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2015/09/17 13:34
第6回じゃんけん大会女王は藤田奈那! AKB48劇場公演を地道に守ってきた真面目メンバーに回ってきたチャンスの順番
AKB48グループ恒例のイベント『第6回AKB48グループ ソロシングル争奪じゃんけん大会in横浜アリーナ〜こんなところで、運なんか使っちゃうのかと思うかもしれないが、とりあえず、勝たなきゃしょうがないだろ?〜』が16日、横浜アリーナで開催された。108名のメンバーがトーナメント方式のじゃんけん勝負のみでソロデビューの座を争う同イベント。初優勝を飾ったのはAKB48チームKの藤田奈那(18)。AKB48劇場での連日の劇場公演を地道に守ってきた『ド』が付くほどの真面目メンバーに、ついに『チャンスの順番』が回ってきた。
今年の決勝は、過去の大会とは異質の空気が漂っていた。超選抜メンバーが次々と敗れ、決勝の舞台に上がったのは、藤田奈那と中西智代梨の二人。決勝に進むことが決定してから、藤田はイスを抱きかかえて地べたにへたり込んでしまう。これまでスポットが当たってこなかった圏外メンバーの藤田が感じている、「AKB48グループを背負うということへのプレッシャー」が横浜アリーナ全体に痛いほど伝わってくる。その胸中は中西も同じ。井上陽水のモノマネでおちゃらけて見せているものの、藤田によれば決勝の最中「終わりたい…終わりたい…」とつぶやいていたのが聞こえたという。
決勝のじゃんけん勝負は、互いに「グー」の手を変えられず、6回にも及ぶあいこが続く「こう着状態」に。「怖くて変えられない」という気持ちは、拳を突き合わせている二人だけが共有していた。「パーを出せば勝てる」のが分かっていても、自分がソロデビューするという未知の世界への恐怖がそれを押しとどめる。もしその場に立ったとしたら「相手がパーを出して終わってくれたらどんなに楽か」と考えてしまうかもしれない状況。しかし藤田は「ファンの方の声援やメンバーの応援が聞こえたし、ソロデビューなんてチャンスは2度と来ないかもしれない」と、ついに覚悟を決め、自らの手でチャンスを掴みに行った。藤田は会見で、7回目にパーを出す決意をするまでに「6回の時間が必要でした」と振り返っている。
優勝決定の瞬間に思わず出た言葉は「大変なことをしてしまいました」。優勝の恍惚と表裏の不安に涙を流しつつ「CD買ってください…」と言うのがやっと。しかしAKB48愛にあふれたメンバーに訪れたチャンスに、横浜アリーナに集ったファンは惜しみない祝福を贈った。声援を送り続けた同期の10期生がステージに呼び込まれ、普段クールな入山杏奈が号泣しているのを見た藤田は「珍しいね」と笑い泣き。自分のしでかしたことの大きさと、開けた未来の大きさを実感しながら、「私は本当にAKB48が大好き、その魅力を全力で必死に伝えていけるように頑張ります」と宣言した。
藤田は2010年3月『AKB48 第10期生 研究生オーディション』に合格してAKB48の研究生となった。正規メンバーへの昇格は同期より遅く、後輩にも先を越されるなど、不遇の時も経験したが、「努力は必ず報われる」という高橋みなみの言葉を胸に刻み、幼少から学んだバレエで培ったダンススキルを武器に、劇場公演を守り続けたという自負がある。バラエティ色の強いキャラクターが注目されがちなAKB48グループのなかで、ファンからも「もう少しふざけることを覚えたほうがいいんじゃない?」と言われるほどの真面目メンバーだ。
今回じゃんけん大会で着用した衣装は、今年出演した初の舞台『Live Airline』で着た役衣装。「初舞台の衣装で初優勝にかけてみようと思って」選んだのだという。今後の夢は舞台女優で、劇団四季出身の木村花代が憧れだ。2016年1月には次の舞台『罠』が決定しており、今回のソロデビューと併せて、藤田の知名度が上がっていくことが期待できそうだ。「このチャンスをムダにしないように、AKB48の中心となれるように知名度をあげて、AKB48のためになれる人になりたい」と語る、藤田奈那のソロデビューに注目したい。