ヤバイTシャツ屋さん

　アーティスト編第1位に選ばれたのは【ヤバイTシャツ屋さん】。ボーカル・ギターの「こやまたくや」、ボーカル・ベースの「しばたありぼぼ」、ドラムス・コーラスの「もりもりもと」によるスリーピースロックバンドで、略称は「ヤバT」。関西を拠点に活動しながら、大型ロックフェスでも頭角を現し、関西圏最大級の音楽コンテスト「eo Music Try 2015」でグランプリを獲得、2017年にメジャーデビューを果たす。人を食ったようなバンド名ではあるものの、「歌詞など変わっていて バンドの中でもスタイルが異色?！」（福岡／40代／女性）「いよいよ作品の絶妙なセンスの良さが世間に伝わると思う」（北海道／30代／女性）と、多彩な音楽性とポップセンス、時事ネタや時代のカルチャー、日常の光景を巧みに織り込んだ独特の歌詞で多くのリスナーを魅了している。

　すでに10代、20代の間では知られた存在ではあったが「16年、17年も勢いは変わらなかったけど、今年はNHKとのコラボもあって、もっといろんな人に知ってもらえてはまる人も出てくると思う」（福岡／10代／女性）とコメントにあるように、NHKとのコラボキャンペーン「ヤバT×NHK〜公共放送のこと、知ってほしい〜」は広い世代にアピールしたようだ。NHKの特設ホームページやTVCMでは「案外わるないNHK」というオリジナル曲も公開。このままの勢いが続けば、2018年度末には『紅白出場』の可能性もあり得る?

ぼくのりりっくのぼうよみ

　2位は【ぼくのりりっくのぼうよみ】。早くから動画サイトへの作品の投稿を始め、高校2年生の時に、10代の音楽フェス「閃光ライオット」のファイナリストに選出される。同イベントと連携した10代向けFM番組『SCHOOL OF LOCK!』（TOKYO FMほか）のリスナーの支持を集め、高校3年生にして1stアルバム『hollow world』でメジャー・デビューを果たす。言葉を自由に操る文学的な歌詞で、『早熟の天才』と評される彼。「軽やかな歌声が耳に心地よく、聞く人の琴線に触れると思うから」（岐阜／30代／男性）「歌詞の独特な世界観と、印象的なメロディーが頭に残るため」（東京／30代／女性）「いろいろと新しい取り組みをやっているので、新時代のアーティストという感じがする」（千葉／30代／男性）とリスナーの評価も高い。業界人やタレントにもファンが多く「香取慎吾さんが好きと言っていたから」（神奈川／30代／女性）と、その影響が広がっている。

　また近年、映画『3月のライオン』前編主題歌、資生堂「アネッサ」CMソング、ドラマ25『SR サイタマノラッパー〜マイクの細道〜』（テレビ東京）エンディングテーマ、テレビアニメ『刻刻』（TOKYO MX・BS11）エンディングテーマなどのタイアップも続々獲得。様々なメディアで取り上げられる機会も増え、「かわいい感じの顔なのにハードな感じの歌も歌えて、そのギャップがいいと思う」（東京／30代／女性）「独特の世界観を持っていて以前から注目していたが、無事に大学入学を果たし、今後はより幅広く活動できるのではないかと思うので、いよいよ本領を発揮するだろうと期待している」（茨城／50代／女性）など、作品だけでなく本人のキャラクターにも注目が集まっているようだ。

藤原さくら

　第3位は【藤原さくら】。2016年4月、月9『ラヴソング』にヒロイン役として出演したことで知名度は抜群。「かわいいし声が好き」（愛知／20代／女性）「歌声が綺麗だしドラマにも出演していたりするから」（東京／10代／女性）と、そのルックスに加え、スモーキーで深みのある無二の歌声が支持を集める。ドラマ出演後も、映画『3月のライオン』後編主題歌を担当し、『ポンキッキーズ』（BSフジ）にレギュラー出演しエンディングテーマを手掛けるなど活動。昨年全国ホールコンサートを実施し、着実にファンを広げている。

　「声が、英語の時など特になんだか外国人ポイというかオシャレで歌声に引き込まれた1番大好きな歌声の歌手なので、再ブレイクしてほしいな、という願いを込めて」（熊本／10代／女性）「もう知られている気はするが、CMタイアップとかがあったらファンの年齢層が広がりそう」（北海道／30代／女性）など、ドラマ出演以来の第2のピークを期待する声も多いようだ。

尾崎裕哉


チームしゃちほこ

　4位に選ばれたのは伝説のシンガーソングライター・尾崎豊を父に持つ【尾崎裕哉】。「父である尾崎豊の歌声とそっくりで実力があるから」（茨城／30代／男性）「お父さんのＤＮＡを受け継ぐ歌唱力がある」（大分／50代／男性）と、父をほうふつとさせる風貌と歌声に引き付けられるファンも多数。葛藤を乗り越え、大きな存在の父と同じ音楽の道を歩みながら、その影に押しつぶされることなく、自身の立ち位置を確立。劇場版アニメ「交響詩篇エウレカセブンハイエボリューション1」の主題歌でも新たなファンを獲得。「二世の枠を超えて活躍しそう」（東京／30代／女性）とさらなる活躍が期待されている。

　5位には名古屋を拠点に活動するスターダストプロモーション所属のアイドル【チームしゃちほこ】がランクイン。2012年の路上デビューから6年。2014年8月には日本武道館公演も果たし、「楽曲の癖が強く、中毒性が高いから」（東京／10代／男性）と事務所の先輩たちともまた異なるはじけた個性で着実にファンを獲得している。「昨年は認知度も上がり名古屋地区のCMにも登場しているので、全国的な広がりがあると思う」（愛知／50代／男性）と地元ファンの期待を背負い、現在春のツアー真っ最中。全国区のブレイクも目前の状況だ。

　6位の【Mrs. GREEN APPLE】は「新曲作製ペースが速いので、どんどんいい曲を作ってくれそうだから」（愛知／10代／男性）「軽快なメロディーと歌詞が気分を盛り上げてくれて、楽しい気分にさせてくれるから」（岐阜／30代／男性）とキャッチ―でクオリティの高い楽曲が評価されるバンド。7位の【KEYTALK】は「武道館を満杯にできるパワーのあるバンド。タイアップ次第ですぐにでも」（埼玉／40代／男性）、「いつまでも活動の軸がぶれることもなくグループの仲が良く、チャリティマラソンに参加したり様々な場で活動しているので今後も期待できます」（愛知／20代／男性）など、力強いライブパフォーマンスとメンバーの個性にも高い支持が集まる。9位の【感覚ピエロ】は「音楽的な特徴が個性的で他にない音作りをしている」（千葉／50代／女性）「奇抜なイメージがあるので」（千葉／40代／男性）と、自分たちでレーベルを運営し、アートワークの作成からレコーディングまですべてメンバー自身で手がけるなど、DIYで生み出す世界観に人気が集まっている。前出の3バンドは、アニメやドラマのタイアップも多く、作品との相乗効果でブレイクへと近づいている。

　7位の【ラストアイドル】は、秋元康が仕掛けたオーディション番組発信のアイドル。豪華プロデューサーを投入し、審査過程でのツイッターの炎上などもエネルギーにしつつ、常に話題を投下し続けている。10位の【足立佳奈】「LINE オーディション」でグランプリを獲得してデビューしたシンガーソングライター。女子中高生を中心に高い好感度を誇っている。

　デビューのきっかけからキャラクターまで様々なアーティストがブレイク候補として名を連ねるランキング。これまでのヒットの方程式では測れない個性が台頭しており、音楽シーンをさらに面白くしてくれるはずだ。