渡辺麻友とAKB48選抜総選挙の6年(2/5) | Deview-デビュー
2014年6月26日

 今さら基礎知識ですがAKB48の選抜総選挙とは、いつもは秋元康プロデューサーが決めるシングル選抜メンバーを、年に1回ファン投票で選ぶイベント。2010年の第2回は東京ドームシティホールにて行われた。この時点で、シングルは3作連続オリコン1位。現在も続くAKBブームが始まった時期だった。

 この年は絶対エース・前田敦子を破って大島優子が1位となり、「ヘビーローテーション」で初のセンターを務めることになるのだが、渡辺麻友は前年より1ランク落として5位。

スピーチは「うれしいです」と始めたものの、途中から涙になり「でも、悔しいです。次は絶対絶対もっと上に入りたいです!」と想いを吐き出した。

 彼女がそこまで感情をむき出しにしたことに驚いた。「5位以内は荷が重いです」と話した1年前とは打って変わり、上昇志向と負けん気を見せて。

 翌年の第3回は、会場が日本武道館に。この年は前田敦子が1位を奪い返し、「私のことは嫌いでもAKBは嫌いにならないでください」との名言が生まれた。大島優子は1人でCDを何枚も買って投票できる“選挙”への揶揄に、「私たちにとって票数は皆さんの愛です」と発言した。

 この年の麻友は前年と同じ5位。だが、スピーチの雰囲気はガラッと変わった。さわやかな笑顔で「順位はただの数字。私は左右されません」と言うと、会場が「オーッ!」とどよめく。そのうえで「自分を信じて、皆さんを信じて歩いていきます。皆さんも私を信じてください」とアピールした。

 当時17歳。悔しさをにじませた1年前とまた変わり、精神的な成長と自信を見せた。 そして次の第4回では、さらに高い境地へ進んだ渡辺麻友が見られた。(続く)


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