渡辺麻友とAKB48選抜総選挙の6年(4/5) | Deview-デビュー
2014年6月30日

 前田敦子が卒業を発表し、1位・大島優子、2位・渡辺麻友という結果になった、2012年のAKB48選抜総選挙。

当日のバックステージで、優子が麻友に「次はキミだよ」と話し掛ける場面が、後に公開されたドキュメント映画『DOCUMENTARY OF AKB48 少女たちは涙の後に何を見る?』に映されていた。

 優子は「後輩たちの踏み台になる」とも語り、グループ総監督の高橋みなみも自らソロデビューしたこともあり、「AKB48ではもう後輩を育てることしか考えてません」と話していた。

 世代交代の気運が高まり、その中心は渡辺麻友と考えられていた。ライブではすでに、「フライングゲット」などで前田が務めていたセンターに就いていて。

日産スタジアムに会場を移した2013年の第5回総選挙。麻友が1位となり名実ともに新エースとなるのか、優子がまだ高い壁であり続けるのか。一騎打ちが予想された。

 ところがフタを開けたら、1位は麻友でも優子でもなく、指原莉乃。バラエティ要員で、しかも恋愛スキャンダルでAKB48から福岡のHKT48に“左遷”させられた彼女が、まさかの…。

 1位獲りを宣言していた麻友は3位。指原にも優子にも及ばず。落胆がないはずはない。だが、スピーチはにこやかだった。

「1位に向かって一緒懸命に突っ走ってきました。私はどのメンバーよりも自分自身をAKBに捧げてきた自信があります」

 すっかり大人の対応になっていたが、「どのメンバーよりも」とまで言い切れたのは、実際それだけのことをした自負があったのだろう。でも1位に届かなかった。“次世代エース確定”のはずが、結局このまま届かずに終わってしまうのでは…。そんなこともよぎった。(続く)


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