伝説の遺伝子を継ぐ少女たち(3/6) | Deview-デビュー
2014年2月25日

 篠原涼子らが在籍し、90年代に活躍した東京パフォーマンスドール(TPD)は、原宿ルイードでの定期ライブを「ダンスサミット」と称していた。歌とダンスをノンストップでたたみ込んでいくステージ。

 80年代半ばにおニャン子クラブがブームを起こして以来、アイドルは親近感のある“普通の女の子”が主流になっていたが、TPDはプロのパフォーマンス集団として魅せることを信条としていた。口コミから人気に火がつき、93年には日本武道館2DAYS、94年には横浜アリーナ公演を成功させている。

 という伝説的グループだが、個人的には当時ほとんど興味なかった。まだただのアイドル好きの大学生として、ribbonの永作博美の大ファンをやっていて。

 状況的なことを付け加えれば、その頃は“アイドル冬の時代”と言われつつ、フジテレビが番組連動で運営していたタレント育成講座「乙女塾」出身のCoCo、ribbon、Qlairらが頑張っていた。所詮おニャン子クラブの縮小再生産に過ぎないと分かってはいたが、保守的アイドルファンだった自分は、時代の先を行くTPDより、乙女塾勢へシンパシーを感じていたのだ。

 ちなみにTPDが武道館2DAYSを行った際、「1日だけならCoCoだってやってるじゃない」とのキャッチフレーズを使っていたのは語り草。

 時代は巡り、今はアイドルグループ戦国時代。「会いに行ける」を謳っていたAKB48を始め、再び“親近感のある普通の子”のほうがプロらしさよりウケるようになった。そんな時代に、オーディションで8800人から選ばれた10人で結成されたのが新生東京パフォーマンスドールだ。

 渋谷の劇場「CBGKシブゲキ!!」で連鎖公演を展開中。元のTPDには反応しなかった自分が、新生TPDにハマりつつある。
(続く)


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