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2014/06/03 16:41
アップアップガールズ(仮)、挫折からついにたどり着いた中野サンプラザ。「一回“負け”を経験している私たちだからこそ伝えられる何かがある」
7人組アイドルグループ・アップアップガールズ(仮)が、1日、東京・中野サンプラザでの単独公演を開催した。3年半前、ハロー!プロジェクトの研修過程「ハロプロエッグ」を不本意な形で修了。その“負け”から一歩ずつ這い上がってきた7人のメンバーたちにとって、中野サンプラザは特別な意味を持つステージだった。ライブの最後には、メンバーが「次は絶対武道館でやります!」と大きな目標を語った。
ハロプロエッグ時代、ハロプロの先輩のコンサートで定期的に出演していた、思い出深い中野サンプラザ。3年前、アップアップガールズ(仮)として、再びスタートした彼女たちにとって、ここに戻ってくることは大きな目標だった。
そして、ついにたどり着いたサンプラザ。『アップアップガールズ(仮)1st全国ツアー アプガ第二章(仮) 進軍〜中野サンプラザ 超決戦〜』。彼女たちの今の率直な思いを告げるVTRのあと、この日のテーマソングとも言える最新シングル『(仮)は返すぜ☆be your soul』からスタート、続いてライブでの定番スタートダッシュ曲『イチバンガールズ!』とたたみかけた。
メンバーたちは冒頭から早くも昂揚感いっぱい。仙石みなみ(23)は「いよいよ中野サンプラザ決戦、来ました! この満員のみなさんと大暴れしたいと思いますので、ついてきてください!」と高らかに叫んだ。序盤は『バレバレI LOVE YOU』など甘めの曲中心で、彼女たちの可愛らしい面をたっぷりと魅せた。
アップアップガールズ(仮)は、デビュー当時は、立派な衣装が作れず、“仮T”と呼ばれる、(仮)と大きくプリントされたメンバーカラーのTシャツを衣装として毎公演着用、またセットもほとんどなかった。その時代から約2年を経て、この日の公演では、華やかな新衣装に、立派なセット、レーザー光線を用いた派手なステージ演出など、デビュー当時の彼女たちからは考えられない豪華なものになった。
後半は「攻め攻めのセットリストで力の限り突っ走っていきます!」と佐藤綾乃(19)が宣言した通り、『チョッパー☆チョッパー』『アッパーカット!』など、ライブでおなじみの盛り上がりナンバーで突っ走った。そして『Party!Party!』で本編が終了すると、アンコールの合唱とともに観客席は白いサイリウムの海に。このファンによる白サイリウムのセレモニーは、メンバーたちがハロプロエッグとして最後に出演した横浜BLITZでの公演を再現したもの。その声に応え、登場した7人は一様に感激の表情を浮かべた。
アンコールの前には、彼女らの公演ではおなじみのサプライズ発表が。「富士山頂でのミニライブ開催!」「昨年末に行った2時間休憩なしのノンストップライブを東名阪で開催!」「ロックバンドとの対バン公演決定!」と、今回もメンバー、ファンをあっと驚かせる発表が立て続けにスクリーンに映し出され、その都度メンバーたちは驚きの叫びを上げた。
そしてクライマックスはメンバー一人ひとりが、今の思いと感謝を込めた挨拶。「私、中野サンプラザに立ってる!」と感激の声を上げたのは古川小夏(21)。「中野サンプラザのステージに初めて立ったのは小学校6年生の時で、バックダンサーとして毎年お正月と夏に立たせていただいていて、このステージから見る景色とか、会場の空気とか、みんなで盛り上がるのが本当に好きで、ずっとここに立ち続けていたいと思ったんですよ。でも、4年前、ハロプロエッグをやめなければいけなくなって、すごく悔しくて……。好きだったこの会場を去らなければならない日はすごく寂しくて、帰りの車の中で、中野サンプラザを見つめながら、ずっと泣いていました。あの時はほんとにやりきれない気持ちでいっぱいだったけど、今こうしてたくさんのことを経験できるチャンスだったのかなと思えるし、それを経験して走ってきたからこそ、今のこの景色をみられているのかなと思います」と感激の思いを伝えた。
この3日間、サンプラザ公演の夢ばかり見て、当日リハーサルをしていても実感が湧かなかったと話すのは佐藤綾乃。「ハロプロエッグ」の6期生として加入した佐藤は、アプガの中ではキャリア的には後輩の立場(他の6人は1期生)ということもあり、遠慮がちだった。最初は「人と話すことが苦手だったんですよ」という。「でも、たくさんのみなさんんと会って、ステージからの私の声に応えてくださったりすると『人間大好きだな』って! もっとこれからもたくさんの人と私は出会っていきたいなと思います」と元気に語った。
「やっぱりアプガのライブは最高ですね!」と声を上げたのは関根 梓。「アプガはホールでも、神社でも、どこへ行ったって、ライブ会場にしてみせます! でもね、そのためにはもっともっとみなさんの力が必要! これからも私たちの前にはきれいな道じゃなくて、ごろごろ石が転がっている道が待っていると思うんですけど、みんながついてきてくれたら、無限の世界に行けると思うので、この7人侍の応援をお願いします!」
「私たちは一度負けを見たから、もう負けたくない」と話すのはメンバー最年長の仙石みなみ。「最初は(仮)Tシャツを色が褪せるまで着続けたりとか、自分たちのオリジナル曲がなくてハロプロの先輩の曲をやったり、お客さんが50人だけだったりで、この7人が中野サンプラザに来れるなんてほんとに思ってなかったんですけど、活動をしていくにつれてどんどんサンプラザが見えてきて、目標にできて、そして今日叶えることができて、本当に嬉しく思います! 自分たちの想像できない場所にも、みんなで力を合わせて頑張れば叶えられるんだなということを実感できたので、これからもまだまだ想像を超える場所にみなさんと行きたいと思います!」と元気に語った。
最年少メンバーの新井愛瞳(16)は「ハロプロエッグの頃から体力がなくて……」というのが悩みだったという。「アプガの初めての単独ライブの時に5曲連続とかやって、酸欠状態になって自分の体力のなさにほんとに悔しくて……」。克服するために始めたマラソンや筋トレも全然続かなかったそうだが、メンバーでジム通いをするようになって、腹筋を軽々10回20回やる他のメンバーに刺激を受けた。そして「腹筋最高120回できるようになりました! また私は、昔は(必死すぎて)ずっと真顔でライブに出ていたんですけど、今ではライブを体の奥底から楽しんで、終始笑顔でいることができるようになりました! みなさんの笑顔が見たいから、体を鍛えられたり、ステージに笑顔で立つことができます! 次は“大きな玉ねぎの下”に立てるように頑張りたいと思います!」と、7人の中で初めて次の大きな目標を口にした。
森 咲樹(20)は「初めてサンプラザに立った小学校6年生の時」の思い出を語り始めた。「ハロプロのコンサートでバックダンサーをやっていたんですけど、まだ名前を知られていないのに、前のほうの席の人で、森 咲樹の似顔絵を掲げていてくれてたんですよ。すごくうれしくて、その時に、いつかね、一枚の似顔絵がこの会場いっぱいになればいいのになと思ったんです。10年かかりましたけど、2014年6月1日、みんなが(自分たちのために)白いサイリウムを振ってくれている。ほんとに感謝感謝です! くじけそうになった時に、お父さんに『咲樹のことを一人でも応援してくれる人がいたら頑張りなよ』と言われて、その言葉を信じてやってきて、こうして今日みなさんの前に立てることがほんとにうれしいです。大変だと思うこともいっぱいあって、普通に大学生活をして就職して……そういう人生もいいのかなと思ったこともありました。でもハロプロの先輩の武道館公演などを観て、『私たち7人もここに立ちたい、というか、ここに立たなきゃ!』と思ったんですよ。だから頑張らなければ、支えてくれるみなさんともっともっとたくさんの景色を観たいから私はこれからも夢を追いかけます」
7人の中では最後に加入した佐保明梨(18)。「結成したばかりの頃はお客さんも少なくて、『中野サンプラザでやりたいです』なんて口にもできない状態でした。ハロプロエッグをやめることになってから……(涙でつまる)。どんどん夢から遠ざかっていってるんじゃないかと思うこともあったんですけど、そんなこと思ってた自分ってバカだったなと今日のステージで思いました。こんなにたくさんの方が私たちのために集まってくださって、スタッフさんが私たちのためにセットを用意してくださったり、キラキラの衣装を作ってくださったり、頑張ってきてよかったなと思います。去年横浜BLITZの公演をやったときに『次は中野サンプラザでやりたいね』と言ったんですよ。そのときはじめて中野サンプラザを目標にできて、みなさんがいたからもっと上に行きたいと思うことができた。今目標を達成することができて、今新しい目標を言いたいなと思います。次は絶対武道館でやります! 一回、“負け”を経験している私たちだからこそ、みなさんに伝えられる何かがあると思いますので、これからも突っ走っていきたいと思います!」と力強く語った。
そしてファンへ感謝の思いを込めて、新曲『このメロディを君と』、ラストは『サマービーム!』でアプガらしく、にぎやかに締めた。
なおアップアップガールズ(仮)のニューシングル『全力!Pump Up!!/このメロディを君と』が7月1日に発売。また、この日発表された『アップアップガールズ(仮) ライブハウスツアー2014 ハイスパートキングダム』は11/30東京、12/27大阪、12/28名古屋で開催。『アップアップガールズ(仮) 対バンROCKS(仮)〜東京決戦 3DAYS』は9/9〜9/11、東京・渋谷 CLUB QUATROで開催される。