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2023/02/21 18:11

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さらなる飛躍が期待される15歳の実力派俳優・豊嶋花、習い事感覚だった仕事への意識が変わったきっかけは「小5の時に出演した『トットちゃん!』」

2月23日(木・祝)公開のNETFLIX映画『ちひろさん』に出演する豊嶋花【撮影/booro】(C)Deview
2月23日(木・祝)公開のNETFLIX映画『ちひろさん』に出演する豊嶋花【撮影/booro】(C)Deview

 1歳の時から芸能活動を始め、連続テレビ小説や大河ドラマなど数多くの作品に出演し、2021年にドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』にて、主人公の娘「大豆田唄」役を演じて一躍注目を集めた豊嶋花。高校生となった昨年には、「第34回フジテレビヤングシナリオ大賞 瑠璃も玻璃も照らせば光る」でドラマ初主演を果たし、現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』に「たね」役で出演するなど、俳優として着実にステップアップを遂げている。2月23日(木・祝)公開のNETFLIX映画『ちひろさん』では、誰にも本音が言えずにいる女子高生・瀬尾久仁子(通称・オカジ)を演じている彼女に、本作の見どころや演じたオカジへの想い、初めての経験となった単身・静岡滞在での撮影についてなどを直撃インタビュー。 また、習い事感覚だったという仕事に対しての意識が変わった瞬間や、オーディションで心がけていること、今後の目標など、たっぷりと語ってもらった。

【NETFLIX映画『ちひろさん』出演/豊嶋花インタビュー】

■「今回の撮影で、初めて一人で静岡に長期滞在したのですが、今思うとちょっとした冒険だったなと」

――『ちひろさん』の原作や台本を読んだ際、どんなところに魅力を感じましたか?

「ちひろさんという一人の女性との出会いによって、私が演じたオカジをはじめ、街の人たち一人ひとりが前向きに変わっていくというのが、とても素敵な物語だなと思いました。原作と台本の両方を読んで、“台本のココのシーンは原作にもある、あのシーンだな”という風に重ね合わせながら何度も読みました」

――演じられた瀬尾久仁子(通称・オカジ)については、どのような印象を受けました?

「とても素直な子だなというのが第一印象でした。周りに流されやすかったり、自分が思ったことを言えなかったりする部分もそうですが、ちひろさんの影響を素直に受けていくという、その描写もすごく可愛らしくて。素直ですごく良い子なんだろうなと感じました」

――オカジとご自身と重ねて、共感できる部分は?

「私は自分がやりたいことに関しては、“ああしたい、こうしたい”と、けっこうズバッと言えるタイプなんです。でも、何かを頼まれたりするとあまり断れないタイプで…。誰かに頼りにされていることが嬉しくて、なかなか断れないんです。実際にやったら楽しいことのほうが多いのですが、わりとイエスマンなので、そういうところはオカジと少し似ているかなって思いました」

――演じる上でこだわったのはどんなところですか?

「これまで漫画原作の作品はあまり経験がなかったので、原作に忠実に…というのは意識しました。やっぱり原作ファンの方も観ると思うので、映像を見て“あ、オカジだ!”って思ってもらえるように、いかにリアルにオカジとして居られるかというのをより意識しました」

■「有村架純さんは自分の中でも憧れの存在ですし、改めて素敵な方だなって思いました」

――どのようなアプローチをして役を構築していったのですか?

「今回、初めて一人で静岡に長期滞在したのですが、プライベートも含めて、どこかに1人で長期滞在するという経験がなかったので、その経験が大きかったと思います。小学生のときは母が付きっきりで泊りの仕事についてきてくれていたし、中学生になってからは、だいたい日帰りや1泊とかが多くて、長期滞在する仕事がなくて。『ちひろさん』の撮影は、中学3年のときだったのですが、1週間半〜2週間、一人で静岡に滞在するって、今思うとちょっとした冒険だったなと。その期間に周辺を散歩したり、ホテルの部屋で一人でボーっとする時間を過ごしている間に、自然とオカジが構築されていきました」

――ロケ地で過ごすうちに、自然とそこに生きる1人の少女としてリアルに生きられたという感じでしょうか。

「そうですね。スンって役が入ってくる感じがありました」

――静岡での単身滞在も新鮮な経験だったと思いますが、撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

「すごく楽しかったです。基本的には、マコト役の嶋田鉄太くんと一緒にいることが多かったのですが、あのコ自身、本当に素がマコトみたいな感じなので、一緒に居て楽しかったです。撮影の合間に鉄太くんにゲームを教えてもらって、一緒にやったりしていました」

――オカジとマコトの関係性も良いですよね。ちひろさんの家を訪ねていったときの2人の掛け合いが、漫才みたいに息ぴったりでとても印象に残っています。

「そうなんです! あのシーン、本当に面白いですよね(笑)。実はあのシーン、5割くらいアドリブなんです。ちひろさんが窓を開けて閉めるまでがセリフで、それ以外は全部アドリブです。1回目は何も打ち合わせずにやって、それを受けて、じゃあさっきのもう1回やろうみたいな感じで打ち合わせしてやったのですが、本当に鉄太くんがすごいんですよ。あの年齢で素をそのまま演技に出せるって、なかなかできることではないと思うので、素晴らしいなと思いました」

――オカジはちひろさんと出会ったことで、少しずつ成長していきますが、そのちひろさんを演じた主演の有村架純さんはどんな存在でしたか。

「最初に原作を読んだときは、“この役を有村さんがやるんだ、どんな風になるんだろう?”と思っていたのですが、1度、ちひろさんになった有村さんを見たら、もうちひろさんにしか見えなくて。自分の中でも憧れの存在ですし、改めて素敵な方だなって思いました。お会いする前から、きっと優しい方なんだろうなとは思っていたのですが、想像以上にとても優しかったです。ちょうど撮影期間中に私の誕生日があったのですが、お祝いしてくださったり、寒そうなときに気遣ってくださったり、本当に優しくて素敵な方です」

■「泣く演技はいつも苦戦するのですが、今回は本当にボロボロ泣けました」

――大河ドラマ『どうする家康』でも、有村さんとは共演されていますね。

「そうなんです。『ちひろさん』の撮影が先で、そのあとに『どうする家康』の撮影だったのですが、『こんなにすぐ会えるなんて嬉しいよ』と言ってくださって、嬉しかったです。私自身、大河ドラマの撮影は久しぶりで、とても緊張していたのですが、有村さんがいらっしゃるということで、絶大なる安心感がありました」

――今泉力哉監督の作品に参加するのは今回が初。どのような現場でしたか?

「とても優しい方で、監督とは話し合うこともありましたが、基本はけっこう任せてくださって。自分の中のオカジを表現して、それを監督が受け入れてくださったという感じでした」

――現場で印象に残っていることは?

「オカジが焼きそばを食べながら泣くというシーンがあるのですが、私は泣く演技があまり得意ではなくて、いつも苦戦するんです。でも、今回は本当にボロボロ泣けて。監督はわりと無口な方なので、何か言葉をかけてくれたというわけではないのですが、今泉監督をはじめ、スタッフさんのみなさんが泣ける空気感を作ってくださったおかげで、自然と泣くことができました」

――役者を目指している『デビュー』読者にとって、“泣く芝居”ってどんな風にやっているのか、とても気になるところでもあります。

「私自身、泣く芝居がとても苦手なので、“どうしたら泣けるんだろう?”って思います。レッスンとかで『泣いて』と言われても難しいんですよね、だって、本当にその役になって、現場で実際にその状況になってみないと、その子の泣いた気持ちなんてわからないから。レッスンとか経験を積まないと演技は上達しないけど、泣くって、実際にそういう状況になってみないとわからない。本当に難しいんですよね。泣くシーンがある場合、私は役を自分の中にちゃんと落とし込んで、そのシーンの撮影の日は関係ないことをしないというのを意識しています。普段は、撮影合間にスマホをイジったりするけど、その日はしないようにしたり、集中することが大事なのかなって思います」

■「演じていて難しいなと感じるのは可愛らしい子。それ以外は自分に当てはまる役がけっこう多い」

――オカジはなかなか本音を話せない女子高生ですが、豊嶋さん自身は普段どんな子ですか?

「友達からは『明るいね』って言われることが多いです。自分としては、ムードメーカーなつもりで生きているんですけど(笑)。家族といるときは『大豆田とわ子と三人の元夫』の(大豆田)唄に近いかもしれません」

――いろんな役を演じられてきている中で、『大豆田とわ子と三人の元夫』の唄は、わりと素に近い感じだったんですね。

「そうなんです。けっこういろいろな役を演じてきましたが、ほかにも自分に近い役を演じることが多かったかなと思います。演じていて難しいなと感じるのは、可愛らしい感じの子です。それ以外はけっこう自分に当てはまる役が多くて。たとえば、友達といるときの自分だったり、家族でいるときの自分だったり、お仕事しているときの自分だったり…」

――可愛らしい感じの子が苦手というのは?

「まず、私は地声が低いので、この声のトーンを上げ続けてセリフを話すということがけっこう難しくて。それと私には兄が2人いてるのですが、母も同様に兄が2人いて、けっこう気が強いところがあって、私も母に似て気が強いし、どうしても男まさりな感じになってしまうんです。なので、可愛らしい子の役はちょっと恥ずかしくなっちゃうんですよね、自分と正反対すぎて」

――1歳から芸能活動を開始された豊嶋さん。最初は親御さんの意向で始めたことだとは思いますが、いつぐらいから“この仕事が楽しい”、“この仕事を続けたい”という意識が芽生えましたか?

「ずっと楽しいという感覚はあったのですが、小さい頃は習い事感覚でやっていたので、自分の意思でやっているという意識はありませんでした。でも、小学5年生のときに、『トットちゃん!』(2017年テレビ朝日系)で、黒柳徹子さんの幼少期を演じて。そのオーディションの話が来たときに、“この役は絶対にやりたい!”って思って、自分で初めて役作りをしました。それまでは、母主導で『この役はこういう役だよ』とか、『こういう仕草をやると思うよ』というような意見をもらって、それを自分の中でかみ砕いてやってみるという感じだったのですが、『トットちゃん!』のオーディションのときに初めて、自分で役作りを考えてオーディションに臨みました」

――どんな風に役づくりされたんですか?

「トットちゃんはこういう子だから、このセリフはこんな風に言おうとか、いろいろと意識して、まず座り方から変えました。普通に座るときって、ストンって座るじゃないですか。でも、“トットちゃんはこんな感じかな?”って思って、オーディションでも“ピョン!”って感じで座ったんです。それと、周りの子たちはセリフを言うだけだったけど、私はセリフを言いながら、トットちゃんがやりそうな仕草を加えてお芝居したんです。そうしたら、私が演技を始めた瞬間、星田(良子)監督が前のめりになって見てくださって。それが芝居をやりながら横目で見えて、すごく嬉しかったのを今でもよく覚えています。自分で役作りをいろいろ考えて挑戦した結果、その役をやることができたっていうことがすごく嬉しくて。そこから“私がやっているこの仕事って、こんなに楽しいことなんだ!”と、より実感できて、仕事に対してさらに前向きになりました」

■「日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞することが今、私の中で一番大きな夢です」

――『トットちゃん!』をはじめ、これまでもたくさんのオーディションを受けてこられていると思いますが、どんなことを心掛けていますか?

「周りをライバルと思わないこと。どうしてもライバルだから…って思ってしまいがちだと思うのですが、自分がその役に合っていたり、努力していればたぶん大丈夫なんですよね。周りと比べて云々じゃないから、自分がやってきたことを信じるというのを意識しています。周りをライバルだと思うと焦って自分のことが手につかなくなっちゃたり、いっぱいいっぱいになってしまう。なので、むしろ自分を敵だと思って一生懸命努力して、それまでやってきたことを信じてオーディションに臨むようにしています」

――オーディションに受からず落ち込んだりしたとき、どのように切り替えてきましたか?

「そういうときは、お仕事だけではなく、学校の勉強や友達関係とか、他のことを充実させていました。お仕事でストレスが溜まると、ほかでもストレスが連鎖して出てきちゃうんですよね。だから難しいとは思いますが、他のことを充実させて、仕事のストレスを忘れるようにしています。大好きな友達と過ごすだけで忘れられたりするんですよね。なので、友達と遊んだり、出かけたり、ゲームをしたりして、ストレスを発散しています」

――昨年は高校生になったり、ドラマ初主演をやったり、変化のあった1年だったと思いますが、それを踏まえ、2023年はどんな1年にしたいですか?

「そうですね、昨年は人生で1番充実した1年でした。高校生活はきっと楽しくなるだろうなとは思っていましたが、まさかこんなに楽しいとは思ってなくて(笑)。お仕事も本当にたくさん素敵なお仕事をやらせていただいて充実していましたし、16年間生きてきて一番良い年だったなと思います。この1年で高校生活はけっこう楽しめたというか、わりと満足できたので、今年は高校と両立させながらも、よりお仕事を頑張りたいなと思っています!」

――夢を叶えるために、豊嶋さんが大切にしていることはどんなことですか?

「夢が1つあったとして、それだけに集中しすぎないっていうことが大事なのかなと思います。1つに固執しすぎてしまうと、周りが見えなくなって、気づいたら何もなくなってたり、誰もいなくなったりすることがあると思うので。それに、夢ってずっと1つじゃないじゃないですか。2つになったり、時にはゼロになったり、新しく生まれたりすると思うので、その1つの夢だけじゃなくて、他のことも完璧とは言わないまでもちゃんとやるっていうことが大切なのかなと思います」

――では最後に、将来の目標や夢を教えてください。

「いろんな役ができるカメレオン俳優になりたいです。今やってみたいのは、見た目と中身にギャップがある役をやってみたいなと思っています。それと、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞することが今、私の中で一番大きな夢です」

【プロフィール】
豊嶋花(とよしま・はな)●2007年3月27日生まれ、東京都出身。スターダストプロモーション所属。
主な出演作として、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」「あまちゃん」「ごちそうさん」、NHK大河ドラマ「八重の桜」、ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち」「キッドナップ・ツアー」「トットちゃん!」「青のSP−学校内警察・嶋田隆平−」、映画『外事警察 その男に騙されるな』『真夏の方程式』『恋妻家宮本』など数多くの話題作に出演。2021年に放送された「大豆田とわ子と三人の元夫」では、大豆田唄を演じ一躍注目を集める。
その後、ドラマ「教祖のムスメ」「みなと商事コインランドリー」「祈りのカルテ〜研修医の謎解き診察記録〜」などに出演、フジテレビ「第34回フジテレビヤングシナリオ大賞 瑠璃も玻璃も照らせば光る」ではドラマ初主演を務める。
2023年は、NHK大河ドラマ「どうする家康」にたね役で出演。

【作品概要】
NETFLIX映画『ちひろさん』
2023 年2 月23 日(木・祝)Netflix 全世界配信&全国劇場にて公開

出演:有村架純
豊嶋花 嶋田鉄太 van
若葉竜也 佐久間由衣 長澤樹 市川実和子
鈴木慶一 根岸季衣 平田満
リリー・フランキー 風吹ジュン
原作:安田弘之『ちひろさん』(秋田書店「秋田レディース・コミックス・デラックス」刊)
監督:今泉力哉 脚本:澤井香織 今泉力哉 音楽:岸田繁
主題歌:くるり「愛の太陽」(VICTOR ENTERTAINMENT / SPEEDSTAR RECORDS)
製作:Netflix、アスミック・エース 制作プロダクション:アスミック・エース

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