『若者たち2014』で蘇る夢を捨てた記憶(4/5) | Deview-デビュー
2014年8月19日

 48年ぶりの名作リメイクドラマ『若者たち2014』の5兄弟は、時代の変化を踏まえつつ、オリジナルの設定を取り入れたようだ。

三男は元は“学生運動に明け暮れる大学生”で、『2014』で柄本佑が演じる陽は、大学で学生劇団を旗揚げ。就職が内定していた企業を断って留年し、芝居の夢を追っている。

 長男の旭(妻夫木聡)は「家計を助けるために芝居をやめて就職しろ!」とぶつかっていたが、劇団の資金を持ち逃げされた陽が公演を中止しようとすると、逆に「上演しろ!」と迫り、自ら資金を工面する。公演は成功し、陽は夢を追い続ける…ということで、この話は終わった。

 劇団に限らず、「就職か夢か」と悩んでいる人は、このサイトのユーザーさんにも少なくないのでは。『月刊デ☆ビュー』7月号で「デ☆ビュー大人版」という18歳以上の読者に向けた特集があったが、本当の岐路は高校卒業の18歳ではない。

大学を卒業する年代に当たる22・23歳だ。

日本では新卒で就職しないと後のハンデは大きい。ここで会社に入るのか。バイトしながら夢を追うのか。

 恥ずかしながら、自分にも経験がある。

大学時代はバンドと演技の勉強をしていて。バンドではリーダーがプロ志向で、オーディションにデモテープを送ったりもした。自分はヘタクソなサイドギターだったが、曲を作るのは好きで、特に作詞はほぼすべて任せられていて。金魚のフン的な形でデビューできれば…とも思ったが、それは叶わず。リーダーも一般企業に就職した。

 演技はある事務所系の養成所のレッスン生となった。

興味あってのことだったが、才能がないのはすぐわかった。ちょうど大学4年のときに本科生への昇格試験があり、「落ちて踏ん切りがつけばいい」と思った。ところが、なぜか試験の結果は合格だった。(続く)


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