能年玲奈の『あまちゃん』後の売り出し戦略(3/5) | Deview-デビュー
2014年9月17日

 オーディションでも、グランプリより特別賞などのほうがブレイクすることは多い。オスカーの『国民的美少女コンテスト』の主な出身者には米倉涼子、上戸彩、武井咲らがいるが、いずれもグランプリではない。

 その要因のひとつは、グランプリは敷居が高くなること。ドラマはメインキャストでないとやらない、雑誌なら○ページ以上でないと出ない…とか。一方、特別賞などは他の新人とほぼ同じ。最初はとにかく名前を売るため、声が掛かればどんどん出していく。

 結果、特別賞のほうが知られるようになり、仕事が評価されれば大きな役も来る。出し惜しみしていたグランプリは浸透せず、大役が決まっても、一発でインパクトを残せないと忘れられていく…というパターン。

 能年玲奈も『あまちゃん』以前は、連ドラに脇役で出ていたが、国民的ヒロインとなった後は、事務所の方針が変わった。小さな役でオファーされることもなくなっただろうが、主役級が前提。そのこだわりがなければ、『ホットロード』まで10ヵ月も空けず、ドラマでも映画でもバンバン出続けていたはずだ。

 対して有村架純は、チャンスに乗じて一気に売り出そうと、ドラマ、映画、CMと大量露出した。かわいい彼女だが、ヴィジュアルだけなら芸能界で突出まではいかない。それがここまで売れたのは、メディアで“よく見る”状態を作った成果だろう。

 かと言って、有村が正解で能年が間違いというわけでもない。たくさんメディアに出れば、その分、早く飽きられるリスクもある。逆に、能年の『ホットロード』がヒットしてるのは、『あまちゃん』後に彼女を早く観たいという大衆の欲求が高まっていたのも一因。忘れられずに飽きられずに…難しいところだ。

 ただ、能年の場合、間が空いたのには他の理由もあったようだ。(続く)


戻る
×