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2018/03/09 18:16
鈴木ふみ奈、本格舞台『義経ギャラクシー』出演中「見たことない鈴木と、求められている鈴木の両方が観られます」
タレントの鈴木ふみ奈が、北とぴあ つつじホールで上演中のX-QUEST春公演『義経ギャラクシー 銀河鉄道と五条大橋の999』に客演(11日まで)。源義経、宮沢賢治、銀河鉄道999など様々な要素をマッシュアップし、緻密で大胆な脚本と殺陣やダンスを織り込んだ派手な演出で贈る超時空歴史ロマン。そんな作品のなかで、ひと際異彩を放つ鈴木に、劇場で話を聞いた。
『義経ギャラクシー』は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』、日本人が愛してやまない源義経の英雄譚と悲劇をモチーフに、賢治と源義経ゆかりの地・岩手県を舞台に繰り広げられる歴史ロマン。絢爛な衣装、迫力の殺陣、派手なダンス、ギャグとパロディ、そして壮大なハードSFまであらゆる要素を織り混ぜ、独自の解釈で“源平合戦”を紐解く。
鈴木は主に巴御前役を演じるが、随所に様々な役柄と衣装で登場。身長167cm、バスト96cm、W62cm、H93cmの圧倒的なスタイルを武器に、時には大胆な露出も厭わず、場の空気を変え、笑いを生み出すコメディリリーフを演じ切っている。さらにX-QUESTの舞台に続投して磨いた殺陣や、シリアスで悲痛な絶叫芝居も見せつけ、目をくぎ付けにする。
X-QUEST主宰のトクナガヒデカツが脚本・演出を手掛けた『悪ノ娘』にも出演していた鈴木。「『悪ノ娘』で、義経役の大野清志さん、弁慶役の高田淳さん、脚本・演出のトクナガヒデカツさんと共演させていただいていたので、安心感が全然違います。その先輩方に囲まれて演技をさせていただけて、“どんなに不安なことがあっても、助けるよ”って言ってくださるので、伸び伸びと思い切ってできるのが、ありがたい環境だなあって思います」と絶対の信頼を置く。そして「稽古場から帰るときまで、適度なアドバイスをくれるんです。“全部言っちゃうと自分のためにならないから、そこからは自分で考えな”って。本当に素晴らしい先輩方です」と語る。
今回は様々な役、衣装で登場と八面六臂の活躍を見せる鈴木。ネタバレになるので、詳しくは説明できないが、ここぞというところで自慢のボディを披露する“サービスシーン”もお楽しみだ。「ご覧いただく皆さんにはシークレットな部分で、美味しいシーンをいただき、自分の武器も使うことができて、いい役だなあって思いました。以前、『熱いぞ!!猫ケ谷』で水着姿で舞台に立ったんですが、キャストは女の子ばかりだったので。今回、男の人がほとんどの中で露出するのは抵抗があったんですが、だんだん快感になりつつあって(笑)。意外と悪くないなあって」。
鈴木らキャストが纏う絢爛な衣装も見どころ。「くびれの部分が締まって、女性らしいシルエットがわかる衣装で、鎖骨のラインが出ているところや、可愛らしい配色も気に入ってます。スタリストさんが本物の着物の生地をリメイクしたりして、ピッタリ私のサイズに合わせて作っていただいています! 殺陣の時にふわ〜っと舞う布の感じも素敵。そのほかでも、“爆発的な衣装”を着ていますので楽しみにしてください」。
鈴木の登場シーンのひとつに、赤ジャージを着ている場面があるが、これは分かる人には分かる、つかこうへいの有名作品のパロディ。しかし…。「私、本当に恥ずかしいんですけど、あまりつかこうへいさんのことを知らなくて…。最初に台本を読んだとき、その場面はヤンキーキャラだったので、『あんた、つかこうへい知らないの?』っていうセリフを、『つーか(というか)、こうへい知らないの?』っていうセリフだと思ったんですよ(笑)。周りの人に大爆笑されて。ちゃんと演劇を勉強しないといけないなって思いました。つかさん、ごめんなさい」と恐縮。
一方で、殺陣のシーンは前回『悪ノ娘』で見せたもの以上に派手で複雑なものだが、「演出のトクナガさんも殺陣ができる方ですし、X-QUESTの劇団員皆さんできるので。休み時間には皆さんが教えてくれる環境にあったので、学びが多い稽古場でしたね」とさらに磨き上げて手ごたえをつかんだよう。「トクさんが“刀を振るときは、腰を先に入れてから手がついてくるようにしたほうがいい”ってコツを教えてくださって。“最初はヘンでもいいから、大げさにやってくれ”って言われたので、実践していたら、『めっちゃエロいお姉さん』みたいになって(笑)。私は本気でやってたんですけど、周りの人がまじめにやってるのに口角が上がっていて。“なんでかな?”って思って鏡を見たら、エロいお姉さんになってる!って」と、稽古の様子を明かしてくれた。
『エロいお姉さん』と言えば、色っぽいせりふ回しのコミカルなシーンもあるが「実は苦戦していたんですよ」と鈴木。「“どうやったらエロくセリフが言えますか?”って、それこそ撮影現場で、やなパイ(柳瀬早紀)とかじゅんちゃん(天木じゅん)とか、さやぼー(片岡沙耶)とか、わっち(和地つかさ)に相談して。わっちは思った以上に振り切り過ぎちゃって、それはさすがに真似できなかったんですけど(笑)。わっちやさやぼーは舞台経験も豊富なので、グラビア仲間に相談できるのも心強いなあって。エロさはグラビア仲間に教えてもらって、殺陣やお芝居はX-QUESTの皆さんに教えてもらえて、最強ですね!」と笑顔を見せる。
様々な要素が詰め込まれ、様々な角度からの見どころも多い本作。鈴木は「脚本・演出のトクナガさんが、いろんな人の琴線に触れるようなワードをたくさん織り込んでらっしゃるので、幅広い年齢の方に楽しんでもらえる作品になっているんじゃないかと思います。シーンの切り替えが速いのも、他では味わえない持ち味です」とアピール。そして自身の見どころについては「見たことない鈴木と、求められている鈴木の両方が観られると思います」と胸を張った。
ステージで映える立ち姿や、抜群のボディのインパクトを存分に活かしていた鈴木には、今後も舞台などでの女優の仕事も期待される。「そう言っていただけるのはすごく嬉しいです! 私はまだまだ、先輩方に囲まれて“一生懸命やってますっ”というところなので、自分の持っているものを舞台で武器にできるように頑張ります!」と、謙虚な姿勢。そして、「演技はまだまだヘタなんですけど、舞台を経験させてもらって新しいものを吸収するたびに、もっとたくさんいろんなことを知りたいと思えるので、これからも女優は続けていきたいなって思います」と意気込みを語った。
X-QUEST春公演『義経ギャラクシー 銀河鉄道と五条大橋の999』は、北とぴあ つつじホールにて11日まで上演。