊武雅刀 武田鉄矢
主題歌:橋本環奈「セーラー服と機関銃」(YM3D/YOSHIMOTO R and C)
配給:KADOKAWA