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2014/11/11 13:51
ロックミュージカル『SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記-』が上演スタート
ロックミュージカル『SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記-』がKAAT神奈川芸術劇場にて開幕。初演前にゲネプロが公開され、演出家・上島雪夫の世界を歌で芝居で見事に表現したシリーズの集大成が完成した。
2010年、中世日本を舞台に繰り広げる鬼たちの哀しき運命と愛を描いた『King of the Blue』から始まり、よりスケールアップした第二弾、陰陽師・安倍泰親を主人公に据えた『陰陽師〜Light and Shadow〜』が翌2011年に上演。そして今回、オリエンタルロックミュージカルとしての人気を確立した本シリーズの集大成『SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記-』が開幕した。
人妖入り交じり、魔術が飛び交う強烈な世界観が上島雪夫演出のもと描かれるシリーズ最終章の本作は、戦国時代の戦禍が色濃く残る江戸時代初期が舞台。後の徳川三代目将軍となる竹千代は、自分の居場所を追い求め城を抜け出し猿若勘三郎率いる歌舞伎一座に加わることに。やがて竹千代は一座看板娘・衣笠丸と恋に落ちてしまう。そんな折、大地震により結界が破られ、封印より解き放たれた怨念の魔物・摩多羅神は、忍者の末裔・風魔を使い、戦乱や大地震で傷ついた人々の心に眠る怨念を焚き付け江戸の侵攻を開始する・・・。
主演・竹千代を演じるのは、『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』など数々の大型ミュージカルのメインキャストを務める俳優・泉見洋平。シリーズ3作すべての主演を担当した泉見は「『King of the Blue』、『陰陽師』、そして今回の『SONG OF SOULS』と、1つのオリエンタルミュージカルというジャンルを確立できたのかなという想いでいっぱいです」と最終章を迎えるにあたっての心境を語った。
泉見含め本作も芝居だけでなく歌の魅力を存分に発揮するキャストが抜擢。“摩多羅神”役にはアーティストとして、そして舞台俳優として活躍する貴水博之。竹千代の乳母・お福には元宝塚女優の紫吹淳、ほかにもアーティスト活動も展開する加藤和樹(天海)や元モーニング娘。の新垣里沙(衣笠丸)、Honey L Daysの東山光明(猿若勘三郎)らと錚々たるメンバーだ。
ロックミュージカルというだけあり、劇中にはさまざまな楽曲が起用され、役者同士の歌のバトルも見どころのひとつ。特に貴水演じる摩多羅神と真っ向から対決する天海(加藤和樹)の応酬は息を飲むほど。芝居の掛け合いとはまた違った、熱い戦いが繰り広げられる。
貴水は公開稽古後の囲み取材で「僕自身も気合いが入ってるところなんですが、他の出演者の皆さんも、歌に限らずセリフもいつもよりシャウト気味にやっているところが、ロックミュージカルにふさわしいテンションになっているんじゃないかなと。すごく刺激的な作品なので、楽しんでもらえると思います」とライブ前のような高揚感が伝わってきた。
宝塚で培った華やかで力強い歌唱力で魅せた紫吹は「やっぱりロックということで、普通のミュージカルとはちょっと違っています。日本の文化、歴史の部分に触れる、日本人ならではのミュージカル」と本作を説明し「上島ワールドがギューッとお腹いっぱいになるくらい盛りだくさんな内容です!」とアピールした。
メッセージ性が強く、奥深いストーリーを繊細に演じる実力派若手俳優にも注目。ミュージカル『黒執事』、ドラマ『ぶっせん』など話題作品に出演し、本作では風魔役で軽やかな殺陣を見せる佐々木喜英。そして「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一篇」、最近では『仮面ライダー鎧武』の仮面ライダーグリドン/城乃内秀保役をこなした松田凌の、どこにもぶつけることのできない、心の奥に秘めた恨みがふつふつと湧きあがる姿は胸を打つ。
演じた猿若座の座員・久之助について松田は「感情を大きく揺り動かす役になったんじゃないかなと思います」と語り、「ゲネプロを終えて、とにかく楽しかったです。こんなに豪華絢爛な舞台に立っているんだなと実感しました。東京・大阪の、2都市を回れるというのはものすごく贅沢なことなんじゃないかと。一つひとつ誠心誠意、流さずに演じさせていただきたいという気持ちになりました」とゲネを終えて改めて気を引き締めていた。
平和を求め、愛を叫ぶ、魂の歌声が響き渡る渾身の江戸歌劇『SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記-』は、東京公演をKAAT神奈川芸術劇場 ホールにて16日まで上演。大阪公演では11月23日、24日に梅田劇術劇場シアター・ドラマシティにて観られる。
なお、現在発売中の『デ☆ビュー』12月号では、松田凌1st写真集『ZERO』についてのインタビュー記事が掲載。俳優“松田凌”の軌跡が詰まった写真集への想いを語ってくれた。