モーニング娘。’14を卒業した道重さゆみの12年(3/5) | Deview-デビュー
2015年1月5日

「私は芸能界に興味があったわけではなく、歌やダンスがやりたい気持ちも全然なくて。ただモーニング娘。が好きで、ここまでやってきました」

 横浜アリーナでの卒業ライブで、道重さゆみはそう言った。今までもたびたび口にしていたこと。そこだけ聞くといい話だが、6期オーディションを受けた当時を振り返り、「歌やダンスの練習は全然してません。かわいければ受かると思ってました」とも言っている。

 確かに、オーディションのときの歌はテレビでも流れたが、率直にヒドいものだった。モーニング娘。に加入してからも、ダンスは「できていると思って」練習しなかったと。それだけに、当時リーダーだった飯田圭織らにたびたび怒られたそうだが、その経験も自分がリーダーになって生きた。

「怒られた後はどうしても気まずくなる。その空気が私はすごくイヤだったんです。私を叱った先輩が挨拶もできないまま行っちゃうと、モヤモヤしたまま家に帰って、その日は1日じゅうイヤな気持ちで。だから、私が後輩を叱るときは厳しくしても、その後に『じゃあね。バイバーイ』と明るく言うようにしてます。モヤモヤを消すように笑顔で」

 細かいといえば細かいことだが、年の離れた後輩たちは救われたはず。意外と気配りのリーダーだったようだ。さらに「プライドを持たないこともリーダーには大事」とも。

「先輩意識が強いとグループはうまくいかないし、自分もきつい。私はダンスができなければ、後輩の鞘師(里保)に『教えて』と聞いてました。それで会話も増えるし」

 リーダーになってからは緊張とプレッシャーの毎日で、吐きそうになったこともあった。だが、道重体制になったモーニング娘。は、かつての全盛期にもなかった5作連続オリコン1位も記録している。後輩の成長を見届け、彼女はモーニング娘。’14を卒業した。(続く)


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