ニュース
2014/10/15 16:41
木南晴夏&高畑充希の格闘シーンは必見! 舞台『奇跡の人』が上演スタート
家庭教師アニー・サリヴァンと三重苦の少女ヘレン・ケラーを題材にした舞台『奇跡の人』が9日より上演がスタート。初日前に舞台稽古が公開され、アニー役の木南晴夏、ヘレン役の高畑充希が舞台への意気込みを語った。
『奇跡の人』といえば、ウィリアム・ギブソンによって戯曲化されて以降、各国で翻訳、上演されてきた大ヒット作。日本でも1986年に舞台上演されてから再演を重ねてきた。そして今回、2014年読売演劇大賞・大賞最優秀演出家賞を受賞し、演劇界の新星として注目を浴びる森新太郎が演出を手掛ける新演出版として上演が決定。
一歳半のときに熱病がもとで聴力・視力を失い三重苦という閉ざされた世界の中を生きるがゆえ、家族に甘やかされワガママに育てられた少女ヘレン・ケラー。愛に恵まれない境遇を孤独に生き、偏屈で人間不信となってしまった20歳の家庭教師アニー・サリヴァン。生徒と先生という立場で出会ったふたりによる、生きるための闘いも見どころだが、そんなふたりを取り巻く家族にも焦点が当たる。それぞれが抱える葛藤、虚勢、苦悩・・・。永遠のスタンダードを新たに蘇らせる、森による奇跡の人を個性派女優の木南と高畑の若手ふたりが挑戦する。
初日を迎えるあたり木南は「昨日まで今日が初日っていう実感が沸かなくて、こんなにフワフワした感じでいいのかと思っていたんですけど、今日舞台上に立って初めて、空気感をビシバシ感じ、一気に緊張しています。ゲネで緊張しておけば初日は大丈夫かなと思いますので、初日からもっともっと頑張ろうと思っています」と熱を込める。
一方2009年に一度ヘレン役をこなした経験のある高畑は「5年って大きいなって思いました。私の中では5年前の記憶がいっぱい残っているんですが、5年で私自身が変わったこととか、舞台袖でセリフ聞いていても感じることが変わっていて。なので、ちゃんとしっかり5年生きてきたんだなと」と自分の成長を実感。「5年前は5年前で必死に作ってたんですけど、それをもう一回やろうって言ってもできないし、なので全部取り壊して、新しく建て直しました」と心機一転、“今”のヘレンを演じる。
そんな本作の見どころはやはりアニーとヘレンによる格闘シーン。全てが自分の思い通りにならないと気が済まないヘレンに、それを許さずヘレンに服従を迫るアニーとの壮絶な戦いはリアルそのもの。
演出家からも「“見せる格闘”というよりは、“本当に戦ってください”的な感じで言われているので、本当に戦ってます!(高畑)」と気合十分。実際稽古でも「お互いアザだらけだと思うんですけど、芝居をしている間は(集中しているので)気づかなくて。なので、気づいたらアザだらけっていう。でも最近は自然治癒力が高まってきたみたいで、治るのが早くなってきた気がする(高畑)」、「アザも少なくなってきたかもしれない。最初は本当にビックリするくらいの数ができてたと思うんですけど、だんだん自分で守れるようになってきたのか。でも、裏に入った瞬間200m走を全力疾走したくらい息が上がっていて汗も・・・。すごいビックリします(木南)」と、女優魂が垣間見えた。
そんなふたりは、今回初共演。互いの印象について「楽です。私はお家みたいな感じ(高畑)」、「充希ちゃんが人見知りをせずにどんどん入っていって、ヘレンのようにみんなに愛されているキャラクターなので、私も気遣いとかまったくせずにすんなり入っていけたので、印象はいいです(木南)」、「(印象)いいって。良かった(笑)(高畑)」と格闘シーンとは真逆に現場は和気あいあい。
高畑が「格闘シーンも意外と安全に激しく見えるように作られていて、大きいケガもなくみんな無傷で頑張っています」と語るように、千秋楽まで無事に走り抜けるよう余念なく初日を迎えた今回。木南は「アリー・サリヴァンをやらせていただくのは本当に光栄なことなので、それをしっかり受け止めて皆さんにお見せできたらなと」と、改めて気を引き締めていた。
舞台『奇跡の人』は10月19日(日)まで天王洲 銀河劇場にて上演。また、10月21日(火)は梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでの上演も決定している。