“今世紀最低の視聴率”は川口春奈のせいじゃない(3/5) | Deview-デビュー
2013年12月20日

 今世紀のプライムタイムの民放ドラマ最低となる視聴率3.0%を記録した『夫のカノジョ』(TBS系)。放送は8回で打ち切りに。全話平均でも3.87%と、これまた今世紀最低。裏では今クールの一番人気『ドクターX』(テレビ朝日系)が、ほぼ毎回20%を越えていた。

 ちなみに『ドクターX』の前シリーズは平均19.1%。このときのTBSの裏番組は同じ医療モノの『レジデント』で平均6.7%。若き研修医たちがあれこれ思い悩んでる間に、大門未知子が「私、失敗しないので」と手術を終えるぐらいのコントラストだったが、今回『ドクターX』がさらに上乗せした分、TBSが減ったような数字にもなっている。

 『夫のカノジョ』は不倫モノっぽいタイトルだが、そうではない。39歳の主婦・菱子(鈴木砂羽)が、夫の浮気相手と勘違いしていた20歳のOL・星見(川口春奈)と体が入れ替わる話。大林宣彦監督の映画『転校生』やドラマ『パパとムスメの7日間』などのパターンだ。内容も今世紀最低なのか?

 個人的には、観ていてそれほど飽きなかった。川口春奈がたくさん出てるのが良い。彼女を「きれいだな」とうっとり眺めてるだけで、ごちそうさまだ。それはドラマの正当な鑑賞方法ではないが。

 入れ替わりものの帰結として、“相手の立場になったら見えなかったものが見えた”というのはある。『夫とカノジョ』でも、体が菱子の星見が反発していた母親の気持ちに触れたり、体が星見の菱子が夫の自分への愛情に気づいたり、毎回ホロッとなる場面はある。

 ただ、その場面に行きつくまでが起伏に乏しい。入れ替わりもののもう一つの定石として、入れ替わったことを周りが知らないゆえのおかしい展開があるものだが、このドラマにはそれがなかった。「ハラハラ、ドキドキの連続」「痛快ホームコメディ」と謳っているが、ハラハラもドキドキもしないし、コメディになってなかった。
(続く)


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