『半沢直樹』を支える上戸彩の奥さん役(5/6) | Deview-デビュー
2013年8月1日

 半沢直樹は銀行の社宅住まい。妻の花(上戸彩)は専業主婦だ。結婚記念日に急に泊りの仕事が入った半沢に、電話で文句を垂れつつ、最後には「直樹が悪いんじゃないのは分かってるけどさ」などと言う。そんな奥さん。家でも思ったことをワーワーしゃべる。

 半沢が5億円融資の聞き取り調査から帰った日も、副支店長の奥さんのお茶会に持って行く用に頼んでいたおみやげを買い忘れたことを咎めつつ、「調査のことは聞かないのか?」と言われると、「どうせまたやっちまったんでしょう? 顔見れば分かる」と。

「直樹がそんなだから、私がお茶会でフォローしないと」「あとは直樹に頑張ってもらうしかないので」「難しいことは分からないけど、ぜってー負けるんじゃねえぞ!」。

 などと励ましながら、だんだんグチに変わっていく。「道連れでこれ以上遠くに行くのはイヤだからね」「転勤ばっか。引っ越しばっか。いいことゼロ」「あーあ。銀行員なんかと結婚するんじゃなかった」。

 ここまで言うのだが、あっけらかんとして暗さはない。半沢も食事しながら、ニコニコして聞いている。この夫婦関係、いいなーと思う。

 銀行員は一度失敗したらオシマイ。出向という形で外に出され、出世の道は閉ざされる(らしい)。半沢は5億円の回収という生きるか死ぬかの戦いの渦中にいる。だが家に帰れば、いつもと変わらず明るい妻が待っていて。彼にとって、どれだけ救いになっていることか。

 上戸の妻役に「浮いてる」との声もある。でも、それは当たり前の話。ギラギラした男たちのドラマの中で、ひと息つけるのが夫婦のシーンなのだ。他の場面と違う、明るいテンションがないと。でも、この夫婦のシーン、上戸的には結構大変らしい。
(続く)


戻る
×