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2022/01/10 21:11
少女歌劇団ミモザーヌ、20歳の1期生・きくたまことが卒団「私にとって人生の宝物」
広井王子氏が総合演出を手掛ける「少女歌劇団ミモザーヌ」が9日、東京・草月ホールで冬公演「Winter Story〜きくたまこと卒団公演〜」を行った。ミモザーヌは12〜19歳の少女で構成されており、“20歳で卒団”という歌劇団の活動制限に従い、最年長としてグループを牽引してきたきくたまことが、本公演を持ってグループ第1号の卒団を迎えた。
吉本興業が運営し、広井王子が総合演出を手掛ける『歌劇団プロジェクト』の1期生として加入しきくた。ミュージカル「アニー」、「赤毛のアン」、劇団四季「サウンド・オブ・ミュージック」などに出演経験があり、オーディションの段階で既に完成した実力を身につけていた。
広井氏は「すでに出来上がっている感じと、活動期間が短いだろうことが、ぼくの中でネックだった」と述懐しているが、「第1号の卒団をまことが迎えるだろう未来をそのときすでに想像していた。彼女をミモザーヌのモデルケースにしようと思って入団してもらった」との期待を込めて抜擢。それに応え、きくたはパフォーマンスの面でも、リーダーとしての精神面でもグループを牽引した。
この日はきくたの「卒団公演」として、広井氏も「まことの印象的なシーンを作ろうと考えました」と、花道を用意。第1部の冬物語のストーリーテラーとしての役割を受け、その凛とした佇まいと、透き通るのびやかな歌声で、冬の美しい愛の物語を貫き通した。メンバーも、大人びたダンス、パワフルな歌、清廉な群舞、キュートでコミカルなお芝居、目を見張るアクロバット等、多彩なパフォーマンスで観客を魅了した。
公演も終盤、きくたは一人舞台に立ち「10代の、かけがえのない時間をここで過ごせたことは、私にとって人生の宝物だったと思います。春に小さなつぼみが美しく咲いて、美しい時に散っていく桜のように、そんな儚い少女たちをこれからもあたたかく見守っていただけたら幸いです」と、あいさつした。
彼女の背中を見ながら共に歌劇団を作ってきたメンバーたちも、きくたを取り囲み卒団を祝福。きくたは「私はここで、人の繋がりって本当に素敵だなと何度も思いました。みんなには、人と人をつなぐ架け橋となるようなグループになっていってくれたら嬉しいなと思っています。これからも私は、少女歌劇団のことを全力で応援していきます」と語り、ステージを去って行った。
現在、第4期生を募集中の少女歌劇団ミモザーヌ。公演に先駆けたインタビューできくたは「私も、オーディションを受けると決めたときはすごく不安でしたが、応募して本当に良かったと何度も思ったので、悩んでいる子にはぜひ挑戦して欲しいです。広井さんや周りのスタッフの方々は、その子の秘めた力を絶対に見抜いてくれるはず。へんな心配をせずに、全力で私はこういう人です!っていうのを出してほしい」とエールを贈っている。