ニュース
2022/08/08 18:01
劇団柿喰う客所属の葉丸あすか、映像作品で明るく親しみやすいキャラに開眼「愛嬌のあるフォルムをしているのは武器」
『研音ガールズオーディション』や『ホリプロタレントスカウトキャラバン』そして「東宝シンデレラ」など、芸能プロ主催の大規模オーディションが続々開催される2022年。オーディションメディア39年の『デビュー/Deview』が、芸能プロダクション137社の新人募集の大特集『夏の特別オーディション2022』を開催中だ。同企画には現在放送中の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に、キジブラザー/雉野つよし役・鈴木浩文、ソノザ役・タカハシシンノスケを送り込み注目されるミシェルエンターテイメントが参加している。「作品のための表現者のプロ集団」として、個性と高い表現力を兼ね備えた俳優・モデルのマネジメントに定評のある同社が、自信持って送り出す女優が葉丸あすかだ。劇団柿喰う客に所属しながら、多くの映画、ドラマ、CMで独特の個性を発揮する彼女に話を聞いた。
【ミシェルエンターテイメント所属/葉丸あすか(はまる・あすか)インタビュー】
――事務所に所属する以前から多くの芸歴・出演歴がありますね。
「小学生の時、地元・所沢にある高校生までが参加できる、少年少女歌劇団に参加していました。そのまま演技を続けたいと思って、大学も日本大学芸術学部に進み、4年在学中に劇団柿喰う客に入団しました。それは確か、デビューさんに乗っていた募集記事だったと思います。劇団柿喰う客の舞台を観に行って、ここに入りたいと思った何ヵ月後かに劇団員募集の記事を見つけて応募しました」。
――そもそも舞台に興味を持った理由はなんだったんですか?
「すごく小さいときに『ASAYAN』というオーディション番組を観て、何をやっているかわからないけど、オーディションというものを受けてみたいと思ったんです。そしてその少年少女歌劇団で舞台の魅力にハマってしまいました」
――劇団に入った大学4年といえば、周りは就職活動をしているころですね。
「両親からは“卒業までに、俳優を続けられるという証明が出来なかったら就職してくれ”って言われていたんですが、在学中に劇団員になることができたので、続ける許可をもらうことができました」
――ミシェルエンターテイメントに所属したきっかけは?
「『第6回クオータースターコンテスト』という、15分ワンカットの短編映像作品のコンテストがありまして。舞台でご一緒した演出家さんの作品に出演したら、それがグランプリを受賞して、審査員の行定勲監督や、演出家の福原充則さんからお褒めの言葉をいただいたんです。それまで舞台の経験はあったんですが、映像はやってこなかったので、映像にも挑戦してみたいと事務所を探し始めたところ、行定監督からご紹介いただいたんです」
――監督に紹介いただくというのは珍しいケースですね。
「行定監督の『劇場』という作品に出演させていただいたくらいの時期に、吉永社長を紹介してくださって。今まで事務所に一度も所属したことが無かったのですが、勇気を出して所属しました」
――社長にもお聞きします。葉丸あすかさんの最初の印象はいかがでした。
【ミシェルエンターテイメント代表:吉永弥生さん】「明るいオーラ、雰囲気がありました。女優さんって、芯から明るい雰囲気を出せる方って実は少なくて、なかなか出会えないんです。だからこの明るさと笑顔を武器にできればと思いました。うちはいまでこそ若手がたくさんいますが、どちらかと言えば、一回就職をしたんだけれども、どうしてもまた頑張りたいというような子を応援したい気持ちが強くて。年齢的にどこもいわゆる新人枠で採用されるのは難しい年齢だから、うちで良ければ頑張ってみないという話をしたんです」
――無所属とは言っても、演技の実力は充分だったんですよね。
【吉永さん】「実技審査を経ないと所属にはしていないので、自社で行っているトレーニングプログラムに来ていただいて、お芝居を見せていただきました。自社の所属俳優なので手前味噌なんですが、お芝居が素晴らしくて! 劇団柿喰う客所属だったので、デフォルメされたお芝居なのかと思いきや、素晴らしくナチュラルなお芝居で、かつ相手から芝居の力を引き出す力があるんですね、そんな稀有な女優さんに出会えたので、ぜひ所属してほしいと、かなり熱烈に行定監督を巻き込んで説得しました」
――社長自身かなり惚れ込んだ様子が分かります。
【吉永さん】「どんな俳優さんにも良いときと悪いときの浮き沈みがあるものなので、所属の子が自信を無くしたときに、私がその子の一番のファンであると断言できるぐらい惚れ込めるような方と一緒にやりたいと思っているんです。あすかはまさにどんぴしゃりでした。行定監督からも“あなたはちょっと臆病で、石橋を叩いて渡るところがあるから、ブルドーザーみたいに引っ張ってくれる吉永さんについていったほうがいいんじゃないの?”って説得してもらいました(笑)」
――葉丸さんもそういう社長のところならやっていけそうだと決心したんですね。
「私は引っ込み思案なところがあって、場所を用意していただければ頑張るんですが、そこに行くまでが難しいというところがあって。吉永社長はそこをぶわーって広げてくれて、行きなさい行きなさいって押してくださるので。相性が良いんじゃないかなって思ってます」
――社長は「芯から明るい雰囲気を出せる」ことを評価されていましたが、ご自身が自覚している女優としての武器は?
「明るさと、笑顔と、どこにでもいそうな感じ。役の幅は広いんじゃないかなって思います。いろんな個性の女優さんがいると思うんですけど、明るくてあたたかい、親しみやすい感じは強みかなと。フォルムもシュッとしているわけではなく、ちょっとコロンとしていて、愛嬌のあるフォルムをしているのは武器かなと思っています」
――劇団ではまた違ったイメージだったとか?
「どちらかというとコメディな役や暴れ散らかす役が多く、朗らかな役ではなかったと思います。なので、映像作品で初めて普通の人間の役もできるんだって周知されたという。それまで犬の役とか、金塊役とかそういう人間でない役ばかりやっていたので、実年齢に近い女性の役も楽しいなって思っています」
――ミシェルエンターテイメントではどんなバックアップを受けていますか?
「フリーでずっとやってきてた身としては、幅広いお仕事をいただけるということがまずありがたかったです。29歳で映像を全くやったことが無くて怖かったんですけど、ワークショップや模擬オーディションで、どういうことが必要なのかを指導してくださって。それを知らずにまっ白なままでオーディションに行ったら、選ぶ土俵にさえ乗れなかったと思います。自社ワークショップもだらだらとやることなく、常に厳しく見られるので、オーディションの前段階として、素晴らしい場所を用意していただいたなと思います」
――事務所のカラーやスタッフの雰囲気はいかがですか?
「あったかい感じで、親身になってくださいます。全然オーディションに受からなくて落ち込んじゃうときも、ワークショップなどで会える機会がちょくちょくあって、アドバイスをもらったり、情報や意志を共有できるので、リスペクトしつつも近い存在というか…。劇団にちょっと近い存在で、一丸となって頑張って行こうという感じが自分に合っていると思います」
――ワークショップは他の所属者と一緒に受けているんですか?
「一緒に受けています。前回ボロボロだった人がすごく巻き返してきたり、これができるようになったんだ!ヤバい!とか、常に刺激を受けています。あと、いつも人目にされされているのって俳優の仕事として大切だなって感じます。ワークショップの種類も充実していて、映画的な生っぽいお芝居をするワークショップや、舞台っぽくしっかりと組み立てるお芝居をするワークショップなど練られているので、自分の不得手を克服して、得意を伸ばしていけると思います。現場では監督は演技を教えてくれる人ではないから、自分たちで準備していかないといけないので、事前にその場所を用意してくださるのは有難いと思っています」
――『ドンブラザーズ』出演中の仲間の活躍はどう感じていますか?
「一緒にワークショップを受けたり、一緒にお芝居をしてきたので、すごく嬉しいですね!ワークショップで、上手くいかないなぁとか、うわー!いいじゃん!という時を一緒に何度も過ごして来たので、うわーっ!おめでとう!って感じです、本当に。所属者はみんなそうじゃないですかね」
――今後の目標を教えていただけますか?
「もう少し歳を重ねたら、“明るいおばちゃんっていったら葉丸さんだよね”って、いう陽気なおばちゃんポジションは確立したい。あとは、生活感のある女優さんになりたい、こういう人いるよなっていう感じをちゃんと出せるような。劇団柿喰う客のような、観に来てくださる方が現実を忘れられるような時間を提供する作品もすごく好きなんですけど、人間がすごく好きなので、人間臭い役を演じられる俳優になりたいと思っています」
――これからオーディションにチャレンジしたい人にエールをお願いします。
「やりたいと思ったらやったほうがいいと思います! 年齢を重ねると、まず新しいことにチャレンジするのは勇気が必要で、リスクを考えるようになってきちゃうんです。でも私も事務所に入りたいと思った時に、周囲の人に言い始めたんです。そうしたら本当に事務所入って、今こうやってお仕事をさせていただいているので。自分で言ったり行動したりしていなかったら、たぶん女優を続けていなかったんだろうなって思うので、今やりたいと思ったことは、後先考えずに一回やってみたらいいと思います。後は流れに身を任せればいい事なので。怖い事より楽しい事のほうが勝つと思います!」
◆担当マネージャー・スタッフからの推薦コメント◆
葉丸あすかという女優は、つきぬけた明るさと朗らか、どの現場でも愛されるキャラクターでありながら、それがお芝居になると驚くべき変化をとげます。水のように空気のように「いいおばちゃん」から「殺人鬼」までどんな役にも染まれる自在さ、さらには対峙する相手の潜在能力までひきだせる女優です。この記事を読んでくださる皆様といつかご一緒できる日を楽しみにしています。
【プロフィール】
葉丸あすか(はまる・あすか)●1989年10月9日生まれ、埼玉県出身。
特技:日本舞踊、うさぎの取り扱い。
資格:普通自動車免許、動物取扱責任者。
中屋敷法仁主宰 劇団柿喰う客所属。
■舞台「閃光ばなし」
大阪:2022年9月26日(月)〜10月2日(日)/ロームシアター京都
東京:2022年10月8日(土)〜10月30日(日)/東京建物ブリリアホール
【脚本・演出】福原充則
【出演】安田章大 / 黒木 華 / 片桐 仁 桑原裕子 安藤 聖 小林けんいち みのすけ / 佐藤B作