愛媛のアイドルグループ・ひめキュンフルーツ缶と名古屋発のアイドルグループ・しず風＆絆〜KIZUNA〜が25日、２マンライブ『大江戸アイドロール！弐の二』(Shibuya O-WEST)で共演した。両グループとも本格的なロックバンドをバックに従え、熱すぎる「対バン」を繰り広げた。

　『大江戸アイドロール！』は、ひめきゅんフルーツ缶が東京で開催する２マンによる定期公演シリーズ。前回は84年結成のパンクロックバンド「ニューロティカ」と共演を果たし、さらにロック色を強めているひめキュン。今回対バン相手に選んだのは、同時代を走る同世代のライバルとして、「アイドルとロックの融合」＝「I ROOK」を掲げて活動する「しず風＆絆〜KIZUNA〜」だ。ステージにはドラムセットが組まれ、本気でロックする両アイドルの激突ムードに、会場の気温は早くも上昇。

　先攻をとったのは「しず風＆絆〜KIZUNA〜」。静寂の中、正道会館東京本部師範代・子安慎悟ら空手家による本格的な演武に続き、道着をまとったメンバーによる型と試し割りが披露されるという一種異様なオープニング。その張りつめた空気をぶち破って、突っ込んだビートの「パンチドランカー」でライブが幕を開けた。「みんなで遊ぶ」がテーマの「しず風＆絆〜KIZUNA〜」のライブでは、演者とファン、スタッフの垣根は存在せず、すべてを一つに巻き込んで行く。

　生バンドでさらにアグレッシブになったシングル曲「チェッカーフラッグをとめろ」「PINKのロケット☆彡」、新曲「つくしん暴」に続いて、「哀戦士」「キスしてほしい」「GET THE GROLY」「歩いて行こう」「ぞうきん」「ロックンロール・アイドル」「リンダリンダ」とノンストップでつなぐ「I ROCKメドレー」では、ダイブ、客上歩行、全員が肩を組んでのヘッドバンギングと大盤振る舞いで、ラストまで一気に駆け抜けた。

　迎え撃つのはひめキュンフルーツ缶。客電が消えると、8thシングル「バズワード」のPVがスクリーンに映し出され、期待感を煽る。オーバーチュアにバンドの音が重なって行き、ズシズシ重く響くビートが強調された「恋の微熱」で、ファンのテンションは一気に急上昇。バンドの音に高まっているのはメンバーも同じで、「まだまだ盛り上がって行けますかー！」と、メンバー・まいの煽りも気合十分。シングル曲「恋が止まらない」などのキュートな楽曲たちも、よりハードな汗だくの全力パフォーマンスで聴かせた。

　アンコールに応えて登場したひめキュンは、「キラーチューン」「例えばのモンスター」そして新曲「バズワード」まで、大きく舵を切った最近作のロックチューン３連発で締めた。すべて終わったかに見えたところで、「まだ終わりませーん！」とまい。「せっかく対バンということなのでー、一緒に歌っちゃいたいと思いまーす!!」としず風＆絆〜KIZUNA〜をステージへと呼び込む。冒頭の演武で心残りだったという「美海の板割り」が見事成功したところで、両グループがコラボで披露したのは、パンクバンド・ガーリックボーイズの「あんた飛ばしすぎ」。全メンバー入り乱れ絶叫するラストナンバーは、全員が手をつないでのジャンプで大団円を迎えた。

　これからもしのぎを削りながら高めあっていく両グループの未来に期待が高まる一夜だった。27日には、ひめキュンフルーツ缶が8thシングル「バズワード」を、しず風＆絆〜KIZUNA〜が「つくしんぼう」と「つくしん暴」を２作同時発売する。なお、しず風＆絆〜KIZUNA〜のメンバーが、4月1日発売のオーディション情報誌『月刊デ☆ビュー』にインタビューで登場。所属事務所のオーディション情報も掲載される。