舞台版ドラえもん「のび太とアニマル惑星 (プラネット) 」が26日に、東京・サンシャイン劇場にて開幕。初日公演に先駆けてプレスコールが行われ、のび太役の小越勇輝、しずかちゃん役の樋口日奈(乃木坂46)、ジャイアン役の皇希、スネ夫役の陳内将、チッポ役の佃井皆美、脚本・演出の鴻上尚史が囲み取材に出席した。

　同舞台の原作は「大長編ドラえもん のび太とアニマル惑星(プラネット)」(1989年 月刊コロコロコミック掲載)。ドラえもん大長編シリーズのなかでも、環境問題をクローズアップするなど、大人もハッとさせられる心に響く強いメッセージが込められたストーリーが見どころの本作。鴻上尚史［脚本・演出］で2008年に上演され、今回が9年ぶりの再演となる。

　のび太を演じる小越は「稽古では稽古着でやっていましたが、劇場に入って衣装を身につけてメイクして、照明や音響などいろんなものに助けられて、よりキャラクターが濃くなっていくのを感じます」と語り、「どういう風に受け入れてもらえるんだろうという、ドキドキワクワクしています」と本番前の心境を吐露。しずかちゃん役の樋口も「すごくワクワクしていますし、周りを見渡してもみんなドラえもんの世界になっていて、本当にドキドキしかない。お客さんにもドラえもんの世界を一緒に楽しんでもらえたらいいなと思います」と笑顔を見せる。

　さらに樋口は「子供が見ても大人が見ても、今の時代に大事なメッセージがたくさん込められている作品です。それと、ドラえもんの道具もたくさん出てきますが、舞台でどうやって表現しているのかというところにも注目していただけたら。夢がいっぱい詰まったシーンもたくさんあるので、みなさんに見てほしいです」とコメント。ジャイアン役の皇希は「衣装を着て一番テンション上がっているのは、僕たちだと思う」と興奮気味に話し、「稽古場で鴻上さんのもと積み上げてきたものを全部届けられたら。精一杯、のび太をいじめたいと思います（笑）」と意気込む。

　先日、稽古場での公開稽古の際、”特徴的な髪型をどう表現するのか”が話題になっていたスネ夫役の陳内は「みなさん、お待たせいたしました！ これが舞台版のスネ夫の髪型です」と、正面・横向き・後姿と向きを変えてスネ夫ヘアーを報道陣にアピール。「ヘアメイクさんが素晴らしい髪形を作ってくれました。お客様も見た目からはすんなりとスネ夫ワールド…イヤ、ドラえもんワールド入ってくださるかと思います（笑）」と語り、笑いを誘う。

　そして「劇場入りして、裏で早替えを頑張っている役者さんやスタッフさんたちの様々な技を目の当たりにして、改めて“演劇ってすごい!”と思いました。といっても、お客様に届けられるのは、開場中のパフォーマンスからカーテンコールまで、お客様に見えるものが全てです。僕にできることは、作り上げてきたものを板の上で全力で出すのみです！」と力強く語った。

　アニマル惑星の住人・チッポを演じる佃井は「アニマル惑星のみんなが本当にすごい。たくさんの動物たちが出てくるので、その見た目だけでも楽しんでいただけるんじゃないかなと思います！」とコメント。また好きなシーンについて「終盤にみんなで歌うM5『美しい星』が大好きなので、お客様に何か届けばいいなという想いでやらせていただいてます」と告白。皇希も「M5『美しい星』が始まる前のチッポとのび太の会話のシーンが好き」と語り、「チッポはずっと『のび太君』と呼んでいるのですが、そのシーンで急に呼び方が「のび太さん」に変わるんです。そこにこの作品の深さやキャラクターの成長をすごく感じました」と明かす。

　そんなキャストたちについて鴻上は「みんな真面目。若いけどキャリアがあるので、すごく真面目に取り組んで役作りをしてくれたので、とても幸福だし、早くお客さんに見せたい」と語り、「“ドラえもんの舞台化…？”と思われるかもしれませんが、しっかりとドラマがあって物語を楽しんでいただける作品です。観に来た人たちが幸せになって帰ってもらえる作品だと思います」と胸を張った。

　また、小越は本作について「のび太たちがチッポやアニマル惑星の人たちに出会って、成長する物語でもあります。幸せなことにたくさん公演ができるので、1公演1公演しっかり届けて、満足せずに最後まで何かを求め続けながら、お客さんと一緒にドラえもんの世界を作り上げていけたらと思います」と決意を新たにし、「楽しみにしていてください！」と笑顔で呼びかけた。

　舞台版ドラえもん「のび太とアニマル惑星 (プラネット) 」は、3月26日（日）〜4月2日（日）までサンシャイン劇場にて上演。その後、福岡、愛知、宮城、大阪で上演される。