『安堂ロイド』に欠けているもの(3/5) | Deview-デビュー
2013年11月21日

 木村拓哉主演ドラマは、事前になかなか情報が出ないことが多い。『安堂ロイド』は当初、このタイトルと“アンドロイドの役で机の引き出しから出てくる”との話が伝わってきた。『ドラえもん』か? でも、そんなテイストのドラマならアリなタイトルかと。

 ところが放送が近づくと、『ドラえもん』でなく『ターミネーター』のような物語らしい。そんなハードな内容で『安堂ロイド』? プロデューサーは『ケイゾク』『SPEC』『ATARU』などを手掛けた植田博樹氏。当初は『アンドロイドは夢を見るのか』というタイトル案だったらしい。『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の引用? それは長すぎて却下されたとか。

 けどなぁ。タイトルはやっぱ重要。たとえば『SPEC』は予知能力、念動力など通常の人間にない特殊能力のことで、要は超能力だ。けど、これがもし『エスパー』みたいなタイトルだったら? やることは同じでも“超能力”でなく“SPEC”だったから、あの独特な空気が生まれた。『安堂ロイド』というダジャレなタイトルにそんな響きはない。

 とはいえ1話は期待値も含め、個人的には楽しめた。天才物理学者の沫嶋黎士(木村)は自分が殺され、数10時間後には婚約者の安堂麻陽(柴咲)も殺されることを未来から得た情報で(?)知る。その予測通り暗殺者の手にかかった沫嶋だが、麻陽のピンチに彼とそっくりの男が現れて・・・。

 まさに『ターミネーター2』の世界で、アンドロイド同士の攻防や100年後と現代をつなぐ謎など普通にワクワクした。未来で何が起きてるのか? なぜ麻陽が狙われるのか? これは楽しみなドラマだと。前提として、自分はいまだに『仮面ライダー』のような話が好きな中2病気質があり、SFは馴染みやすいのだが。そんな自分でも2話、3話とガッカリのほうが大きくなった。
(続く)


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