2013年8月8日
『Woman』は3年前の『Mother』のスタッフが再結集。脚本も同じ坂元裕二。『Mother』も幼児虐待の重い話だった。満島ひかりの連ドラ主演は、これまた坂元脚本の『それでも、生きてゆく』以来2年ぶり。こちらも殺人事件の被害者・加害者それぞれの家族というテーマで。
満島のことは以前「アイドルグループのNo.2は女優で大成する?」で触れさせてもらった。元Folder5。沖縄アクターズスクール出身で安室奈美恵やSPEEDの後輩。アニメ『ONE PIECE』の主題歌「Believe」などをヒットさせている。ちなみにNo.1=リードボーカルだったAKINAは、ビビる大木と結婚した。
彼女がすごいのは、演じる人物の過ごしてきた時間まで表現できることだと思う。今回の『Woman』なら、夫を亡くして1人で働きながら、おしめを替えて食事を作って2人の子供を育ててきたことや、その間に世間の冷たさに晒され続けてきたことが、直接そんなシーンはなくても、子供の抱き締め方ひとつ、諦めも含んだ表情ひとつで伝わってくるのだ。
凡庸な女優だと、設定では4年間シングルマザーをやってることになっていても、“最近ちょっと子育てに疲れてるお母さん”ぐらいにしか見えなかったりする。満島は違う。自身に子供もいないのに、役の人生を丸ごと描き切る。
20年ぶりに再会した母親とのやり取りにも、近親憎悪と否定しがたい血の繋がりが頭をもたげる感じが、20年分の溜まった想いとして出ていた。母親役の田中裕子(『Mother』にも出演)もあってのことだが。
そんなリアルな演技だけに『Woman』は観ていて息苦しくなり、軽い『ショムニ』に逃げた。だが、やはり気になって2話、3話とネットで観た。そしたら、さらに重い話になっていて。
(続く)
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