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2022/08/04 18:01
『白夜行』でデビューした子役・土師野隆之介、大人の俳優となって麻生久美子の事務所に所属「これは運命だと思いました」
『研音ガールズオーディション』や『ホリプロタレントスカウトキャラバン』そして「東宝シンデレラ」など、芸能プロ主催の大規模オーディションが続々開催される2022年。オーディションメディア39年の『デビュー/Deview』が、芸能プロダクション137社の新人募集の大特集『夏の特別オーディション2022』を開催中だ。設立25年を迎え、麻生久美子、前野朋哉ら映画をメインに活躍する俳優のマネージメントや映画企画・製作・キャスティング業務を手掛ける「ブレス」が同特集に参加しているが、同社が送り出す新人俳優・土師野隆之介(はしの・りゅうのすけ)にインタビュー。子役からのキャリアを持ちつつ、新天地で新たなキャリアをスタートさせる期待の若手俳優に話を聞いた。
【ブレス所属/土師野隆之介(はしの・りゅうのすけ)インタビュー】
――プロフィールを拝見すると、子役からの長いキャリアがあるのですが、そもそもこの世界で仕事を始めたきっかけは?
「以前の事務所に入ったのは、生後10ヵ月のときで、オムツのCMに出ているぐらいのころですね。三兄弟の真ん中で、真ん中の子は愛情を受けにくくなるから、想い出作りのためにということで事務所に入れたらしいんです」
――物心ついて最初の仕事は?
「ドラマデビューの『白夜行』(2006年/TBS)で、綾瀬はるかさんと手を繋いだのは覚えてます。印象に残っているのは『オルトロスの犬』(2009年/TBS)というドラマです。すごく骨折して包帯グルグル巻きの役でした。最近そのドラマを見る機会があったんですけど、本当に台詞が棒読みで(苦笑)、久しぶりに見て恥ずかしかったですね。小学校1年生のとき、映画『ロック わんこの島』(2011年)で、主人公の子供時代という大きな役をいただいて、全国キャンペーンや、『めざましテレビ』の生放送にも出演させていただきました。その当時僕は全然緊張してなかったんですが、今観ると逆に緊張しちゃうぐらいで、当時は怖いもの知らずでしたね(笑)」
――そこから今に至るまで役者のお仕事を続けられたのはなぜですか?
「中学受験をしたときに一度芸能界を離れていて。俳優活動を休止する直前に『ロボット修理人のAi』という映画で田中じゅうこう監督に声をかけていただいて。芸能活動の為に休めないような中学だったんですが、スケジュールを合わせていただけるということで、挑戦しようと思いました。その作品が映画初主演だったんですが、撮影中に“演技ってやっぱり楽しいな”って思いました。将来の不安はあってもやってみたいと。それで休止していた事務所を一度辞めて、新しい事務所を探していた時に、映画の関係者の方がブレスを紹介してくださったんです。『ロック わんこの島』に出演したとき、お母さん役の麻生久美子さんがブレスの所属で。本当のお母さんのようにかわいがってくださったことを覚えていたので、これは運命だと思いました! 麻生さんとマネージャーさんとの関係も素敵だなって思っていましたし、映画の制作にも協力するなど、誠実で真面目で、実力で行くというイメージがあったので“ぜひお願いします!”という感じでした」
――『ロボット修理人のAi』は昨年公開されたんですね。撮影期間は結構長かったのでは?
「中学2年生の時の映像から、最後のシーンでは高校2年生の頃の映像まで使われているので。実質3年間ぐらい撮影していた感じですね」
――この作品でドゥルク国際映画祭(ブータン)で最優秀主演男優賞、カンヌ世界映画祭優秀若手男優賞(best young actor)を受賞しました。
「びっくりしました。海外で評価されるというのがもちろん初めてのことだったので、嬉しかったです。映画祭に参加されている海外の業界の方々が観て下さって、評価してくださったことがすごく嬉しかったです。日本でのネームバリューは関係なく、作品そのものを評価していただけたことが嬉しくて。これをきっかけに海外からのオファーはきたら嬉しいなって思います」
――そして映画撮影中にブレスに所属。現在は大学生になり、俳優として本格始動の準備中です。ブレスに所属してみて、事務所の雰囲気はいかがですか?
「想像していたより皆さん優しいです(笑)。オーディションって、どうしても落ちることが多いんですが、そういうときにマネージャーさんが“今はチャンスを貯める時間だから!次!次!”って励ましてくださいます。社長も本当に優しくて。想像以上にアットホームで優しい事務所でしたね」
――オーディション受ける時に心がけていることは?
「オーディションが終わったときに後悔はしたくないので、準備の段階からできるだけのことをして、自分の完璧な姿を相手に見せるというのを心がけています。大阪弁の役のオーディションのときには、大阪弁を使っているYoutubeを見て雰囲気を掴んだりしています」
――プロフィール的な部分のお話も聞きたいんですが、特技がいろいろありますね。
「空手は3歳から中学2年ぐらいまで10年やっていて、小学校のときは型で全国準優勝したこともあります。スポーツが大好きなのでアクションもやってみたいですし、ギターやピアノなどの楽器もやってきたので、バンドマン役もやりたいです。今は自分を高める期間思うのでなんにでも挑戦したいです」
――大学生活はいかがですか?
「大学は法学部政治学科で、法律や政治を学んでいるんですが、心理学や倫理学なども履修して楽しいです。サークルも、バドミントンとバレーボールとシネマ研究会に入ったので、本格的に始まるのが楽しみです。シネマ研究会は、映画を観ていろんな人の意見を聞けたり、マイナーな映画が好きな方もいるので楽しみです」
――プライベートで今ハマっていることは?
「大学生活をなあなあに過ごしていたら4年間は一瞬で終わるので、勉強しようと思って英語の勉強を始めました。やりだすと一通りできるようになるまでやっちゃうタイプで、今は本当にバカなんですけど『逆立ち腕立て伏せ』ができたらカッコいいなって思って練習しています(笑)」
――これから本格的に俳優活動を再開するにあたって、目標はありますか?
「今は本当に何でもやりたいんです。コメディはやったことがないですし、声優にも興味があるし、舞台演劇も本格的にやってみたい。いろいろマルチにやっていきたいと思っています。ウィル・スミス主演の映画『幸せのちから』の最後の演技、無職になった人が一生懸命頑張って、インターンとして採用された時の喜びの演技が、観ていて鳥肌が立つぐらい“演技じゃない”んですよ。ウィル・スミスは超大物で、アクションもできる大スターなんですが、そんなふうに繊細な表現までできるというのが凄いと思います。あんな演技ができるようになったら、俳優辞めてもいいなって思います。でも絶対に満足することはないんですけどね」
◆担当マネージャー・スタッフからの推薦コメント◆
まだ子役のあどけなさが残りつつも、少しずつ環境の変化とともに大人っぽさが垣間見えるこの時期。色んな試練が彼を待ち受けていたとしても、それがきっといい形で演技に活かされると思ってます。挫けてもいいので、周囲への感謝を忘れず、‘らしい’人生歩んでください。3年後、5年後、10年後とどんな成長を遂げるのか、今からが楽しみです。
【プロフィール】
土師野隆之介(はしの・りゅうのすけ)●2003年4月19日生まれ、神奈川県出身。
『白夜行』(TBS)でデビュー。以降子役として数々のドラマに出演。映画『ロック わんこの島』で300人を超えるオーディションを経て野山芯役に抜擢される。翌2012年には大河ドラマ『平清盛』で牛若丸で出演、2015年には舞台『春日局』で初舞台を踏む。初主演作『ロボット修理人のAi』にてドゥルク国際映画祭(ブータン)で最優秀主演男優賞、カンヌ世界映画祭優秀若手男優賞(best young actor)を受賞