低視聴率でも感動を呼ぶ『あすなろ三三七拍子』(3/6) | Deview-デビュー
2014年9月1日

 『あすなろ三三七拍子』の翌檜(あすなろ)大学応援団には、社会人入学した藤巻大介(柳葉敏郎)を団長に、保阪翔(風間俊介)、松下沙耶(剛力彩芽)、野口健太(大内田悠平)と団員が集まった。女性の沙耶はフェミニズム論研究室のゼミ生で、フィールドワークとして入部。応援団なる前時代的で封建的な集団についてレポートを出すために。

 3話では応援団が合宿を。OBの齊藤(反町隆史)と山下(ほんこん)の指導のもと、うさぎ跳び300回、太鼓のリズムが合うまで連帯責任で腹筋など、理不尽なしごきが続く。

 そして、大介の会社の荒川社長(西田敏行)ら古参OBが訪れる。沙耶のフェミニズム論ゼミの准教授の原先生(森口瑤子)も。団員たちは1周5kmのコースを4周する20kmマラソンを命じられるが、バテて力尽きていく。50歳の大介は周回遅れとなって。

 「これに何の意味があるんですか?」と聞く原先生に、「団の精神は“とにかく”と“ひたすら”。とにかく走る。ひたすら走る」と荒川社長。4人がいよいよリタイアか…という頃合いに、OBたちが「フレー!フレー!あすなろ、それっ!」とエールを贈り始めた。その場で腕立てを始めるOBも。

「応援はそもそも傲慢なことなんです。精一杯頑張ってる人間に『もっと頑張れ』と言うわけですから。だから団は応援される人間より、さらにたくさん汗をかくんです。でなければ、我々は応援する資格など持てません」

 荒川社長はそう語った。そしてエールは動けなくなっていた団員たちの胸に響き、もう一度走り出させた。観ていて感動するシーンだった。応援するだけの活動で、なぜストイックに訓練するのかも腑に落ちた。

 応援団に限らない。人に「頑張れ」と言うなら自分はそれ以上に頑張らなくてはいけないし、自分以上に頑張ってる人からの「頑張れ」は本当に力になるのだと。(続く)


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